22 / 47
交わらない思い出 1
しおりを挟む
あの教室での1件以来、佐倉さんとはもちろん、裕貴とも話すことはなかった。
もちろん、そんな状況でも毎日のように部活は続き。
お互いにプレー中は出来るだけいつも通りにしようと意識してはいたが、俺たちの間で何かあったことはもはや一目瞭然だった。
雅也も気にかけてくれはしたが、うまいこと和解できるようなタイミングもなく、よくも悪くもならないまま1週間が経った。
そして今は電車の中。
やっと鈴木さんと図書館で勉強をする日になったのだ。
今週1週間の部活は正直苦痛と言っていいほどで。
この時間が早く終わらないかと思えば思うほどいつもより長く感じていた。
今日は勉強をするために会うとはいえ、ここ最近の自分の気分転換のためにも、今まで以上に楽しみにしている自分がいた。
今日が終わればまた明日から部活があるということは、今は忘れてしまおう。
目的の駅までの2駅は思ったよりもあっという間だった。
改札を出たところで鈴木さんと合流する。
もう慣れたやり取りを終えた後に、図書館までの道を先導して歩いた。
「ほんっとごめん!」
「いやいや、大丈夫だよ」
頭を下げる俺に鈴木さんが両手をわたわたとさせながら言う。
俺はなんてミスをしてしまったんだ。
今日は鈴木さんと図書館で宿題をするということになっていた。
しかし、その肝心の図書館が今日は休館日だったのだ。
なんで確認しなかったんだろう。
……いや、今はそんなことを悔やんでいるわけにはいかない。
この真夏の太陽の下、俺たちを守ってくれるものは何1つなく。
暑さと焦りとが入り交じった汗が吹き出る。
今日はこのまま帰った方がいいか。
そう思った時、俺は不意にあることを思いつき、すぐさまそれを行動に移した。
「もしもし、母さん?」
俺は現在家にいる母さんに諸々の事情を説明し、家で一緒に勉強をさせて貰えないかと頼んだ。
急に俺が女の子を家に連れて行きたいなんて、驚くだろうな。
そう思ったのに、母さんは意外とあっさりしていて。
「わかったわ! 待ってるわねー!」
と、少し嬉しそうにも聞こえた。
「佐々木くん?」
電話を終えた俺の元へと駆け寄ってきた鈴木さんに、今の電話の内容を説明した。
「佐々木くんの、家に?」
「い、嫌だったらいいけど……」
女の子がいきなり男の家に行くことになるなんて、断られたとしてもそれは自然なこと。
そう自分に言い聞かせ、断られた時のダメージを予め最小限に抑え込む。
「嫌じゃない! 佐々木くんが嫌じゃないなら……」
もちろん、そんな状況でも毎日のように部活は続き。
お互いにプレー中は出来るだけいつも通りにしようと意識してはいたが、俺たちの間で何かあったことはもはや一目瞭然だった。
雅也も気にかけてくれはしたが、うまいこと和解できるようなタイミングもなく、よくも悪くもならないまま1週間が経った。
そして今は電車の中。
やっと鈴木さんと図書館で勉強をする日になったのだ。
今週1週間の部活は正直苦痛と言っていいほどで。
この時間が早く終わらないかと思えば思うほどいつもより長く感じていた。
今日は勉強をするために会うとはいえ、ここ最近の自分の気分転換のためにも、今まで以上に楽しみにしている自分がいた。
今日が終わればまた明日から部活があるということは、今は忘れてしまおう。
目的の駅までの2駅は思ったよりもあっという間だった。
改札を出たところで鈴木さんと合流する。
もう慣れたやり取りを終えた後に、図書館までの道を先導して歩いた。
「ほんっとごめん!」
「いやいや、大丈夫だよ」
頭を下げる俺に鈴木さんが両手をわたわたとさせながら言う。
俺はなんてミスをしてしまったんだ。
今日は鈴木さんと図書館で宿題をするということになっていた。
しかし、その肝心の図書館が今日は休館日だったのだ。
なんで確認しなかったんだろう。
……いや、今はそんなことを悔やんでいるわけにはいかない。
この真夏の太陽の下、俺たちを守ってくれるものは何1つなく。
暑さと焦りとが入り交じった汗が吹き出る。
今日はこのまま帰った方がいいか。
そう思った時、俺は不意にあることを思いつき、すぐさまそれを行動に移した。
「もしもし、母さん?」
俺は現在家にいる母さんに諸々の事情を説明し、家で一緒に勉強をさせて貰えないかと頼んだ。
急に俺が女の子を家に連れて行きたいなんて、驚くだろうな。
そう思ったのに、母さんは意外とあっさりしていて。
「わかったわ! 待ってるわねー!」
と、少し嬉しそうにも聞こえた。
「佐々木くん?」
電話を終えた俺の元へと駆け寄ってきた鈴木さんに、今の電話の内容を説明した。
「佐々木くんの、家に?」
「い、嫌だったらいいけど……」
女の子がいきなり男の家に行くことになるなんて、断られたとしてもそれは自然なこと。
そう自分に言い聞かせ、断られた時のダメージを予め最小限に抑え込む。
「嫌じゃない! 佐々木くんが嫌じゃないなら……」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
すべてはあなたの為だった~狂愛~
矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。
愛しているのは君だけ…。
大切なのも君だけ…。
『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』
※設定はゆるいです。
※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
好きって伝えたかったんだ。
まいるん
恋愛
ごめんなさい。
あの時伝えてれば。素直になれていたら。
未来は変わったのだろうか。
ずっと後悔してる。
もしもう一度君に会えたら。
もしもう一度君と話せたら。
高校1年生のすいは、同い年で幼なじみの蓮のことが好きだけど、告白できずにいた。想いを伝えることはできるのか。2人は結ばれるのか。
幼なじみ同士の少し不思議で切ない物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる