時空を駆ける荒鷲 F-15J未智の空へ

ブラックウォーター

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第五章

追撃の行方

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 04
 敵も馬鹿ではない。明らかに理想的な状況は罠の可能性を疑うべし。
 戦場では常識と言えることだが、それでも予定通りに作戦を実行しなければならないことはある。軍隊という組織は規律で成り立っている。命令に従わないものの居場所はないのだ。その状況が、勝ち戦で自軍が勢いに乗っている時であればなおのこと。どれだけ”何かがおかしい”という違和感、不安を感じようとも。
 だがその日、進軍する多国籍軍の誰もが抱いていた嫌な予感は的中した。
 新暦103年山羊月17日。
 ドゥベ公国のちょうど中央、南北を隔てる位置にそびえたつ、スルーズヴァンガル山脈の麓に集結したドゥベ軍を殲滅すべく、多国籍軍は戦力を集中させて、広大なヨーツンヘイム平原を北上していた。地平線が見えるほどに広大な平地となだらかな丘陵が突然終わり、切り立った山脈となる場所。多国籍軍にとって、ドゥベ軍は字義通り後がないように見えた。一応山脈の南側はある程度の要塞化がなされ、籠城戦も行える構造にはなっているが、現状のドゥベ軍全部隊を収容できる規模ではない。そして、スルーズヴァンガル山脈は道が整備されていない交通の難所として知られ、大規模な部隊が敵の追撃を受けずに短時間で超えるのはほとんど絶望的と言えた。これで戦線が崩されれば、ドゥベ軍は後は切り立った岩山に追い詰められ、逃げ場もないまますりつぶされるのみ。そう確信していた。
 今の今までは。
 「電子機器が全てダウンしました!このままでは墜落します!」
 「操縦が効きません!た...たいちょうおおおおおおっ!」
 スルーズヴァンガル山脈からヨーツンヘイム平原に向けて、なにか目に見えない、恐ろしい力を持つ波動が突き抜け、多国籍軍に大混乱をもたらしていく。戦闘機もヘリも、戦車も装甲車も、突然全ての電子機器がブラックアウトし、戦闘不能どころか、動くことすらままならなくなったのだ。
 特に戦闘機の被害はひどく、まるで火山帯で硫化水素を浴びた鳥のようになすすべもなく墜落していく。多国籍軍の誰もが、すぐにそれは桁外れに強力な威力をもつEMP(電磁パルス)兵器によるソフトキルと気づくが、時すでに遅しだった。タイミングを計ったドゥベ軍地上部隊が、混乱する多国籍軍に対して反撃を開始したのだった。無線すら基板が焼き付いて使用不能になった多国籍軍は、常日頃の連携を取ることができず、一方的に殲滅されていく。ドゥベ軍のM1A2エイブラムス戦車が、多国籍軍の機械化歩兵部隊を自慢の主砲で手当たり次第に撃破し、LAV-AT対戦車車両から放たれたTOW対戦車ミサイルが、動けないチャレンジャー2戦車をトップアタックで破壊する。
 多国籍軍は今や一方的に敗北を喫しつつあった。

