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過疎地は牧歌的では無い
25 そして夏休み
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夏休みは好きなことだけしたかった。
薬学の研究室にも入り浸りたかった。
ついでにギルドで採取を依頼してもらって、ばっちり稼ぎたかった。
夏は植物が旺盛に伸びる。
刈り取っても刈り取っても終わりが無い。
だから、里帰りって言われても"精霊の道"を使えば土日で行き来できるし。
「いや、田舎に帰る予定は無いですし。」
と言ったら。
ラッシュ様は眉間の皺をより深くして、口をへの字にした。
なんでもラッシュ様の予算の中に、"世話係の里帰り費用"という項目があるらしい。
お貴族様って、謎だ。
だいたい学園は全寮制で。
前期試験を無事に終えると、夏季休暇になる。
家から離れた坊ちゃん達は、お疲れ様♡と、狂喜乱舞して実家を目指すらしい。
そして、当たり前だがお世話係に着任するに当たってあれこれと身辺調査されたらしい。
そりゃそうだ。相手は王族。
そんな訳でお世話係は、王都近辺に帰る者と、むっちゃ僻地に帰る者は予算の金額が違ってくるらしい。
予算ってどんなモノをたてるのか?と、アメデオ様に質問すると。
土産(新しい衣類含む)と、往復の運賃と宿代。
(ルツは建前上、コレが多く掛かる)
だ、そうだ。
ちなみにラッシュ様は夏季休暇はとっとと実家(王宮)に行くそうだ。
そして森を彷徨く日々をおくるそうだ。
王宮魔術師を締め上げて、遠くまで転移するのだ。と、意気込んでるらしい。
いや、一人残されても問題ありませんから。
お留守は守ります。
A寮で優雅に暮らしますから!
むしろ、いいっ!
と、思っていたら。
ちょうど ヘルシュベル様も帰るそうだ。
ヘルシュベル様って、ルツの領地の領主だ。
王宮で文官として働いている。
このたび、妻と子を連れて、避暑も兼ねて領地を帰るそうで。
女性もいるから護衛も引き連れた物々しい一行らしい。
『ちょうどいいから、ルツ君も一緒に帰れば』
と、アメデオ様に言われた。
いやいやいや。
末端僻地の村人Aが、領主の顔なんて一生に一度でも拝まないものだっつーの‼︎
なんでそんな気軽に思うんか。
あ、アンタも上級のお貴族様だからかっ!
「世話係が何回も流れた後だからね。
ほら、それも評価に繋がるだろう。だからルツ君を手厚くして、卒業まで居てもらおうって戦法だろうね^_^」
うんうん。と、アメデオ様が言う。
いやぁ。
領主一行に紛れ込んだりしたら、僕のメンタル死にます。
王子の"世話係"なんて、向こうも気の使い方が大変だろうし。
女性連れのトロトロした道行の中に、会話も無くいるなんて…地獄でしか無い。
「ん。じゃ、ヘルシュベル伯に"お土産"を持ってって貰うのはどうかな?
予算の都合上。きちんとルツ君に使用したと領収書もあげないといけないしね。」
"お土産"
それっていきなり降って湧いたご褒美ですね。
特需じゃ無いですかっ!
ルツはしごく真面目に考えた。
いつもなら下の下の役人が税を取り立てにくるだけで、きっとこんな小さな村なんて、領主様は把握していないだろう。
徴税の役人はこっちを下に見て、いつも結構傍若無人で無理難題を言う。
領主直々に王宮からの土産を届けちゃったりしちゃったりすれば…。
うん。コレから下手な態度は取らないよね。
それに自分が薬師になって。
村に薬草畑を作っても、知名度は必要だし。
~~領主使うの有りかもしれない。
「で、ナニを用意する?」
リネンか宝石かスイーツか…
それともそれらすべてをちょっとずつか。
予算内ならオッケーだよ!
