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第七章
外伝3 潮崎ガールズ”は今日もじれじれ
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01
茨城霞ヶ浦。民間のレシプロ機がぽつんと飛んでいる。下にいる人間から見れば、いつものスカイダイビングのように見えたことだろう。
が、レシプロ機から吐き出された6つの人影は、まるで弾丸かと思うような速さで滑空し始める。
「いやっほおおおおおおおおおおーーー!気持ちいいいーーーーーーーっ!」
人間サイズの体で、ウイングスーツを着けた体を大の字に拡げたメイリンがはしゃいだ声を出す。
「すごいすごいっ!はやーい!」
いつもお淑やかでひっそりした印象のルナティシアも、ウイングスーツダイビングのスピードと爽快感に、興奮を抑えきれないらしい。
「むうっ!速い...負けてられないぞ!」
魔族特有の背中の翼でもとより飛行能力を持つディーネは、ウイングスーツをまとった人間や妖精に後れをとるものかと、翼をたたんで加速する。
「おお!ええのおっ!こうしてみんなで飛べるんは!」
翼人として、一応飛行能力はあるが、いつもあまり速く飛ぶことをしないアイシアも、今日ばかりは皆に後れをとるまいとスピードを上げる。
「おおおお...!人間が生身の体でこれだけ速く飛べるとは...!」
知的好奇心旺盛なシグレは、帰ったらウイングスーツについていろいろ調べようと決めた。もちろん、栄えある妖狐族として飛行速度で後れをとるつもりはない。
「みんな喜んでくれているようだな」
万一事故があった場合に備えて、最後尾についている潮崎は、ウイングスーツダイビングを彼女たちが楽しんでくれていることに満足する。なんと言っても、みんなで一緒に空を飛べるのが素晴らしい。降りるのではなく、”飛んでいる”感覚を味わえるのがウイングスーツダイビングのだいご味だ。
まあ、簡単ではなかった。潮崎自身は年季が入っていた(娯楽の少ない空自基地で暇に飽かせて習った)が、全くの素人であるメイリンとルナティシアがゼロからウイングスーツで飛べるようになるまでは当然のように大変だったのだ。なにせ、ムササビのように手足の間に張られた被膜で滑空すると言っても、言うは易しの話だ。
両腕を拡げ、両脚を肩幅に開いて固定するのは相当の力がいるし、うまく風に乗れなければ錐もみ状態にになってしまう。
だが、みんなで一緒に空が飛べるという夢のような話を実現するために、メイリンとルナティシアは、教官に怒鳴られ、尻を叩かれるのにもよく耐えた。そして、今日こうしてみんなで並んで飛ぶことができているのだ。
やがて地表の目標地点が見えてきて、誘導員が旗を振る姿が見える。始めは豆粒のようだった誘導員の姿が、どんどん大きくなる。
潮崎、ルナティシア、メイリンはパラシュートを開いて減速する。ディーネ、アイシア、シグレも、思い思いの方法で空気抵抗を受け、速度を落とす。6人はまるで空挺部隊の効果のように、ほぼ同時にふわりと着地した。
「楽しかったあ!」
「まるで鳥になったみたいでしたわ!もう一回飛びたいですわね!」
「うう...魔族としては少し複雑だが...」
「うーん...ちぃと翼がなまっとるじゃろうか...。スピードがでんのじゃ...」
「地球はすごいなあ...!よもや人間があんな速さで飛ぶ技術があるとは...」
”潮崎ガールズ”が黄色い声で思い思いの感想をのべ、きゃぴきゃぴと騒いでいる。
その様子を眺める潮崎は、体が完治して本当に良かったと思う。”世界樹空域攻防戦”で重傷を負い、しばらくベッドから起き上がることさえままならなかったから、自分を看病してくれる彼女たちにもいろいろ不自由をかけてしまった。
こうして一緒にウイングスーツダイビングを楽しめるくらい回復したのは、自分でも本当に良かったと思える。
そこまで考えて、ふと潮崎は、これからのことに少し不安を覚える。自分が療養していた10か月の間に異世界の情勢も変わり、ベネトナーシュ王立軍も再編が進んだ。
こうして自分が”潮崎ガールズ”を伴って日本に戻って来たのも、王立軍には潮崎に廻せる機体も部隊も既になく、王立軍で地上勤務をするか、空自に帰隊して新しい機体と部隊を受領するか選択すべしというお達しをいただいたからだった。潮崎は迷うことなく後者を選び、”潮崎ガールズ”に、出来ればついて来て欲しいと頼み込んだのだった。
”潮崎ガールズ”は皆異世界でそれぞれ立場のある身であったにもかかわらず、迷うことなくついて来てくれた。それはありがたいことだった。今はまだ地上に降りたくない。それが潮崎の切なる願いであることを理解してくれたのだ。
「あれ、確か潮崎三佐だよな?」「あの女の子たち、みんな嫁ってわけか?」「うらやましくなんかないぞ畜生...!」