 例によって最前線には配置されず、隠し玉として後方にとどめ置かれていた潮崎以下オーディン隊に、敵EMP兵器の制圧の支援の命令が下った。
 『敵EMP兵器の位置が判明した。山脈の中で西から2番目、胡桃岳の山頂だ。ニーズへグ隊がすでに破壊のために向かっている。オーディン隊には彼らの支援を頼みたい。
 今度EMPが放たれたら、多国籍軍は完全に戦線崩壊する危険がある。それを阻止できるのは君たちだけだ。
 幸運を祈る!』
 「オーディン1了解」
 上空を哨戒中のE-767早期警戒管制機からのノイズ交じりの通信に、潮崎は短く応じる。核爆発ほどの威力はなかったにせよ、無線が電磁波の影響を受けているらしい。
 『シオザキ、メイリンだ。ベネトナーシュ空軍の機体は操縦系統に光ファイバーを用いているから、他の機体よりEMPには強い。ただ、あくまで理論上の話だ。
 次の攻撃の前にEMP兵器を破壊することが望ましい。健闘を祈る。終わり!』
 ついでE-767にオブザーバーとして乗るメイリンからの通信に、潮崎は嘆息する。”理論上”では困るのだがな、と。
 ともあれ、この数か月で地球の電子機器や近代兵器について、地球の学者並みに博識になったメイリンは、決して希望的観測をしないようになっていた。機械がどれほど発展しても、所詮人間の作った物。どこかで限界や失敗はついて回るものだと了解していたのだ。そして、潮崎もそれは正しいものの見方だと思っていた。
 『光ファイバーも無駄じゃなかったってこったな。世の中なにが幸いするかわからんもんだねえ』
 ニーズへグ隊隊長の橋本から通信が入る。潮崎もとくにその言葉に異議はなかった。最近の日本人の光ファイバーに対するこだわりはもはやフェチというか病気のレベルと言えた。誘導ミサイルや魚雷、輸送機の操縦系統に採用してそこそこの成功を収めたことに調子づいて、テストケースということで、ベネトナーシュ王国義勇軍の機体全てに光ファイバーを採用していたのだ。
 断線した場合ケーブルを全て交換する必要があるなどの欠点はあった(このため特にこちらの世界ではネズミに注意する必要がある)が、今回のようにEMPによる攻撃には強いし、電線と違って対電磁波シールドが不要であるため、機体を軽量化できるメリットもある。
 『敵守備隊を確認。スティンガーで武装した歩兵と、竜騎士が20以上。敵も考えてますね』
 ニーズへグ隊の副隊長が部隊全体にデータを送る。確かに、険しい山間だけに対空防御陣地の構築は困難で車両も頂上までは登れない。まして、義勇軍の兵器ではEMPによる攻撃の影響を受けてしまうとなれば、ドゥベ正規軍の竜騎兵が主体とならざるを得ないようだ。
 『オーディン1、いいか。スティンガーの連中はこっちでやる。そっちは竜騎士を任せるよ』
 「オーディン1了解。オーディン隊聞こえたな?攻撃開始だ!」
 橋本の通信に答えた潮崎の命令を合図に、オーディン隊のF-15JSから一斉にミーティア空対空ミサイルが放たれる。龍騎兵の武器は、例によって魔法弓ダーインスレイヴ。魔法によって破壊力を高められ、速度は最大でマッハ2以上、発射後も誘導が可能という代物だ。だが射程は長くない。ロングレンジで仕留めるのが最善と判断したのだ。
 オーディン隊の支援を受けたニーズへグ隊の6機のF-2Sは、サイコセンサーによって割り出された敵兵の位置に向けて、40ミリロケット弾をばらまきながら前進を続けていた。なにせ、敵の殺気を感知できるのだから、どれだけ隠れようが偽装しようが意味がない。なにより、一度敵を照準の中に捕らえてロックオンしなければならないというスティンガーの性質上、対空攻撃は全く間に合わず、ドゥベ軍義勇兵たちはなすすべもなく殲滅されていった。
 
