結婚したい男と、結婚させたい奴等と、結婚したくない僕。の話

たまとら

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結婚が降りかかってきました

2 思い込みで突き進む

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ギンギンと一階をガン見するルカの前に、マルロはビールジョッキをドンと置いた。

「ねえ、やめましょうよぉ…」

うろうろと何度も人の上を滑る視線に、マルロは囁いた。

無理だ。
今日がラストチャンスだ。

「じゃ、お前が相手してくれるの?」

不機嫌に睨むと、マルロはへにょりと眉を落とした。

「ごめん。わかってるから。」

ぐいとビールを飲む。
癪だけど美味い。
焦って乾いたのどにぐいぐいと沁みていく。
ぷはーっと息を吐いて、再び下を見る。



下は賑わっていた。

この宿場町は王都から離れている。
飛竜であと一日飛べば王都に入れる場所だ。
だから飛竜でやって来る貴族が一旦休む為に開けている。
あと、地方への飛竜便の発着場もあるので、とても賑やかだ。
王都に往復する馬車も多く出ている。


一階で酒を飲んで気炎を挙げている者達は、今日到着した飛竜を興奮して話していた。
二階にいても吹き抜けで声が聞こえる。

『白い女王様』
『紅い髪』
という単語が飛び交っている。

だよね。
だよね。
でもエルメは白いだけじゃ無いんだよ。
真珠の様にいろんな色に輝いている女王竜なんだよ。

ルカがうんうんと頷いている時。

酒場の両空き扉がバンと開いた。

わっ、と声が上がる。

空気に色があるとすれば、一気にそこが金色になった。

ルカは身を乗り出して観察する。

三人の男が入ってきた。
馴染みの男達らしい。
大きくて肉厚な男達。
その中で、真ん中の男はスラリと背が高く、靡く金髪が光の粒を振り撒いている様に見えた。

その男はあちこちに挨拶しながら、カウンターへと歩く。
堂々としていて身体の芯はブレていない。
挨拶する声は良く通り、低くて心地良い。
バーテンダーに渡された大ジョッキを持ち上げると、仲間に振ってからぐいと煽った。

服装は冒険者のものだ。
偉そうに人を威圧しない。
美丈夫さに酒場の華がきゃっきゃ集まったが、明るくかわしている。

……いいじゃん。


「ね、決めたよ。あの人。」

ルカは指さした。

「ねぇ、連れて来て。」

マルロが絶望的な顔をした。
子犬のように伺うように見て来たが、ルカがガンとして譲らないのを見て取ると、はあぁ、と溜め息を吐いた。

そして小瓶をことりと置いた。

「媚薬です。今のうちに飲んどいて下さい。」

ルカはぷうと膨れる。

「僕だって色気はあるよ。いっぱいお誘いうけるもの。そんなの要らない。」

「セックスはそれとは別物なんですよ。
初めてだとバレたら脅されたり付き纏われたりするかもしれないでしょう。
いいから、どうぞ。」

飲むまでは動きません。
というマルロに、しぶしぶ手に取る。

こんなもの無くても、キスして抱き合うなんて簡単じゃん。
上手く彼をその気にさせて、ワンナイトしちゃえばいいんだから。

煽った媚薬は甘ったるく。
喉にぬろりと落ちて行った。
胃のあたりでかっと火が付く。

どくん。

心臓が大きく一拍した。



ちらりとルカを見て。
やれやれと諦めたマルロが下へ行く。


ドキドキとほてって来た。
はぁはぁと息が甘くて熱い。
頭の中がじわじわと熱に浸されてぼうっとしてくる。

自分の体がどくんどくんと脈打って、それがゆっくりと下腹へと凝縮していく。

あ、あ…、ん。
自分のソレがずくずくと存在を主張していた。

普段意識したことのないソレが、ゆるゆると勃ちあがるのを感じる。
…‥媚薬って、凄い。
椅子に腰掛けた尻の奥。
そこがプルプルとし始めて、ルカは再びはぁ、と甘い息を吐いた。


手に持つジョッキの水滴を指で遊びながら待ってると、男が階段を上がってきた。

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