と、なかなか太っ腹なアメデオに。
ちょっと考えてすぐに
「鎌です‼︎」
と、ルツは叫んだ。
薬学の研究室にも入り浸りたかった。
ついでにギルドで採取を依頼してもらって、ばっちり稼ぎたかった。
夏は植物が旺盛に伸びる。
刈り取っても刈り取っても終わりが無い。
だから、里帰りって言われても"精霊の道"を使えば土日で行き来できるし。
「いや、田舎に帰る予定は無いですし。」
と言ったら。
ラッシュ様は眉間の皺をより深くして、口をへの字にした。
なんでもラッシュ様の予算の中に、"世話係の里帰り費用"という項目があるらしい。
お貴族様って、謎だ。
だいたい学園は全寮制で。
前期試験を無事に終えると、夏季休暇になる。
家から離れた坊ちゃん達は、お疲れ様♡と、狂喜乱舞して実家を目指すらしい。
そして、当たり前だがお世話係に着任するに当たってあれこれと身辺調査されたらしい。
そりゃそうだ。相手は王族。
そんな訳でお世話係は、王都近辺に帰る者と、むっちゃ僻地に帰る者は予算の金額が違ってくるらしい。
予算ってどんなモノをたてるのか?と、アメデオ様に質問すると。
土産(新しい衣類含む)と、往復の運賃と宿代。
(ルツは建前上、コレが多く掛かる)
だ、そうだ。
ちなみにラッシュ様は夏季休暇はとっとと実家(王宮)に行くそうだ。
そして森を彷徨く日々をおくるそうだ。
王宮魔術師を締め上げて、遠くまで転移するのだ。と、意気込んでるらしい。
いや、一人残されても問題ありませんから。
お留守は守ります。
A寮で優雅に暮らしますから!
むしろ、いいっ!
と、思っていたら。
ちょうど ヘルシュベル様も帰るそうだ。
ヘルシュベル様って、ルツの領地の領主だ。
王宮で文官として働いている。
このたび、妻と子を連れて、避暑も兼ねて領地を帰るそうで。
女性もいるから護衛も引き連れた物々しい一行らしい。
『ちょうどいいから、ルツ君も一緒に帰れば』
と、アメデオ様に言われた。
いやいやいや。
末端僻地の村人Aが、領主の顔なんて一生に一度でも拝まないものだっつーの‼︎
なんでそんな気軽に思うんか。
あ、アンタも上級のお貴族様だからかっ!
「世話係が何回も流れた後だからね。
ほら、それも評価に繋がるだろう。だからルツ君を手厚くして、卒業まで居てもらおうって戦法だろうね^_^」
うんうん。と、アメデオ様が言う。
いやぁ。
領主一行に紛れ込んだりしたら、僕のメンタル死にます。
王子の"世話係"なんて、向こうも気の使い方が大変だろうし。
女性連れのトロトロした道行の中に、会話も無くいるなんて…地獄でしか無い。
「ん。じゃ、ヘルシュベル伯に"お土産"を持ってって貰うのはどうかな?
予算の都合上。きちんとルツ君に使用したと領収書もあげないといけないしね。」
"お土産"
それっていきなり降って湧いたご褒美ですね。
特需じゃ無いですかっ!
ルツはしごく真面目に考えた。
いつもなら下の下の役人が税を取り立てにくるだけで、きっとこんな小さな村なんて、領主様は把握していないだろう。
徴税の役人はこっちを下に見て、いつも結構傍若無人で無理難題を言う。
領主直々に王宮からの土産を届けちゃったりしちゃったりすれば…。
うん。コレから下手な態度は取らないよね。
それに自分が薬師になって。
村に薬草畑を作っても、知名度は必要だし。
~~領主使うの有りかもしれない。
「で、ナニを用意する?」
リネンか宝石かスイーツか…
それともそれらすべてをちょっとずつか。
予算内ならオッケーだよ!
と、なかなか太っ腹なアメデオに。
ちょっと考えてすぐに
「鎌です‼︎」
と、ルツは叫んだ。
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