野良犬ぽちの冒険

KAORUwithAI

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第4話 土管の中のゆめ

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 コロッケでおなかが少しふくらんだあとも、ぽちは歩きつづけました。
 でも、日はすっかりかたむき、あたりはだんだん暗くなっていきました。

 「……よる、かぁ」

 店のシャッターが下り、ネオンがちらちら光りだすころ、
 ぽちは不安そうにまわりを見わたしました。

 どこか、雨や風をしのげる場所はないだろうか。
 人に見つからず、ゆっくり休めるところは──


 そのとき、ぽちはとある空き地に入りました。
 草がぼうぼうと生えた その場所には、
 コンクリートの土管がいくつかつみ上げられていました。

 「ここなら……ねられるかも」

 ぽちはそっと中に入りました。
 土管の中は ひんやりしていましたが、風はこず、少し安心できました。

 くるっと体を丸めて、ぽちは目をとじます。


 ──ぽちは、夢を見ました。

 それは、むかし おじさんといっしょに遊んだ日のこと。

 公園でボールをおいかけたこと。
 ひなたぼっこをしながら おじさんのひざでねむったこと。
 おなかをなでてもらって、うとうとしていたこと。

 「ぽち、いいこだなぁ」

 あの声が、また耳に聞こえた気がしました。
 あたたかい手のぬくもりも、たしかに感じた気がしました。


 ──でも。

 ぽちはその夢の中で、ぽたぽたと涙をこぼしました。

 「くぅん……」

 目をとじたまま、小さく鳴いて、土管の中でうずくまりました。
 ぽちのほっぺたをつたう涙は、土のにおいがする床に、
 静かにしみこんでいきました。

 いまはもう、となりにおじさんはいません。
 でも、夢の中だけは、すぐそこにいるような気がしたのです。


 ──次の日の朝。

 ぽちは、こぼれた涙のあとを、すこしだけ残して、
 また あるきはじめます。

 小さな足音で、あたらしい一日へと向かって。
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