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攻略対象者【D】の戸惑い
13 D-フラグを折る
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デュークはあの時の癇癪をちょっと後悔した。
おやぢは思う事があったのか、時々そっとこっちを見ている。
その時は、ふふふん。
と思っていたが。
ある日、従者に生活魔法を習って帰ってきたら、遊戯室でユアンを胡座の中に抱っこしたおやぢがいた。
ふっふぅ。
その可愛いさにメロメロになりやがれ。
と、上から目線で思っていたのはその時までだった。
…‥だってデュークは三歳児。
赤ん坊を抱っこして歩いたりは出来ないのだ!
どんなにきりきりと歯を軋ませても。
赤ん坊を抱き上げて歩くのは無理なのだ。
あんなに、にぃに♡
と、手を伸ばしてくれてた天使が。
あんなに、にぃに♡
と、抱きついて来てくれてた天使が。
とぅたん♡
と、言って。
高い高いされてきゃっきゃしているじゃあありませんかっ!
デュークは居た堪れなさにぎゅっと手を握った。
バカ。
俺のバカ。
俺はなんで三歳児なんだ。
もっとマッチョになって、ユアンを軽々と抱き上げたいのに!
まず、自分の幼さを責めた。
そしてその攻撃の矛先は、当たり前だが無責任大王へと向かう。
でれでれとした、無精髭を綺麗にしたおやぢは、整った顔をしていた。
腹立つ。
なるほど美丈夫。
カレラバは美形揃いのキャラデザだけあって、イケおじだ。
そいつが俺への断りもなく、ユアンをきゃっきゃ言わせている‼︎
黒いモノがじわじわくる。
埴輪化したデュークに気がつくと、公爵はユアンをおろしてデュークの脇に手を差し込んだ。
「な、なんですかっ。」
驚くデュークをぐんと頭の上に持ち上げる。
そのままぐるぐる回ると、眉を顰めた顔が困ったように歪んだ。
くるくる周るデュークに、床からユアンが手を伸ばす。
んきゃっと笑いが弾ける。
「にぃに♡」
反射的にデュークも笑顔を返す。
高い。
おやぢのつむじが見える。
くるくると世界が回る。
キラキラと世界が回る。
なんだろう…
楽しいじゃないかっ!
ぷらんと揺れる爪先が風を搔いて心地良い。
なんだろう。
自分を見上げるおやぢの目が潤んでいて、こそばゆい。
なんだろう。
こうしている事が嬉しくってたまらない。
ユアンが笑顔で。
おやぢも笑顔で。
屋敷の皆んなも笑顔で。
デュークは楽しくて目が潤んできた。
やがて公爵は、床に座ると膝の上に二人を抱き込んだ。
ユアンはその首ににゃあと抱きつく。
公爵はじっと腕の中の二人をみる。
シーレと同じプラチナブロンド。
デュークはグリーンアイでも碧色で、ユアンは翠色だ。
よく似ているけど雰囲気が違う。
でも笑った顔はそっくりで。
シーレともそっくりで。
胸の中から熱いものがこぷこぷと溢れてきた。
なんで見向きもしなかったんだろう。
こんなに、こんなに可愛いのに。
二人をぎゅっと抱き締める。
ぐえっ。 と、
きゃっ! と、声が上がって。
甲高い、きゃー‼︎ と、笑いが弾けた。
子供の甘い匂いと高い体温が、腕の中でもぞもぞと動く。
ビアズリー公爵は、感極まってポロポロ泣いた。
デュークはちょっと涙ぐみながらも。
無事にフラグを折って、
よしっ!
と、心でこぶしを突き上げた。
おやぢは思う事があったのか、時々そっとこっちを見ている。
その時は、ふふふん。
と思っていたが。
ある日、従者に生活魔法を習って帰ってきたら、遊戯室でユアンを胡座の中に抱っこしたおやぢがいた。
ふっふぅ。
その可愛いさにメロメロになりやがれ。
と、上から目線で思っていたのはその時までだった。
…‥だってデュークは三歳児。
赤ん坊を抱っこして歩いたりは出来ないのだ!
どんなにきりきりと歯を軋ませても。
赤ん坊を抱き上げて歩くのは無理なのだ。
あんなに、にぃに♡
と、手を伸ばしてくれてた天使が。
あんなに、にぃに♡
と、抱きついて来てくれてた天使が。
とぅたん♡
と、言って。
高い高いされてきゃっきゃしているじゃあありませんかっ!
デュークは居た堪れなさにぎゅっと手を握った。
バカ。
俺のバカ。
俺はなんで三歳児なんだ。
もっとマッチョになって、ユアンを軽々と抱き上げたいのに!
まず、自分の幼さを責めた。
そしてその攻撃の矛先は、当たり前だが無責任大王へと向かう。
でれでれとした、無精髭を綺麗にしたおやぢは、整った顔をしていた。
腹立つ。
なるほど美丈夫。
カレラバは美形揃いのキャラデザだけあって、イケおじだ。
そいつが俺への断りもなく、ユアンをきゃっきゃ言わせている‼︎
黒いモノがじわじわくる。
埴輪化したデュークに気がつくと、公爵はユアンをおろしてデュークの脇に手を差し込んだ。
「な、なんですかっ。」
驚くデュークをぐんと頭の上に持ち上げる。
そのままぐるぐる回ると、眉を顰めた顔が困ったように歪んだ。
くるくる周るデュークに、床からユアンが手を伸ばす。
んきゃっと笑いが弾ける。
「にぃに♡」
反射的にデュークも笑顔を返す。
高い。
おやぢのつむじが見える。
くるくると世界が回る。
キラキラと世界が回る。
なんだろう…
楽しいじゃないかっ!
ぷらんと揺れる爪先が風を搔いて心地良い。
なんだろう。
自分を見上げるおやぢの目が潤んでいて、こそばゆい。
なんだろう。
こうしている事が嬉しくってたまらない。
ユアンが笑顔で。
おやぢも笑顔で。
屋敷の皆んなも笑顔で。
デュークは楽しくて目が潤んできた。
やがて公爵は、床に座ると膝の上に二人を抱き込んだ。
ユアンはその首ににゃあと抱きつく。
公爵はじっと腕の中の二人をみる。
シーレと同じプラチナブロンド。
デュークはグリーンアイでも碧色で、ユアンは翠色だ。
よく似ているけど雰囲気が違う。
でも笑った顔はそっくりで。
シーレともそっくりで。
胸の中から熱いものがこぷこぷと溢れてきた。
なんで見向きもしなかったんだろう。
こんなに、こんなに可愛いのに。
二人をぎゅっと抱き締める。
ぐえっ。 と、
きゃっ! と、声が上がって。
甲高い、きゃー‼︎ と、笑いが弾けた。
子供の甘い匂いと高い体温が、腕の中でもぞもぞと動く。
ビアズリー公爵は、感極まってポロポロ泣いた。
デュークはちょっと涙ぐみながらも。
無事にフラグを折って、
よしっ!
と、心でこぶしを突き上げた。
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