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告白 2
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微笑みながら同じように「ありがとう」と返される。
それから佐倉さんは、黙って俺に近づいてきた。
「話が、あるんだけど、今平気?」
俺が黙って頷くと、佐倉さんは場所を移動させようと歩き出した。
辿り着いたのはまだかろうじて涼しさが残っている1階の教室。
恐らく、ついさっきまで佐倉さんはここで講習を受けていたのであろう。
俺は佐倉さんが話始める前に雅也と裕貴に一緒に帰れないことを連絡した。
そしてまだ返事も来ないうちにすぐさまスマホを仕舞う。
話ってなんだろう。
「佐々木くんってさ」
俺から少し離れた場所で、こっちも見ずに話し始める佐倉さん。
「……体、もう何ともないの?」
「え?」
躊躇いながら出てきた彼女の言葉に、俺は聞き返すことしか出来なかった。
「去年の、事故」
事故──
俺自身、事故のことはもう全くと言っていいほど気にしていなかったので、まさか今頃になってその話をされるなんて。
「なんともないよ。この通り、普通に生活できてるから」
「そっか……」
俺の答えを聞いた彼女が、それを確かめるようにほんの数秒、こっちを見た。
「佐々木くん」
佐倉さんの声がどんどん消えそうに小さくなっていく。
「ごめんね」
掠れた声で言われた一言。
「どうして?」
俺には佐倉さんにそんな風に謝られる理由がわからなかった。
「好きに、なっちゃったから」
無理やりな笑いが交じった声。
「そんなの、ダメなのに。許されるわけないのに」
もう一度向けられた華奢な背中。
「何度自分にダメだって言い聞かせても、それでもどんどん好きになってて、止められなくて」
佐倉さんが天井を仰ぐ。
流れ落ちた髪の隙間から見えた頬が微かに光った。
「もう隠し続けるのも好きでい続けるのも辛くなっちゃった」
不意に顔をこちらへ向けた。
「あの事故は、私のせいだからさ──」
作られた笑顔と真実の涙が入り交じる。
彼女はその顔を俺に焼き付けて、教室を走り去ってしまった。
俺は動くことも言葉を発することも出来なかった。
教室を出た早い足音がそのまま消え去る。
それと入れ替わるように今度はゆったりとした足音が徐々に大きさを増した。
「幸介?」
今さっき佐倉さんが出ていったドアから顔をのぞかせたのは、裕貴だった。
「佐倉さんと、なんかあったのか?」
裕貴の問いに俺は答えられない。
「佐倉さん、泣かせたのか?」
俺の肩が、その言葉に反応する。
なんでいるんだよ。
先に帰っていいって連絡したじゃん。
俺が朝、顧問が怒ってるなんて嘘ついたからか?
その罰でも下ったのか?
何も発さない俺にイライラが募る裕貴。
「答えろよ!」
大声を上げ、俺の胸ぐらに両手でつかみかかる。
こいつは佐倉さんに特別な感情がある訳じゃない。
ただ、友人が女の子を泣かせたなんて、そんなことはあってはならないと思ってるんだ。
もちろん、女の子が涙を流すなんてことも。
俺は、お前みたいにそんな優しく厳しくなんてなれない──
「泣いてる女の子に男ができることって、なんだろうな」
それから佐倉さんは、黙って俺に近づいてきた。
「話が、あるんだけど、今平気?」
俺が黙って頷くと、佐倉さんは場所を移動させようと歩き出した。
辿り着いたのはまだかろうじて涼しさが残っている1階の教室。
恐らく、ついさっきまで佐倉さんはここで講習を受けていたのであろう。
俺は佐倉さんが話始める前に雅也と裕貴に一緒に帰れないことを連絡した。
そしてまだ返事も来ないうちにすぐさまスマホを仕舞う。
話ってなんだろう。
「佐々木くんってさ」
俺から少し離れた場所で、こっちも見ずに話し始める佐倉さん。
「……体、もう何ともないの?」
「え?」
躊躇いながら出てきた彼女の言葉に、俺は聞き返すことしか出来なかった。
「去年の、事故」
事故──
俺自身、事故のことはもう全くと言っていいほど気にしていなかったので、まさか今頃になってその話をされるなんて。
「なんともないよ。この通り、普通に生活できてるから」
「そっか……」
俺の答えを聞いた彼女が、それを確かめるようにほんの数秒、こっちを見た。
「佐々木くん」
佐倉さんの声がどんどん消えそうに小さくなっていく。
「ごめんね」
掠れた声で言われた一言。
「どうして?」
俺には佐倉さんにそんな風に謝られる理由がわからなかった。
「好きに、なっちゃったから」
無理やりな笑いが交じった声。
「そんなの、ダメなのに。許されるわけないのに」
もう一度向けられた華奢な背中。
「何度自分にダメだって言い聞かせても、それでもどんどん好きになってて、止められなくて」
佐倉さんが天井を仰ぐ。
流れ落ちた髪の隙間から見えた頬が微かに光った。
「もう隠し続けるのも好きでい続けるのも辛くなっちゃった」
不意に顔をこちらへ向けた。
「あの事故は、私のせいだからさ──」
作られた笑顔と真実の涙が入り交じる。
彼女はその顔を俺に焼き付けて、教室を走り去ってしまった。
俺は動くことも言葉を発することも出来なかった。
教室を出た早い足音がそのまま消え去る。
それと入れ替わるように今度はゆったりとした足音が徐々に大きさを増した。
「幸介?」
今さっき佐倉さんが出ていったドアから顔をのぞかせたのは、裕貴だった。
「佐倉さんと、なんかあったのか?」
裕貴の問いに俺は答えられない。
「佐倉さん、泣かせたのか?」
俺の肩が、その言葉に反応する。
なんでいるんだよ。
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俺は、お前みたいにそんな優しく厳しくなんてなれない──
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