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第1章 異能力の目覚め
第10話 記憶の狭間に
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「なるほど。彼はファウストっていう異能者集団の幹部なのか。なんかそこらの保険屋みたいな恰好だし、強そうでもないのにな。この人、幹部なんだな。」
「そうだな。で、その組織はなんか増えすぎた人間を減らすのが目的で作られた結構ぶっ飛んだ組織で、今は一人でも多く異能者が欲しいんだそうだ。それでその組織に対抗する組織もあって名をシャクンタラーという。」
「なに!?組織の連中が!?」
南はカッとその眼を見開き、慌てた様子でこちらを見る。
それが物欲しそうな顔に変わるまではすぐだったが。
「…………今日も、その組織同士でいざこざがあったそうだ。」
「迫真の演技だったろうが。ノッてくれよ。」
「…………お、マジかよ。」
「ん?どうした?」
「なんでも、今日はシャクンタラーのレベルAを三人もやったそうだ。レベルてのはまあ、強さの目安みたいなもんだな。レベルSってのが一番上で下がレベルⅮか。まあ、レベル規則は面倒だから聞かなくてもいいか。一応レベルSってのは震災レベルだそうで六人くらいしか確認できていないらしい。さっきの橋爪ってやつもレベルSらしい。結構強いんだな。」
「そうなのか。俺たちが知らない間にこの町は揺れ動いていたのか。これは、俺の出番かもしれないな。」
「お前、橋爪にやられて開始早々負けてただろうが?」
「うん。いいから続き聞かせて。」
「お前。むかつく。」
「いいから。ほら話してごらんよ。西京くん。」
「…………」
「痛い!お前やめろよ。こちとら怪我人ですよ。」
「それでだ。うんうん。…………え?マジか。」
「どうした?」
「今日あった戦いでシャクンタラーのレベルAである北条美紀、宮亜里沙、植木仁を倒したそうだ。…………いや待て。北条ってもしかして。」
「そうかもしれないし、違うかもしれない。同姓同名のやつの可能性もあるだろ。とりあえず、その場所に向かおう。」
「この町からちょっと離れた野外活動施設だ。」
「よし、行くぞ。」
飯田は朦朧としており、口の端からよだれを垂らしながら視点も定まらずゆらゆらと移ろう眼で虚空を見ている。その状態で聞いたことを何でも答えてくれる。
はたから見れば結構ヤバイ状態だ。
俺の異能により、奴は傀儡同然となってしまった。
現状を確認するためとはいえ、これはやりすぎかもしれない。
この時、すこしばかり怖くなった。
俺の異能は場合によってはなんでもできる異能だ。
これは最悪最強の異能である。一歩間違えれば、すべてを無にも出来る。
ふとしたことで宣言を間違えれば俺はとんでもない事をやらかしてしまうかもしれない。
頭が痛む。
選択を間違えるな。
そう選択は無数にある。
全てを無に帰す選択。
全てを塗り替える選択。
過去を変える選択。
選択を間違って彼女の記憶を改ざんする。
一歩間違えて、彼女を…………?
その方がいい。
長い旅に疲れたんだ。
もう一回休んで任してしまおう。
所詮、俺のような高校生にはひと一人救うことだって出来やしない。ならばすべてを消して無を作って、世界を作り変えるんだ。
糸は記憶と仮定しよう。
前の糸は川のように時間に流れていく。
今の糸は軽く流れて捕まえて、また取り戻したら。また流す。
繰り返して。
繰り返して。
繰り返して。
宣言と承認だろ?
簡単だ。
世界を変えても、一人も…………。
彼女は…………。
俺は…………。
「西京。…………。西京!!東さんが!!」
南の声が聞こえる。
「え?」
「西京!!西京!!」
「疲れちゃった。肇。私、疲れちゃった。」
「少年。次はどうする?もう一度戻すか?それともやめるか?」
頭の中で色んな人の事が聞こえた。誰の声かはわからない。しかしながら、皆一様に俺に問う。
なんで…………そうなったのか?
