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カボチャクリームぷにぷにニョッキ
カボチャクリームぷにぷにニョッキ4
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そこでアヴリルがボリスに手を置いて、話したいとジェスチャーで伝えてから、レオに向き合った。
「カゴを編んだり、服を縫ったり、やれることはなんでもします。兄は心配性なのでこんな風ですが私も働きますから」
アリシャは背を向けて床を掃きながら、小さく拳を作って喜んだ。
アヴリルは何度か話した印象だけでも好人物だった。サバサバとした話し方をし、笑う時はとても豪快だ。まるで夏の陽射しの中で咲く花のような人なのだ。
もしかするとジョゼフのあの活力のなさははアヴリルに全部栄養をとられてしまったのかもしれないなどと密かに思って、一人納得していたアリシャだった。
「さっきも話した通り、払うものは払ってくれたら構わない。揉め事なんかも御免だがな」
レオが一応許可したと踏んだドクが、家はどこにするかボリスに聞いた。ボリスはわざわざ見に行かなくても村の廃屋の事は知っているから話は早かった。
「食事をするのは宿屋だし、宿屋の隣が井戸なのだから、その二つに近いのを選びます。造りは大抵大差がないし、屋根がないのもかわりませんから」
井戸の真北にある家がボリスの言っている物件だと予測できた。残念ながらその家は窓もドアも屋根すらもなくなっているのに加え、珍しく石壁の一部も壊れていた。
「君ならすぐに直せるだろうし良いだろう。幸い、板も持ってきてくれた一家がいるからなんとかなる。ただ、金はしっかり払ってもらわねばならない。人が多くなってなぁなぁにするのはやめているのだ」
ボリスは頷き「水車や塀を建てるのにお金を払ってもらえますか? そしたら家の板代も払えます」と提案した。
レオが暫し考えてから顔を上げる。
「では、こうしよう。水車にかかる費用は私が持つ。ようはボリスへの支払いは私がしよう。水車が使えれば粉挽き料で直ぐに元がとれるからな。水車の使用料から、私が修繕にかかった分だけ返済してもらい、返済が終わったらその収入で塀を作っていこう」
ボリスが同意し頷いたので交渉成立となった。
「先に家を直しても?」
「もちろんだ。君を信用しているからな」
ボリスが立ち上がりレオに握手を求め、二人はしっかりと手を握りあった。
レオが話し合いを終えて立ち上がるとドクも立ち上がりアリシャの肩をポンポンと叩いた。
「ほら、丸く収まったから仕事をしておいで。心配なのはわかるが同じ場所ばかり掃いていると板が削れちまうよ」
始めはちゃんと掃き仕事をしていたのに、話し合いの内容に夢中になって同じところしか掃いていなかったらしい。それをドクに指摘されてアリシャは恥ずかしかった。
「わ、すいません!」
慌てて逃げ出すアリシャの後に続くように皆が次々と外へと出ていった。外で待っていたココがまだアヴリルとジョゼフに馴れずに吠え立てていた。
その日の昼頃、ウィンが戸口に現れて食料庫の物を少し整理したいから少しだけ見に来てほしいと言ってきた。
「秋は秋で収穫も多いし、冬に向けて家畜も処分するだろ? 流石にあふれそうだからさ」
冬は餌がなくなるので最小限の家畜を残して処分するのだ。そうなると、塩漬けにしたり燻製にしたりして食料庫の方へと運ばれてくるから、冬の初め頃は食材が入り切らない事態が予想された。
「料理部屋の棚に出来るだけ移動させるわ」
「そうだね。あとカボチャがかなりあるからアリシャが必要な分だけ宿屋に運びたいんだ。とりあえず個室の一つに──」
「それなら私の部屋の隅でいいわ。かなり広めに作ってくれたお陰で余裕もあるし、何より運ぶのが楽だもの」
「そう? 今年はここいら一帯でカボチャが山程とれているから安くするよ。沢山確保して」
それは毎日食料庫の中を見ているアリシャにもわかっていた。夏の間、徐々に収穫されてみるみる食料庫を圧迫する凄まじさだった。ただ、カボチャはしばらく置いておかないと大味過ぎて美味しくない。だから、邪魔なほどあるのに手を出せなかったのだ。
「もう食べられそう?」
アリシャの問いに「ああ、大丈夫。上手いこと調理して出して」と、ウィンはにこやかに返した。
沢山譲り受けてカボチャパイを作るのも良いかもしれない。いや、パイだとありきたりかも。
「今いける?」
ウィンに促され揃って食料庫に向かった。その道すがらボリスが水車を直すという話をウィンに語って聞かせていた。
「そりゃいいね。人が増えるとその分挽かなきゃいけない小麦量が増えるしね。そうそう、鍛冶屋もかなり進んだよ」
ウィンはジャンに教わりながら鍛冶屋の炉を造っていた。常に火を使う為、川沿いの水車小屋の横に一から建てている。石運びから始まり石の積み上げ、何から何までやらなければやらない。しかも家と違い急ぎではないので、本当にほぼウィンだけでやっていた。
「すごいわね! 楽しみだわ。鉄のお鍋でしょ、蹄鉄も新しいのが必要だもの」
「お得意様になってくれるんだね」
もちろんと胸を張るアリシャに頼んだよとウィンが微笑む。
「僕は鍛冶屋としてやっていけそうなら、それで独り立ちするつもりなんだ。そうしたら家も出て……所帯を持ちたい」
「所帯? ウィンはまだ十八でしょ? 早いのね」