感慨に浸る潮崎は、ふと周囲からの突き刺さるような視線を感じた。よく見ると、周囲でスカイスポーツに興じている人間の中には、百里基地で見かけた顔も何人かいる。たしか自衛官だったはずだ。
あの...そういう目でみないで欲しいんだけど...。なんか悪いことしてるみたいじゃないの...。
悪いことをしているつもりはないのに、非常にばつが悪い思いをしながら、潮崎は”潮崎ガールズ”を伴ってその場を後にしたのだった。
「ねえ、みなさんは、その...タカヨシ殿と進展はありました?」
その夜、百里基地から少し離れた場所にある賃貸マンションの一室、妖精サイズになって寝間着に着替えたメイリンが他の5人にためらいがちに問う。
潮崎が百里基地で勤務する任期が開けるまでという予定で借りたファミリーマンション。一応全員日本語は話せるが、やはり日本は勝手を知らない土地だ。話し合った結果、家族用の部屋を借りて5人で住むことにしたのだ。まだ正式に結婚していないので、潮崎本人は独身者として官舎に住む規則だったからなおのこと。
まあ、週末は必ず潮崎を泊まらせていたが。
「ええと...この間温泉で一緒に混浴のお風呂に...」
赤くなりながら答えたルナティシアに他の4人が「えっ!?」と固まる。
「でも...その後はなにもなくて...うう...わたくし...お待ちしていますのに...」
続けるルナティシアの言葉に、ほっとする声が上がる一方、「あの朴念仁」とやきもきする言葉も上がる。
「その...タカヨシが昔いろいろあって、当時付き合ってた女の子につい冷たくしたり、その後派手な女と付き合ってうまくいかんかったりしたのは知っとるけど...。よほど恋愛に臆病になっとるんかねえ?」
アイシアが今の状況に解決策を見いだせず途方に暮れる。
「別に完璧であってくれなくてもいいんだがなあ...」
「その昔付き合っておったおなごも、タカヨシの気持ち次第だったと思うんじゃがな...」
5人の中でも年長者であるディーネとシグレが難しい顔をする。
「待つしかないのかなあ...」
「ディーネさんとシグレ様はともかく、タカヨシとうちら、待っとったら爺さんと婆さんにならんじゃろか?」
「よしてくださいよ、アイシア様!本当になったらどうするんです!?」
メイリンとアイシアとルナティシアは、その危惧が必ずしも洒落ではすまないことに気づいて怖くなる。
まあこんな感じで、潮崎と、ルナティシア、メイリン。アイシア、ディーネ、シグレのじれじれは続くのだった。
つづく
茨城霞ヶ浦。民間のレシプロ機がぽつんと飛んでいる。下にいる人間から見れば、いつものスカイダイビングのように見えたことだろう。
が、レシプロ機から吐き出された6つの人影は、まるで弾丸かと思うような速さで滑空し始める。
「いやっほおおおおおおおおおおーーー!気持ちいいいーーーーーーーっ!」
人間サイズの体で、ウイングスーツを着けた体を大の字に拡げたメイリンがはしゃいだ声を出す。
「すごいすごいっ!はやーい!」
いつもお淑やかでひっそりした印象のルナティシアも、ウイングスーツダイビングのスピードと爽快感に、興奮を抑えきれないらしい。
「むうっ!速い...負けてられないぞ!」
魔族特有の背中の翼でもとより飛行能力を持つディーネは、ウイングスーツをまとった人間や妖精に後れをとるものかと、翼をたたんで加速する。
「おお!ええのおっ!こうしてみんなで飛べるんは!」
翼人として、一応飛行能力はあるが、いつもあまり速く飛ぶことをしないアイシアも、今日ばかりは皆に後れをとるまいとスピードを上げる。
「おおおお...!人間が生身の体でこれだけ速く飛べるとは...!」
知的好奇心旺盛なシグレは、帰ったらウイングスーツについていろいろ調べようと決めた。もちろん、栄えある妖狐族として飛行速度で後れをとるつもりはない。
「みんな喜んでくれているようだな」
万一事故があった場合に備えて、最後尾についている潮崎は、ウイングスーツダイビングを彼女たちが楽しんでくれていることに満足する。なんと言っても、みんなで一緒に空を飛べるのが素晴らしい。降りるのではなく、”飛んでいる”感覚を味わえるのがウイングスーツダイビングのだいご味だ。
まあ、簡単ではなかった。潮崎自身は年季が入っていた(娯楽の少ない空自基地で暇に飽かせて習った)が、全くの素人であるメイリンとルナティシアがゼロからウイングスーツで飛べるようになるまでは当然のように大変だったのだ。なにせ、ムササビのように手足の間に張られた被膜で滑空すると言っても、言うは易しの話だ。
両腕を拡げ、両脚を肩幅に開いて固定するのは相当の力がいるし、うまく風に乗れなければ錐もみ状態にになってしまう。
だが、みんなで一緒に空が飛べるという夢のような話を実現するために、メイリンとルナティシアは、教官に怒鳴られ、尻を叩かれるのにもよく耐えた。そして、今日こうしてみんなで並んで飛ぶことができているのだ。