なんで…………。
なんだろう。
これはなんなんだろう。
何故か情報が一気に頭に流れ込んできて。
俺は…………。
「西京。…………。西京?」
頭痛が止むと、先ほどの混濁した記憶は一旦その流れを止める。
「あ。…………おう。なんでもない。分かってる。こいつを正常に戻す。」
「おう。よし。」
俺は理性を取り戻し、飯田を元に戻す。
飯田は催眠術が解けたように、目を開けてパチクリと瞬きを繰り返す。
そうして、俺たちを見て、狼狽しながらも口を開いた。
「…………どういうことだ?俺が放ったエクストリームストームは?」
「エクスと…………え、なに?」
「エクストリームストームだ。竜巻をいっぱい出すやつ。こうブワーっと。」
出すやつって…………。ブワーって。
なんか幼児退行してないかこの人。
「ああ。技名か。…………おい、南笑うな。この人も一生懸命付けたんだよ。」
「ごめん。」
後ろで馬鹿笑いする奴を窘める。
「それは僕が消しましたね。」
「なん…………だと?」
「えっと、とりあえず僕らには今後一切関わらないでください。そうしてくれたら解放してあげます。」
「…………わか。分かった。」
まだ完璧に今の状況を飲み込めていないだろうが、飯田は頷く。そして、うなだれて戦意も喪失したように見える。
とりあえず今は早く戦いに負けたという北条さんの安否を確認しに行かなくてはならない。
彼から目を話すと俺と南は野外施設に向かう。
「南。行こう。」
「おう。」
俺と南が完全に北条さんの件について気を取られているとき、後ろで飯田の声が聞こえた。
「…………馬鹿が!!!クソガキどもが!!」
飯田は座り込んだまま、こちらに手をかざす。
異能を放つ気だ。
迂闊だった。
ここは戦場で、彼は俺らを殺しにくる。
この距離では俺の宣言も承認も間に合わない。ヤバイ。
「死ね!!」
彼の手は俺と南を捕えていた。
彼の異能を一発もらう羽目になるだろう。
異能に身構える俺たち。
勝ちを確信し、にっこり笑顔で手を前にかざす飯田。
しかし、何も起こらない。
ただ道に風が吹いて、俺たちの頬をかすめてまた遠い町にでも消えていくのだろう。夕日を背景に風が三人を包み込んだ。
「え?」
「ん?」
俺と飯田が固まっているとき、南は何かに気づいて笑っていた。
「は。ははは。これは。…………やっぱりそうか。」
「ん?どうした南?」
「おいおい。エクストリームなんとか打ってみろよ?おら?」
「この野郎!!死ね!!死ね!!死ね!!」
飯田は物騒な言葉を吐き散らかし、腕を前に突き出し手の開閉運動を繰り返す。
しかしながら、何も起こらない。
もう今日が終わるのか。
日が沈んでいく。夕日に照らされる俺たち。
今日も照らしてくれてありがとう。終わりとは美しくも儚げだ。今日に乾杯。
「おい。なんだその詩みたいなの。ポエマーかよ。南どういうことだ?」
「まだ分からないのか?お前の異能は他者の異能を消し去る可能性がある。」
「可能性?」
「そうだ。小田さんのニュースもそうだっただろ?あの人はテレキネシス使いのくせにあっさり警察に捕まっただろう?牢獄から出てくる様子もない。それにさっきからそこでもう一人あがいてるやつがいるだろう?おい?分かってるんだよ。橋爪。」
南の顔が向く方に目をやる。
すると橋爪がこちらに一生懸命手を伸ばしているのが分かる。
「くそが…………。」
「俺は視界の端で手をグーパーする間抜けなお前を泳がしていたのさ。」
橋爪は未だ、手をこちらに伸ばして俺たちを睨みつける。
「なるほどな。…………そんな能力があったのか。」
「まだ憶測だけどな。確証がないしな。まあ、とりあえずこの二人どうするよ?」
