命の対価

桜庭 葉菜

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大切なもの 1

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 クッキー、チョコレート、飴──俺はお土産コーナーでお菓子とにらめっこをしている。

 せっかく遊びに来たのだから雅也と裕貴くらいにはお土産でもと思い、無難なお菓子にしようと思ったのだが、こうも種類が多いと困ってしまう。

 ふと辺りを見回すと、鈴木さんは1人で別の所を見ていた。

 もう少し悩んでも迷惑はかけないだろう。

 俺は再び色とりどりのお菓子の方へ目をやり、にらめっこの2回戦目を開始した。

 あれから数分悩み、結局俺が食べたいからという理由でクッキーにした。

 2人とも食べられないものはないし、お土産があるというだけで充分であろう。

 他には家用にクッキーやチョコの詰め合わせも買った。

 鈴木さんも俺のすぐ後に買い終わり、そろそろ帰ることにした。

「ペンギン可愛かった~!」

 駅までのほんの歩く時間。

 鈴木さんはずっとペンギンの話をしていた。

「楽しんでくれたならよかった」

「楽しかったよ! また遊ぼうね!」

 そんな絶対と言えない何気ない契りを交わす。

 俺はこんなにも鈴木さんと遊ぶことを楽しみにしていたのか。

 自分でも知らなかった想いに気づく。

 また、遊べるかな。

 彼女にとっては何気ない言葉だったかもしれないが、俺にとってはとても嬉しい言葉だった。

 また、誘おう。

 そう自分に約束したところで、駅が見えた。

「今日はありがとう」

 鈴木さんとは乗る電車が違うので、ここでお別れだ。

「こちらこそ、ありがとう。──あ、そうだ」

 そう言って鈴木さんが自分のバッグの中を漁る。

 そこから出てきたのは小さな紙袋だった。

「これ、今日と……あとこの前のお礼!」

 この前、とは恐らく映画の事だろうか?

 というか、それ以外思いつかない。

「この前のキーホルダー、嬉しくて携帯につけちゃった!」

 そう言ってさらに自分の携帯も出して俺に見せる。

 前回、初めて出かけた時、俺は映画館で買ったキーホルダーを鈴木さんにあげたのだ。

 今思い返せばなんであんなことをしたのだろうかと恥ずかしくなってくるが、現に鈴木さんが喜んでくれて、なおかつ俺にお礼までしてくれるなら結果オーライってやつだ。

 俺はイルカやペンギンなどの絵が可愛く描かれている小さな紙袋を受け取った。

「ありがとう」

 俺がお菓子の前でにらめっこをしている間に鈴木さんは俺のためにこれを選んでくれていたと思うとやばい。

 突然に語彙力を失ったが、それほどに嬉しかった。

「今、あけてもいい?」

 そんなことを、嬉しさのあまりつい口走ってしまった。
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