結婚したい男と、結婚させたい奴等と、結婚したくない僕。の話

たまとら

文字の大きさ
3 / 47
結婚が降りかかってきました

3 いいの居ました

しおりを挟む
ルカは吸い寄せられるように男を見た。

上からも眩かった金髪が。
暗い店にそこだけ明るい。

ルカはフードを外して顔を晒した。

男がはっと足を止める。

ルカはにっこりと笑いかけた。

三つ編みされた黒い髪が胸元に垂れている。
瑠璃色の瞳が、とろりと蕩けるようにこちらをみていた。
綺麗な顔だ。
半開きの唇が、悩ましい。
全身から誘うような雰囲気が立ち昇っていた。

「どぉぞ。こちらに。」

甘い声。


あ、媚薬様が廻ってるやん。
と、マルロは思った。
いつもがさつなルカが、なんかエロくて、マルロは二度見した。
そして、そのまそーっと気配を殺して消えて行く。
このまま部屋の確保と護衛にシフトチェンジしなくてはいけない。
~~従者はとても忙しいのだ。



向かい合わせに座って飲む。
男はマデウスと名乗った。

冒険者だという。
依頼の護衛を終えて、さっき帰って来たばかりだと言う。

冒険者生活を面白おかしく話してくれて、ルカは笑い。
媚薬の効果でねろりと手を握り。
うっとりと潤んだ目を向けた。

小さなテーブルの下で、男の脚の間に片足を突っ込んで。
男の膝を自分の両膝で締め付ける。


どうだいマルロ。
僕だって出来るんだぜ。

ふわふわと霞のかかった頭の中で、ルカはほくそ笑んだ。

初めて会った男に、ボディタッチすることにも歯止めが効かない…媚薬恐るべし。




「ねぇ、僕としない?」

溜め息を吐く様に耳元でそう囁く。
マデウスはすぐに握っていた手を唇にもっていった。
指先に当たるマデウスの唇にドキドキする。

「悪い子だ。いつもこうやって誘ってるのか?」

そのアクアマリンのような青い目が、色気を含んでじっと見返す。
くすりとルカは酔った顔を傾げた。
上気した首筋が、無造作に覗く。

「それは、内緒だよ。」

首筋に絡むほつれ毛に、マデウスはごくりと唾を飲み込んだ。

「ねぇ、しよう。」

ルカの言葉にマデウスが立ち上がる。
そっとルカの腰を抱いて歩き出す。

すっとマルロが差し出す鍵を手にして、階段を上がる。
もつれる様に消えて行く二人に、マルロはやれやれと息を吐いた。

出来る従者は、きっちりと三階を貸し切っていた。
もちろんルカの声を聴かれないようにだ。

酒と媚薬でふわふわするルカを抱き抱えてマデウスが消えていく。

三階からの唯一の通路になる階段に陣取って。
マルロは溜め息を吐いた。




『処女を捨てるっ‼︎』

ルカが仁王立ちでそう宣言したのは、一週間前だ。

いつもの竜舎で、ルカは拳を握ってそう宣言した。

竜の敷き砂をトンボで慣らしていたマルロは、ほえっ、と変な声をあげていた。


ルカは辺境伯の次男坊だ。
兄はマッチョなのに頭も良く、申し分の無い後取りで、ルカは結構甘やかされている。
おかげでときどき突拍子もない事を言い出す。

一足飛びに結果を宣言する事が多いので、マルロはじっとルカの思考の道筋を手繰った。

昨夜、領主様に呼ばれていた。

それだ。
それだよね。

うん。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

遊び人殿下に嫌われている僕は、幼馴染が羨ましい。

月湖
BL
「心配だから一緒に行く!」 幼馴染の侯爵子息アディニーが遊び人と噂のある大公殿下の家に呼ばれたと知った僕はそう言ったのだが、悪い噂のある一方でとても優秀で方々に伝手を持つ彼の方の下に侍れれば将来は安泰だとも言われている大公の屋敷に初めて行くのに、招待されていない者を連れて行くのは心象が悪いとド正論で断られてしまう。 「あのね、デュオニーソスは連れて行けないの」 何度目かの呼び出しの時、アディニーは僕にそう言った。 「殿下は、今はデュオニーソスに会いたくないって」 そんな・・・昔はあんなに優しかったのに・・・。 僕、殿下に嫌われちゃったの? 実は粘着系殿下×健気系貴族子息のファンタジーBLです。

どこにでもあるBL小説の悪役になったけど、BLする気なかったのにBLになった。

了承
BL
どこにでもある内容のビー小説に入った20歳フリーターがいつのまにかBLしてしまった短編です。

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

帝に囲われていることなど知らない俺は今日も一人草を刈る。

志子
BL
ノリと勢いで書いたBL転生中華ファンタジー。 美形×平凡。 乱文失礼します。誤字脱字あったらすみません。 崖から落ちて顔に大傷を負い高熱で三日三晩魘された俺は前世を思い出した。どうやら農村の子どもに転生したようだ。 転生小説のようにチート能力で無双したり、前世の知識を使ってバンバン改革を起こしたり……なんてことはない。 そんな平々凡々の俺は今、帝の花園と呼ばれる後宮で下っ端として働いてる。 え? 男の俺が後宮に? って思ったろ? 実はこの後宮、ちょーーと変わっていて…‥。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

処理中です...