【完結】初恋の君を探していたが、本人と気づかずにあれやこれやとドツボにハマる話

たまとら

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ぱんつ事変

17 ルツとみなさん

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試用期間を過ぎても、ルツはA寮にいた。

ラッシュ様は休日に"月の君"を探しに王都近辺の森をうろついている。
休日に仕事はしなくてもいいとはいえ、同じ部屋にいるとやっぱり世話をしないわけにはいかない。だから外出は大歓迎だ。

休日、見送った後。ルツはまずラッシュ様の行かない山の上だの川の上流だのへと精霊の道で出掛けていく。
その収穫を薬師ギルドや薬学研究科に卸し。
残りは自分で薬にする。

ついでに摂って来た山葡萄や柿等の果物を、ジャムやシロップに漬け込んで瓶詰めにして並べた。
借りられているD寮の棚にはずらっと並んでいる。

並べられた瓶に、
うん。
と、満足した。

保存食は田舎の常識だ。
山菜だってきのこだって、匂いの苦情が来ないなら漬け込みたい。
その手の渋系はアクィラ教授が喜ぶので、研究室の棚に並べている。

時々朝食のパンやヨーグルトの付け合わせにジャムやコンポートを出す。
何も言わないが、ラッシュ時は口元がにやけているのでお好きなようだ。
アメデオ様にもお茶受けにお出ししたら、目がキラキラしたので瓶をお分けした。


衣食住にお金が必要じゃなくなったので、村に仕送りした。
郵便として送ったら、なんせ田舎。
半端無い時間と、半端無い金額がかかるので、森人らしく渡り鳥便を使った。

これは精霊の道を、荷物を付けた鳥を飛ばす事だ。
普通の人間は気が付かないから安心だ。
じいサマから、ありがとうの返事と村で生えてるアンティーカを送ってくれた。
アンティーカは上級ポーションの材料にもなるし。
貴重だから自分で使う以外はとっととギルドで売って来た。

そんな訳でルツはのったりと過ごしている。


最近ようやく周りを見回すゆとりが出来た。
薬学の皆んなはいい人だ。
先輩達も優しい。
食堂やお掃除の人達も、元気に挨拶してくれる。

そんな中で、最近よく目にするグループがある。


ルツは平民で。
そんなルツがラッシュ様の世話係をするのが面白く無い人々がいる。
そう言う人は、時々
「平民のくせに。」
「下働きがちょうどいいわよね」
とかって、嫌味を言いにくる。

じゃ、アンタが世話しろよっ!
"おい"と呼ぶし。
水の温度が気に食わないとぶっかけてくるし。
眉はぐりっちっと顰めてて威圧感満載だけどな。
それに耐えられるならアンタが下の世話までがっちりしろよっ!

と、思うけど。
へいへいとにっこりする。
だって面倒だから。


一歩引いて見渡せば。
ラッシュ様に熱視線を送っている者は二種類いた。

獲物として見ている者と。
憧れで見ている者。

獲物として見ている者は、高位貴族に多く。
あわよくば♡♡♡とか、狙ってる。
もろ肉食ハンターだ。

ルツを"貧相"とか"森人のくせに"とか、嫌がらせしてくるけど。
まぁ、ぬるい。

彼らにとって側仕えとかは、ただの物であって決して人ではないだろうに。
ラッシュ様の世話係ということだけでライバルに認定されたのか。
まるで縄張り争いの鶏の様に、バタバタと鶏冠と羽根を膨らませて威嚇してくる。


そして、もう一つのグループ。
遠巻きにして、憧れてるっぽいグループ。

ほら、ラッシュ様。
顔はいいから。
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