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カボチャクリームぷにぷにニョッキ
カボチャクリームぷにぷにニョッキ5
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優しいウィンなら家庭を大事にするだろうし、平和で温かい家庭が容易に想像出来た。
「いいと思う。絶対に素敵な家庭になるわね」
手放しでウィンの希望を応援すると、ウィンが照れくさそうに「その時はこの村からお嫁さんを貰いたいんだ」と言うので、アリシャは「良いわね。素敵」と考えなしに言った。しかし、カボチャを運び終えて一人になってからあることに気がついてしまう。
(ちょっと待って……この村でって、私かリアナしかいないじゃない! あ、アヴリルもいるけど)
にわかにウィンの構想が形になって見せつけられた気持ちになった。
(そ、そこまではっきりした未来予想図は考えてないのよ。絶対にそう)
否定しながら想像してしまう。ウィンと並んだアリシャ。ウィンと並んだリアナ。ウィンと並んだアヴリル。エドと並んだアリシャ……。
(わ! なんでエドが出てくるのよ。ああ、ウィンの兄弟だから、そう、それ!)
一人で自分に突っ込んで、焦ってカボチャの選定をしていく。食べ頃のものと、そうではない物を分けていった。皮の一部がオレンジ色になっているのが追熟完了のサインだ。重いカボチャを選別し、既に食べ頃を迎えている物を五つ、料理部屋に運んでいった。
(でも、いつか……私も誰かと結婚をするのかも)
アリシャはカボチャを置いて手を止める。無意味にカボチャの表面を撫でながら、防御の力が自分の中に宿っている事実に顔を顰めてしまう。
(私に子供が出来たら、その子に力が移行する。それは私だけの問題ではなくて、村の、いえ全ての人々に影響するんだわ)
考えるとその重みに震え上がって動けなくなった。アリシャが死んでも、子供が亡くなっても、それは皆にとって悲劇だ。世界にとっても悲劇だ。
自分の身に降り掛かってくると、代々力を維持するスルシュア王国の偉大さをひしひしと感じる。しかもあの国にあるのは攻撃の力であって、宿主が病にかかったりしても救うことが出来ないのだ。並々ならぬ努力をしていることだろう。
足元に寄ってきたココを抱き上げると、ギュッと抱きしめた。
(なんで私にこのような力が……神は私にそんな重大な責務を課すのか)
「おい、ココが苦しがってるぞ」
声の主の方に振り返ると、アリシャはなんだか涙がこぼれそうになっていた。
「ん? なんだ? 腹でも痛いのか?」
エドはいつだって口が悪い。それなのにアリシャはエドが一番安心できる相手だった。
「痛くないよ」
力なく答えるアリシャからココを救い出し、おろしてから「真っ昼間からご機嫌斜めか、お前の飼い主は」とココに話しかけていた。
「んで、なんで半泣きなんだ?」
理由を聞いてくれるなんて思わなかった。小さな気遣いが嬉しくてアリシャは素直に自分の気持ちを話してみる。
「時々、私の中に宿った力のことを考えるとプレッシャーでどうにかなりそう……」
エドは口を引き結んでココにするみたいにアリシャの顎を撫でた。
「期待は重いし、それに応えられないのは辛い。俺はお前がただそこに居れば、それでいい。防御のアリシャではなく、お前は俺にとってただのアリシャだ。わかるか?」
アリシャが頷くとエドは珍しく柔らかく笑ってくれた。
「誰が何を言ってこようが知ったこっちゃない。アリシャはアリシャだ。期待になんて応える義務はねぇってこと」
アリシャが上目遣いで見上げると、エドはそんなアリシャの鼻の頭を指で弾いた。
「物欲しそうな顔すんなよ」
エドはいちいちアリシャの顔を沸騰させる。一気に真っ赤になるのを感じてアリシャがエドを押しやると、押された反動でエドの髪が揺れた。
「あはは、偉大な防御の主はいつでも甘熟リンゴだな。食われないように気をつけろよ」
出ていこうとオーク材の戸に手をかけるエドに、アリシャが「ねぇ! 用事があったんじゃないの?」と呼び掛けるとエドはないとだけ言って去っていく。
(避けてるんじゃないかと私が言ったから来てくれたの?)
アリシャはエドの優しさにやっぱり涙がこぼれそうだった。
エドが行ってしまったので気持ちを新たにカボチャの皮と悪戦苦闘していると、通り掛かったボリスが斧であっという間にカボチャを割ってくれた。予想通り綺麗に熟して鮮やかなオレンジ色をした中身に思わず感嘆の声が漏れた。
「わぁ美味しそう」
「そうだね。アリシャみたいだよ」
ボリスの返しに絶句して、気を取り直してプイッと横を向く。
「そういうのはいりません! 好きな人にやるべきだわ」
カボチャを切る前も斧を何度も洗ってくれたが、今は刃についたカボチャを落とすためにまた斧を洗っている。
「好きだから言っているんだけどねぇ。まぁでもさ、エドと良い感じなら引くけど?」
またしてもアリシャは頬が熱くなって、誤魔化そうとカボチャを掴む。
「良い感じも何もいつも怒られてばっかり! そうじゃなくて、真剣な相手にだけ言ってって意味」
刃を軽く揺すると水が滴り落ちていく。
「わかってるって。我が麗しのアリシャ姫」
ウィンクまで付けて歯の浮くようなセリフを言われると、返って気持ちが冷静になって「なにもわかってはいらっしゃらないわ、ボリス王子」と冗談で返す余裕すらできた。
「なんだかとても楽しそうね、お二人さん」
ボリスの妹アヴリルが料理部屋にやってきてにこやかに会話に加わった。
「楽しいです!」
ヤケクソで言えば「アリシャは照れ屋だから俺の賛辞を受け入れないんだよ」と、ボリスが笑う。
「いいと思う。絶対に素敵な家庭になるわね」
手放しでウィンの希望を応援すると、ウィンが照れくさそうに「その時はこの村からお嫁さんを貰いたいんだ」と言うので、アリシャは「良いわね。素敵」と考えなしに言った。しかし、カボチャを運び終えて一人になってからあることに気がついてしまう。
(ちょっと待って……この村でって、私かリアナしかいないじゃない! あ、アヴリルもいるけど)
にわかにウィンの構想が形になって見せつけられた気持ちになった。
(そ、そこまではっきりした未来予想図は考えてないのよ。絶対にそう)
否定しながら想像してしまう。ウィンと並んだアリシャ。ウィンと並んだリアナ。ウィンと並んだアヴリル。エドと並んだアリシャ……。
(わ! なんでエドが出てくるのよ。ああ、ウィンの兄弟だから、そう、それ!)