やがて地表の目標地点が見えてきて、誘導員が旗を振る姿が見える。始めは豆粒のようだった誘導員の姿が、どんどん大きくなる。
潮崎、ルナティシア、メイリンはパラシュートを開いて減速する。ディーネ、アイシア、シグレも、思い思いの方法で空気抵抗を受け、速度を落とす。6人はまるで空挺部隊の効果のように、ほぼ同時にふわりと着地した。
「楽しかったあ!」
「まるで鳥になったみたいでしたわ!もう一回飛びたいですわね!」
「うう...魔族としては少し複雑だが...」
「うーん...ちぃと翼がなまっとるじゃろうか...。スピードがでんのじゃ...」
「地球はすごいなあ...!よもや人間があんな速さで飛ぶ技術があるとは...」
”潮崎ガールズ”が黄色い声で思い思いの感想をのべ、きゃぴきゃぴと騒いでいる。
その様子を眺める潮崎は、体が完治して本当に良かったと思う。”世界樹空域攻防戦”で重傷を負い、しばらくベッドから起き上がることさえままならなかったから、自分を看病してくれる彼女たちにもいろいろ不自由をかけてしまった。
こうして一緒にウイングスーツダイビングを楽しめるくらい回復したのは、自分でも本当に良かったと思える。
そこまで考えて、ふと潮崎は、これからのことに少し不安を覚える。自分が療養していた10か月の間に異世界の情勢も変わり、ベネトナーシュ王立軍も再編が進んだ。
こうして自分が”潮崎ガールズ”を伴って日本に戻って来たのも、王立軍には潮崎に廻せる機体も部隊も既になく、王立軍で地上勤務をするか、空自に帰隊して新しい機体と部隊を受領するか選択すべしというお達しをいただいたからだった。潮崎は迷うことなく後者を選び、”潮崎ガールズ”に、出来ればついて来て欲しいと頼み込んだのだった。
”潮崎ガールズ”は皆異世界でそれぞれ立場のある身であったにもかかわらず、迷うことなくついて来てくれた。それはありがたいことだった。今はまだ地上に降りたくない。それが潮崎の切なる願いであることを理解してくれたのだ。
「あれ、確か潮崎三佐だよな?」「あの女の子たち、みんな嫁ってわけか?」「うらやましくなんかないぞ畜生...!」
感慨に浸る潮崎は、ふと周囲からの突き刺さるような視線を感じた。よく見ると、周囲でスカイスポーツに興じている人間の中には、百里基地で見かけた顔も何人かいる。たしか自衛官だったはずだ。
あの...そういう目でみないで欲しいんだけど...。なんか悪いことしてるみたいじゃないの...。
悪いことをしているつもりはないのに、非常にばつが悪い思いをしながら、潮崎は”潮崎ガールズ”を伴ってその場を後にしたのだった。
「ねえ、みなさんは、その...タカヨシ殿と進展はありました?」
その夜、百里基地から少し離れた場所にある賃貸マンションの一室、妖精サイズになって寝間着に着替えたメイリンが他の5人にためらいがちに問う。
潮崎が百里基地で勤務する任期が開けるまでという予定で借りたファミリーマンション。一応全員日本語は話せるが、やはり日本は勝手を知らない土地だ。話し合った結果、家族用の部屋を借りて5人で住むことにしたのだ。まだ正式に結婚していないので、潮崎本人は独身者として官舎に住む規則だったからなおのこと。
まあ、週末は必ず潮崎を泊まらせていたが。
「ええと...この間温泉で一緒に混浴のお風呂に...」
赤くなりながら答えたルナティシアに他の4人が「えっ!?」と固まる。
「でも...その後はなにもなくて...うう...わたくし...お待ちしていますのに...」
続けるルナティシアの言葉に、ほっとする声が上がる一方、「あの朴念仁」とやきもきする言葉も上がる。
「その...タカヨシが昔いろいろあって、当時付き合ってた女の子につい冷たくしたり、その後派手な女と付き合ってうまくいかんかったりしたのは知っとるけど...。よほど恋愛に臆病になっとるんかねえ?」
アイシアが今の状況に解決策を見いだせず途方に暮れる。
「別に完璧であってくれなくてもいいんだがなあ...」
「その昔付き合っておったおなごも、タカヨシの気持ち次第だったと思うんじゃがな...」
5人の中でも年長者であるディーネとシグレが難しい顔をする。
「待つしかないのかなあ...」
「ディーネさんとシグレ様はともかく、タカヨシとうちら、待っとったら爺さんと婆さんにならんじゃろか?」
「よしてくださいよ、アイシア様!本当になったらどうするんです!?」
メイリンとアイシアとルナティシアは、その危惧が必ずしも洒落ではすまないことに気づいて怖くなる。
まあこんな感じで、潮崎と、ルナティシア、メイリン。アイシア、ディーネ、シグレのじれじれは続くのだった。
つづく
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