大抵は二十代半ばかそれ以降に結婚し家庭を持つ男性が多いので、アリシャはウィンの言葉に少し驚かされた。
「鍛冶屋になるまで少なくとも数年かかると思うよ。だからまだだけど……僕は早めに家庭を持ちたいんだ」
「カゴを編んだり、服を縫ったり、やれることはなんでもします。兄は心配性なのでこんな風ですが私も働きますから」
アリシャは背を向けて床を掃きながら、小さく拳を作って喜んだ。
アヴリルは何度か話した印象だけでも好人物だった。サバサバとした話し方をし、笑う時はとても豪快だ。まるで夏の陽射しの中で咲く花のような人なのだ。
もしかするとジョゼフのあの活力のなさははアヴリルに全部栄養をとられてしまったのかもしれないなどと密かに思って、一人納得していたアリシャだった。
「さっきも話した通り、払うものは払ってくれたら構わない。揉め事なんかも御免だがな」
レオが一応許可したと踏んだドクが、家はどこにするかボリスに聞いた。ボリスはわざわざ見に行かなくても村の廃屋の事は知っているから話は早かった。
「食事をするのは宿屋だし、宿屋の隣が井戸なのだから、その二つに近いのを選びます。造りは大抵大差がないし、屋根がないのもかわりませんから」
井戸の真北にある家がボリスの言っている物件だと予測できた。残念ながらその家は窓もドアも屋根すらもなくなっているのに加え、珍しく石壁の一部も壊れていた。
「君ならすぐに直せるだろうし良いだろう。幸い、板も持ってきてくれた一家がいるからなんとかなる。ただ、金はしっかり払ってもらわねばならない。人が多くなってなぁなぁにするのはやめているのだ」
ボリスは頷き「水車や塀を建てるのにお金を払ってもらえますか? そしたら家の板代も払えます」と提案した。
レオが暫し考えてから顔を上げる。
「では、こうしよう。水車にかかる費用は私が持つ。ようはボリスへの支払いは私がしよう。水車が使えれば粉挽き料で直ぐに元がとれるからな。水車の使用料から、私が修繕にかかった分だけ返済してもらい、返済が終わったらその収入で塀を作っていこう」
ボリスが同意し頷いたので交渉成立となった。
「先に家を直しても?」
「もちろんだ。君を信用しているからな」
ボリスが立ち上がりレオに握手を求め、二人はしっかりと手を握りあった。
レオが話し合いを終えて立ち上がるとドクも立ち上がりアリシャの肩をポンポンと叩いた。
「ほら、丸く収まったから仕事をしておいで。心配なのはわかるが同じ場所ばかり掃いていると板が削れちまうよ」
始めはちゃんと掃き仕事をしていたのに、話し合いの内容に夢中になって同じところしか掃いていなかったらしい。それをドクに指摘されてアリシャは恥ずかしかった。
「わ、すいません!」
慌てて逃げ出すアリシャの後に続くように皆が次々と外へと出ていった。外で待っていたココがまだアヴリルとジョゼフに馴れずに吠え立てていた。
その日の昼頃、ウィンが戸口に現れて食料庫の物を少し整理したいから少しだけ見に来てほしいと言ってきた。
「秋は秋で収穫も多いし、冬に向けて家畜も処分するだろ? 流石にあふれそうだからさ」
冬は餌がなくなるので最小限の家畜を残して処分するのだ。そうなると、塩漬けにしたり燻製にしたりして食料庫の方へと運ばれてくるから、冬の初め頃は食材が入り切らない事態が予想された。
「料理部屋の棚に出来るだけ移動させるわ」
「そうだね。あとカボチャがかなりあるからアリシャが必要な分だけ宿屋に運びたいんだ。とりあえず個室の一つに──」
「それなら私の部屋の隅でいいわ。かなり広めに作ってくれたお陰で余裕もあるし、何より運ぶのが楽だもの」
「そう? 今年はここいら一帯でカボチャが山程とれているから安くするよ。沢山確保して」
それは毎日食料庫の中を見ているアリシャにもわかっていた。夏の間、徐々に収穫されてみるみる食料庫を圧迫する凄まじさだった。ただ、カボチャはしばらく置いておかないと大味過ぎて美味しくない。だから、邪魔なほどあるのに手を出せなかったのだ。
「もう食べられそう?」
アリシャの問いに「ああ、大丈夫。上手いこと調理して出して」と、ウィンはにこやかに返した。
沢山譲り受けてカボチャパイを作るのも良いかもしれない。いや、パイだとありきたりかも。
「今いける?」
ウィンに促され揃って食料庫に向かった。その道すがらボリスが水車を直すという話をウィンに語って聞かせていた。
「そりゃいいね。人が増えるとその分挽かなきゃいけない小麦量が増えるしね。そうそう、鍛冶屋もかなり進んだよ」
ウィンはジャンに教わりながら鍛冶屋の炉を造っていた。常に火を使う為、川沿いの水車小屋の横に一から建てている。石運びから始まり石の積み上げ、何から何までやらなければやらない。しかも家と違い急ぎではないので、本当にほぼウィンだけでやっていた。
「すごいわね! 楽しみだわ。鉄のお鍋でしょ、蹄鉄も新しいのが必要だもの」
「お得意様になってくれるんだね」
もちろんと胸を張るアリシャに頼んだよとウィンが微笑む。
「僕は鍛冶屋としてやっていけそうなら、それで独り立ちするつもりなんだ。そうしたら家も出て……所帯を持ちたい」
「所帯? ウィンはまだ十八でしょ? 早いのね」
大抵は二十代半ばかそれ以降に結婚し家庭を持つ男性が多いので、アリシャはウィンの言葉に少し驚かされた。
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