「そうだな。とりあえず異能についての記憶を消してお帰りいただこう。」
「そうだな。」
俺は異能を発動した。
「そうだな。で、その組織はなんか増えすぎた人間を減らすのが目的で作られた結構ぶっ飛んだ組織で、今は一人でも多く異能者が欲しいんだそうだ。それでその組織に対抗する組織もあって名をシャクンタラーという。」
「なに!?組織の連中が!?」
南はカッとその眼を見開き、慌てた様子でこちらを見る。
それが物欲しそうな顔に変わるまではすぐだったが。
「…………今日も、その組織同士でいざこざがあったそうだ。」
「迫真の演技だったろうが。ノッてくれよ。」
「…………お、マジかよ。」
「ん?どうした?」
「なんでも、今日はシャクンタラーのレベルAを三人もやったそうだ。レベルてのはまあ、強さの目安みたいなもんだな。レベルSってのが一番上で下がレベルⅮか。まあ、レベル規則は面倒だから聞かなくてもいいか。一応レベルSってのは震災レベルだそうで六人くらいしか確認できていないらしい。さっきの橋爪ってやつもレベルSらしい。結構強いんだな。」
「そうなのか。俺たちが知らない間にこの町は揺れ動いていたのか。これは、俺の出番かもしれないな。」
「お前、橋爪にやられて開始早々負けてただろうが?」
「うん。いいから続き聞かせて。」
「お前。むかつく。」
「いいから。ほら話してごらんよ。西京くん。」
「…………」
「痛い!お前やめろよ。こちとら怪我人ですよ。」
「それでだ。うんうん。…………え?マジか。」
「どうした?」
「今日あった戦いでシャクンタラーのレベルAである北条美紀、宮亜里沙、植木仁を倒したそうだ。…………いや待て。北条ってもしかして。」
「そうかもしれないし、違うかもしれない。同姓同名のやつの可能性もあるだろ。とりあえず、その場所に向かおう。」
「この町からちょっと離れた野外活動施設だ。」
「よし、行くぞ。」
飯田は朦朧としており、口の端からよだれを垂らしながら視点も定まらずゆらゆらと移ろう眼で虚空を見ている。その状態で聞いたことを何でも答えてくれる。
はたから見れば結構ヤバイ状態だ。
俺の異能により、奴は傀儡同然となってしまった。
現状を確認するためとはいえ、これはやりすぎかもしれない。
この時、すこしばかり怖くなった。
俺の異能は場合によってはなんでもできる異能だ。
これは最悪最強の異能である。一歩間違えれば、すべてを無にも出来る。
ふとしたことで宣言を間違えれば俺はとんでもない事をやらかしてしまうかもしれない。
頭が痛む。
選択を間違えるな。
そう選択は無数にある。
全てを無に帰す選択。
全てを塗り替える選択。
過去を変える選択。
選択を間違って彼女の記憶を改ざんする。
一歩間違えて、彼女を…………?
その方がいい。
長い旅に疲れたんだ。
もう一回休んで任してしまおう。
所詮、俺のような高校生にはひと一人救うことだって出来やしない。ならばすべてを消して無を作って、世界を作り変えるんだ。
糸は記憶と仮定しよう。
前の糸は川のように時間に流れていく。
今の糸は軽く流れて捕まえて、また取り戻したら。また流す。
繰り返して。
繰り返して。
繰り返して。
宣言と承認だろ?
簡単だ。
世界を変えても、一人も…………。
彼女は…………。
俺は…………。
「西京。…………。西京!!東さんが!!」
南の声が聞こえる。
「え?」
「西京!!西京!!」
「疲れちゃった。肇。私、疲れちゃった。」
「少年。次はどうする?もう一度戻すか?それともやめるか?」
頭の中で色んな人の事が聞こえた。誰の声かはわからない。しかしながら、皆一様に俺に問う。
なんで…………そうなったのか?