一人で自分に突っ込んで、焦ってカボチャの選定をしていく。食べ頃のものと、そうではない物を分けていった。皮の一部がオレンジ色になっているのが追熟完了のサインだ。重いカボチャを選別し、既に食べ頃を迎えている物を五つ、料理部屋に運んでいった。
(でも、いつか……私も誰かと結婚をするのかも)
アリシャはカボチャを置いて手を止める。無意味にカボチャの表面を撫でながら、防御の力が自分の中に宿っている事実に顔を顰めてしまう。
(私に子供が出来たら、その子に力が移行する。それは私だけの問題ではなくて、村の、いえ全ての人々に影響するんだわ)
考えるとその重みに震え上がって動けなくなった。アリシャが死んでも、子供が亡くなっても、それは皆にとって悲劇だ。世界にとっても悲劇だ。
自分の身に降り掛かってくると、代々力を維持するスルシュア王国の偉大さをひしひしと感じる。しかもあの国にあるのは攻撃の力であって、宿主が病にかかったりしても救うことが出来ないのだ。並々ならぬ努力をしていることだろう。
足元に寄ってきたココを抱き上げると、ギュッと抱きしめた。
(なんで私にこのような力が……神は私にそんな重大な責務を課すのか)
「おい、ココが苦しがってるぞ」
声の主の方に振り返ると、アリシャはなんだか涙がこぼれそうになっていた。
「ん? なんだ? 腹でも痛いのか?」
エドはいつだって口が悪い。それなのにアリシャはエドが一番安心できる相手だった。
「痛くないよ」
力なく答えるアリシャからココを救い出し、おろしてから「真っ昼間からご機嫌斜めか、お前の飼い主は」とココに話しかけていた。
「んで、なんで半泣きなんだ?」
理由を聞いてくれるなんて思わなかった。小さな気遣いが嬉しくてアリシャは素直に自分の気持ちを話してみる。
「時々、私の中に宿った力のことを考えるとプレッシャーでどうにかなりそう……」
エドは口を引き結んでココにするみたいにアリシャの顎を撫でた。
「期待は重いし、それに応えられないのは辛い。俺はお前がただそこに居れば、それでいい。防御のアリシャではなく、お前は俺にとってただのアリシャだ。わかるか?」
アリシャが頷くとエドは珍しく柔らかく笑ってくれた。
「誰が何を言ってこようが知ったこっちゃない。アリシャはアリシャだ。期待になんて応える義務はねぇってこと」
アリシャが上目遣いで見上げると、エドはそんなアリシャの鼻の頭を指で弾いた。
「物欲しそうな顔すんなよ」
エドはいちいちアリシャの顔を沸騰させる。一気に真っ赤になるのを感じてアリシャがエドを押しやると、押された反動でエドの髪が揺れた。
「あはは、偉大な防御の主はいつでも甘熟リンゴだな。食われないように気をつけろよ」
出ていこうとオーク材の戸に手をかけるエドに、アリシャが「ねぇ! 用事があったんじゃないの?」と呼び掛けるとエドはないとだけ言って去っていく。
(避けてるんじゃないかと私が言ったから来てくれたの?)
アリシャはエドの優しさにやっぱり涙がこぼれそうだった。
エドが行ってしまったので気持ちを新たにカボチャの皮と悪戦苦闘していると、通り掛かったボリスが斧であっという間にカボチャを割ってくれた。予想通り綺麗に熟して鮮やかなオレンジ色をした中身に思わず感嘆の声が漏れた。
「わぁ美味しそう」
「そうだね。アリシャみたいだよ」
ボリスの返しに絶句して、気を取り直してプイッと横を向く。
「そういうのはいりません! 好きな人にやるべきだわ」
カボチャを切る前も斧を何度も洗ってくれたが、今は刃についたカボチャを落とすためにまた斧を洗っている。
「好きだから言っているんだけどねぇ。まぁでもさ、エドと良い感じなら引くけど?」
またしてもアリシャは頬が熱くなって、誤魔化そうとカボチャを掴む。
「良い感じも何もいつも怒られてばっかり! そうじゃなくて、真剣な相手にだけ言ってって意味」
刃を軽く揺すると水が滴り落ちていく。
「わかってるって。我が麗しのアリシャ姫」
ウィンクまで付けて歯の浮くようなセリフを言われると、返って気持ちが冷静になって「なにもわかってはいらっしゃらないわ、ボリス王子」と冗談で返す余裕すらできた。
「なんだかとても楽しそうね、お二人さん」
ボリスの妹アヴリルが料理部屋にやってきてにこやかに会話に加わった。
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