 話が違うじゃないか!
 ブラックドラゴンを駆ってEMP兵器”リディル”の防衛についている、姫若子騎士団指揮官、ジェイミー・ルク・ドゥベは腹の中で叫んでいた。義勇軍の技術提供によって完成した新兵器、”リディル”は、機械に頼り切っている多国籍軍義勇軍たちにとっての弱み。多国籍軍を一撃で無力化し、一気に殲滅できる。そう聞かされていたのだ。
 確かに第一撃は絶大な効果を見せた。敵のセントウキがハエのように落ちていく。あらかじめ通常より厳重な電磁波対策がなされ、なおかつ電磁波照射の瞬間は全ての電子機器を切るように示し合わせていたドゥベ義勇軍は、動けなくなった多国籍軍に対して猛然と攻撃を開始した。
 それはいい。だが、電磁波の影響を受けなかったらしいセントウキがものすごい速さでこちらに向かってくる。狙いは間違いなく”リディル”だ。押し寄せる多国籍軍に対して、効率的に狙いをつけられるように、ヨーツンヘイム平原を望む胡桃岳の山頂に設置されたリディルは、回転する台座の上に固定された強大な中華鍋(義勇軍の兵士が調理に使っていたので見たことがある)という印象の外観を持つ。
 それを守るはずのドゥベ義勇軍の歩兵たちは、多国籍軍のセントウキによって一方的に殲滅されている。武器を収めるものらしい、先のとがった長方形の箱を機体の下面と翼に計3つ装備した青いセントウキは、まるで義勇兵たちがいる場所をあらかじめ知っているかのように、精密な対地攻撃を仕掛けている。
 それに加えて、電磁波の影響を考えて、”リディル”周辺には義勇軍のセントウキは配置されていないとなれば、自分たちが守るしかない。奮起したジェイミー以下姫若子騎士団だったが、とりあえずは上空の別のセントウキの部隊から放たれたミサイルを回避するので精一杯だった。
 そうしている間にも、6機の青いセントウキは迫りくる。もしここで”リディル”が破壊されれば、ドゥベ軍はいよいよ後がない。本体に加え、発電機やセンサー、観測機器などで全体的に大規模な”リディル”を、分解して胡桃岳の頂上まで運び、組み上げるのに5日を要した。試作品だから破壊されれば変わりはないし、なにより多国籍軍は今後”リディル”が組みあがるまで座視していてはくれないだろう。
 ドゥベでは神聖視さえされる、容姿端麗な男の娘で構成される部隊、姫若子騎士団は必死で飛龍、ブラックドラゴンを操り、魔法弓を引き絞り、矢を放つ。だが、青いセントウキは矢の射線を完全に読んでいるかのような機動であっさり回避し、姫若子騎士団を完全に無視してその脇を通り過ぎた。
 「無礼な!我々を無視するな!立ち会ええっ!」
 ジェイミーは無線のヘッドセットに向けて怒鳴るが、敵の隊長機らしいパイロットはこちらを見ようともせずに、左手を上げて中指を起てて応じただけだった。それが地球では相手を侮辱、罵倒する動作だと知っているジェイミーは憤る。だが、反転して改めて加速をかけなければならないため、姫若子騎士団は青いセントウキたちに追いつくことができなかった。
 『ジェイミー様!”リディル”が...』
 やはり容姿端麗な男の娘である竜騎士の一人の無線越しの言葉を聞くまでもなく、胡桃岳の頂上に巨大な花火が上がるのが、この距離からでも見えた。”リディル”は、それ自体はさして耐久力もない、金属と樹脂でできた建造物に過ぎない。あの爆発ではひとたまりもないはずだった。
 「なにも...できなかった...!」
 ジェイミーはあまりの無力感と屈辱に、完全に思考停止してしまう。『ジェイミー様御下知を!』と怒鳴る部下の一人からの通信で我に返るまで、どれだけ白昼夢の中にいただろうか?慌てて敵部隊を探すが、青いセントウキの部隊はすでに姿が見えず、上空から支援をしていたもう一方の部隊も、自分たち姫若子騎士団には興味がないのか、反転していく。
 ここまで無視されると笑うしかない。ジェイミーはブラックドラゴンの背中の上で、ただ途方に暮れた。

 『敵EMP兵器の破壊を確認!ご苦労だった!ニーズへグ、オーディン両隊は、そのまま多国籍軍地上部隊の支援を行ってもらいたい!』
 「オーディン隊了解」
 『ニーズへグ隊も了解だ』
 E-767からの通信に、潮崎と橋本は短く応じる。眼下では、一時は戦線の崩壊さえ危ぶまれた多国籍軍の巻き返しが始まっていた。
 EMPで無力化された部隊を新手の部隊に入れ替え、多国籍軍義勇兵たちは戦線を押し戻しつつあった。なにより、多国籍軍正規兵たちが、ここで意地を見せなければ名折れとばかりに、ドゥベ軍に対して捨て身の人海戦術を仕掛けたのだ。近代兵器を装備しないため、EMPの影響をほとんど受けない各国の正規兵たちは、ドゥベ軍の銃弾や砲弾を恐れることなく包囲し、義勇軍から貸与された吸着地雷や対戦車手榴弾などの射程の短い武器が使える距離まで近づく。正規兵たちの死をも恐れぬ攻撃の前にドゥベ義勇軍の機甲部隊と機械化歩兵部隊は、じわじわとその数を減じ、追い詰められて行った。
 『すさまじいもんだな』
 「ああ、リアル戦国自衛隊ってか?」
 今回は敵の航空隊がEMPの影響を懸念してエアカバーについていないため、手持無沙汰なオーディン隊は、上空から下界を眺めてそんな雑談を交わす。
 実際、多国籍軍の人海戦術に、ドゥベ軍は屈しつつあった。多国籍軍正規兵に向けて銃弾を浴びせるドゥベ義勇兵は、押し寄せる敵をとどめ切れず、やがて槍によって串刺しにされる。対戦車手榴弾によって各坐したLAV-25装甲車から下車した歩兵たちは、矢の雨を浴びていた。
 ”リディル”による一時的な戦術的優位に勝利を焦り、前に出過ぎていたドゥベ軍は、後退して逃れることさえできなかった。そこかしこで多国籍軍正規兵たちに全周囲から包囲され、激戦の果てに各個撃破される光景が展開される。
 こうして形成は逆転し、後に”ヨーツンヘイム平原会戦”と呼ばれる戦いは、多大な犠牲を払いながらも多国籍軍側の勝利に終わったのだった。
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