なんで…………。
なんだろう。
これはなんなんだろう。
何故か情報が一気に頭に流れ込んできて。
俺は…………。
「西京。…………。西京?」
頭痛が止むと、先ほどの混濁した記憶は一旦その流れを止める。
「あ。…………おう。なんでもない。分かってる。こいつを正常に戻す。」
「おう。よし。」
俺は理性を取り戻し、飯田を元に戻す。
飯田は催眠術が解けたように、目を開けてパチクリと瞬きを繰り返す。
そうして、俺たちを見て、狼狽しながらも口を開いた。
「…………どういうことだ?俺が放ったエクストリームストームは?」
「エクスと…………え、なに?」
「エクストリームストームだ。竜巻をいっぱい出すやつ。こうブワーっと。」
出すやつって…………。ブワーって。
なんか幼児退行してないかこの人。
「ああ。技名か。…………おい、南笑うな。この人も一生懸命付けたんだよ。」
「ごめん。」
後ろで馬鹿笑いする奴を窘める。
「それは僕が消しましたね。」
「なん…………だと?」
「えっと、とりあえず僕らには今後一切関わらないでください。そうしてくれたら解放してあげます。」
「…………わか。分かった。」
まだ完璧に今の状況を飲み込めていないだろうが、飯田は頷く。そして、うなだれて戦意も喪失したように見える。
とりあえず今は早く戦いに負けたという北条さんの安否を確認しに行かなくてはならない。
彼から目を話すと俺と南は野外施設に向かう。
「南。行こう。」
「おう。」
俺と南が完全に北条さんの件について気を取られているとき、後ろで飯田の声が聞こえた。
「…………馬鹿が!!!クソガキどもが!!」
飯田は座り込んだまま、こちらに手をかざす。
異能を放つ気だ。
迂闊だった。
ここは戦場で、彼は俺らを殺しにくる。
この距離では俺の宣言も承認も間に合わない。ヤバイ。
「死ね!!」
彼の手は俺と南を捕えていた。
彼の異能を一発もらう羽目になるだろう。
異能に身構える俺たち。
勝ちを確信し、にっこり笑顔で手を前にかざす飯田。
しかし、何も起こらない。
ただ道に風が吹いて、俺たちの頬をかすめてまた遠い町にでも消えていくのだろう。夕日を背景に風が三人を包み込んだ。
「え?」
「ん?」
俺と飯田が固まっているとき、南は何かに気づいて笑っていた。
「は。ははは。これは。…………やっぱりそうか。」
「ん?どうした南?」
「おいおい。エクストリームなんとか打ってみろよ?おら?」
「この野郎!!死ね!!死ね!!死ね!!」
飯田は物騒な言葉を吐き散らかし、腕を前に突き出し手の開閉運動を繰り返す。
しかしながら、何も起こらない。
もう今日が終わるのか。
日が沈んでいく。夕日に照らされる俺たち。
今日も照らしてくれてありがとう。終わりとは美しくも儚げだ。今日に乾杯。
「おい。なんだその詩みたいなの。ポエマーかよ。南どういうことだ?」
「まだ分からないのか?お前の異能は他者の異能を消し去る可能性がある。」
「可能性?」
「そうだ。小田さんのニュースもそうだっただろ?あの人はテレキネシス使いのくせにあっさり警察に捕まっただろう?牢獄から出てくる様子もない。それにさっきからそこでもう一人あがいてるやつがいるだろう?おい?分かってるんだよ。橋爪。」
南の顔が向く方に目をやる。
すると橋爪がこちらに一生懸命手を伸ばしているのが分かる。
「くそが…………。」
「俺は視界の端で手をグーパーする間抜けなお前を泳がしていたのさ。」
橋爪は未だ、手をこちらに伸ばして俺たちを睨みつける。
「なるほどな。…………そんな能力があったのか。」
「まだ憶測だけどな。確証がないしな。まあ、とりあえずこの二人どうするよ?」
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