【完結】初恋の君を探していたが、本人と気づかずにあれやこれやとドツボにハマる話

たまとら

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ルツ、頑張る

9 ルツの将来

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このまま村で暮らしていけば。
ルツはじいサマの知識を受けて『魔女』となる。

じいサマはルツを魔女では無く、国家認定の"薬師"にしたいと思っていた。
薬師となれば国が背後についてくれる。
侮られて買い叩かれる事も無いし、下級役人も頭を下げる。
行商人なぞはもってのほかだ。

薬師になるには王都にある王立学園に入学して薬学を学び、国家認定試験に合格すればいい。
もっとも、平民は字を読めない者が大半で、王立学園の入学試験に合格することすら高嶺の花だった。


じいサマはそんな事を考えていたので。
ルツが幼い頃から色々と教えて来た。
人より長い人生であちこち放浪していたじいサマは、とても博識だった。


村人は決して鈍重では無く。
行商人に侮られているのもわかっていた。
税金を集める小役人に横柄に扱われてもひたすら我慢していた。
けれど人としての誇りはあるわけで。
どうにか暮らしを立て直したいと願っていた。
とくに子供や孫には、余計な苦労はしてほしく無いと思っていた。


薬師様の薬草畑は値が高い。
その薬は高額で引き取って貰える。
薬師様のいる村に無謀な事は言われなくなる。
言い値で買い叩かれる農産物に、こっちでも値段が付けられる。


~~そんな訳で、村人はルツを応援してくれた。
ぼろぼろな小銅貨を出し合って、入学試験の費用にしてくれた。
おかげでルツは薬師目指して過疎地から王都に出ることができて。
見事に奨学金を手に入れて学園に入学したのだ。


薬学の教授のアクィラ様は、なんでも若い頃じいサマに助けられた事があったらしく。
身元引き受け人になってくれた。
寮は下級貴族と平民用のD寮で、風呂も共同で部屋も狭かったが何の問題も無い。

ルツは小さな頃から薬草に馴染んでいて大好きだったし。
働く事も大好きで。
バイトもガンガン受けて、節約して浮いたお金を村に送ったりしていた。



で、そこに"世話係"という話がやって来た。


アメデオ様がきっちりと契約書を提示する。
世話係が必要なものは高位貴族。
いや、必要でも雇える者は限られている。
それはA寮でお暮らしになっている高位なお貴族様だ。


A寮には側仕え用の小部屋がついているのでそこに入る。
つまり住の心配はいらない。

食堂もいくつかあり、そこの高級食堂から食事がワゴンでやって来る。
世話係はそれを受け取って給仕して、終わった皿は部屋の外に出しとくだけ。
毒味も兼ねて自分も食べるので、食の心配もいらない。

そして主人という見栄の為に、世話係はボロい服を着なくてもいいように、服も季節毎に支給される。


つまり世話係は、衣食住が完備されている上に給料が出るという、ありがたい仕事なのだ。




「えっ⁉︎金貨一枚ですかっ‼︎」

ルツは思わず大声をあげた。

なんと一ヶ月のお給金が金貨一枚。
(10万円相当)
皿洗いのバイトが賄い付きで1日銀貨2枚(2000円程)

村で野菜を売ったって、銀貨なんて貰えることが無かった。


……なんちゅう高給取り!
お貴族様、半端ねぇ‼︎

ルツは震えた。
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