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14部
延長で
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赤い月が終わり、ラギ達は国に帰ったが、ラメーンの神殿にいるサン、サンデリカ、ラウラはまだそのままだった。
「ラウラ様、私達、いつまでここにいられるんでしょう?」
「帰る日ははっきり決まってないからね。どうなるんでしょう?」
サンデリカとラウラは数日前から話し合っている。神官達に聞いても分からないと言われた。赤い月が終わり、四の月初日、ラメーンがやってきたので、神官が聞いてくれた。
「ああ、そうか。赤い月の間ということだったっけ。できたら延長したい。あと一月ほど」
そうラメーンが言った。
「延長ですか。三人に言ってみますね」
三人は神官から聞いて驚いたが、サンはかなり喜んでいた。
「やった、延長だ!」
サンデリカとラウラは目を合わせている。
「こんなにお世話になって良いのでしょうか」
ラウラは恐縮して言っていた。
「ラメーン様が良いとおっしゃっているのですから良いですよ」
神官が答えた。食事やら洗濯やら神官達にお世話になりっぱなしである。
「国の方では心配しているかもしれないから、一度使者を行かせた方がいいな。そうだ、君達の伝言を届けたら安心するだろう。後で伝言貝を持ってこよう」
ラメーンは三人の指導をしてから去って行った。
「サンはすごくうれしそうね。国が恋しくないの?」
サンデリカはうれしそうなサンに聞いた。
「だって、一月後には帰るんだもの。ラメーン様の指導は、お金を払ったって無理なんだから、すごく貴重だよ」
「そりゃそうだけど」
「姉様だけ帰ってもいいんだよ?」
「やあよ。私もいるわよ。だってここでの毎日は刺激的だもの」
ラメーンが再びやってきて、サンデリカとサンは一つの伝言貝に両親への伝言を入れて、ラウラも別の伝言貝に伝言を入れた。
ラメーンは使者を妖精に頼むつもりだったが、そこでちょっと考えた。
(もう一月預かるとなると、渋る者もいるかもしれないな。ここは絶対反対できないような者が行った方が……)
ラメーン自身が行って回ることも考えたが、いろいろ相手に問われるのも面倒だった。ラメーンの今の考えは、ちょっと人間に説明しづらいのである。
「そうだ!」
ラメーンは笛の音で呼んだ風の妖精に伝言を頼み、クーリーフンを呼んでもらった。少ししてクーリーフンがやってきた。
「僕に何か用?」
「実は頼みがあるんだ。二つの国に伝言を持って行ってほしい」
ラメーンはクーリーフンにわけを話した。
「いいよ。その代わり、新しい笛がほしいな」
「いいとも」
クーリーフンは伝言貝を受け取った。
「こういう時は、ワイロがあった方がいいよね」
クーリーフンはガーベラの美容液をいくつか持って、まずは白鳥の国に行き、もう一月ラウラを預かりたいと話した。クーリーフンが来ただけで、城にいる女性達の目はハートになっている。
「ラウラ姫の竪琴は、僕も好きだよ」
などと言って、伝言貝を渡し、王妃様にはとどめの美容液を渡した。相手は詳しいわけなど聞かなかった。
「どうか娘をよろしくお願いします」
王も王妃もクーリーフンに頭を下げた。
「いえいえ、ではそれじゃ僕はこれで」
謁見の間の外では、噂を聞いた女性陣がつめかけていた。
「きゃークーリーフン様ー」
「キャー!!!」
「ぎゃー!!!」
「やあ、僕の信者達」
「きゃあああああ。好きーーーーー!」
クーリーフンは笑顔を振りまいて去って行った。クーリーフンへの愛はガーベラの信仰につながっているので、愛想よくすることは必要なことでもある。
クーリーフンはその後羊の国に飛び、同じように女性陣を悩殺して戻ってきた。
「よろしくお願いしますってどちらも言ってたよ」
「そうか。ありがとう」
ラメーンはクーリーフンに笛を渡し、クーリーフンは去って行った。
羊の国では、今回は女性陣が舞い上がっていた。しかも神の美容液までいただけたのだ。サンとサンデリカに感謝したいくらいである。
こうしてこちらの三人は、もうしばらく聖地に滞在することになったのだった。
「ラウラ様、私達、いつまでここにいられるんでしょう?」
「帰る日ははっきり決まってないからね。どうなるんでしょう?」
サンデリカとラウラは数日前から話し合っている。神官達に聞いても分からないと言われた。赤い月が終わり、四の月初日、ラメーンがやってきたので、神官が聞いてくれた。
「ああ、そうか。赤い月の間ということだったっけ。できたら延長したい。あと一月ほど」
そうラメーンが言った。
「延長ですか。三人に言ってみますね」
三人は神官から聞いて驚いたが、サンはかなり喜んでいた。
「やった、延長だ!」
サンデリカとラウラは目を合わせている。
「こんなにお世話になって良いのでしょうか」
ラウラは恐縮して言っていた。
「ラメーン様が良いとおっしゃっているのですから良いですよ」
神官が答えた。食事やら洗濯やら神官達にお世話になりっぱなしである。
「国の方では心配しているかもしれないから、一度使者を行かせた方がいいな。そうだ、君達の伝言を届けたら安心するだろう。後で伝言貝を持ってこよう」
ラメーンは三人の指導をしてから去って行った。
「サンはすごくうれしそうね。国が恋しくないの?」
サンデリカはうれしそうなサンに聞いた。
「だって、一月後には帰るんだもの。ラメーン様の指導は、お金を払ったって無理なんだから、すごく貴重だよ」
「そりゃそうだけど」
「姉様だけ帰ってもいいんだよ?」
「やあよ。私もいるわよ。だってここでの毎日は刺激的だもの」
ラメーンが再びやってきて、サンデリカとサンは一つの伝言貝に両親への伝言を入れて、ラウラも別の伝言貝に伝言を入れた。
ラメーンは使者を妖精に頼むつもりだったが、そこでちょっと考えた。
(もう一月預かるとなると、渋る者もいるかもしれないな。ここは絶対反対できないような者が行った方が……)
ラメーン自身が行って回ることも考えたが、いろいろ相手に問われるのも面倒だった。ラメーンの今の考えは、ちょっと人間に説明しづらいのである。
「そうだ!」
ラメーンは笛の音で呼んだ風の妖精に伝言を頼み、クーリーフンを呼んでもらった。少ししてクーリーフンがやってきた。
「僕に何か用?」
「実は頼みがあるんだ。二つの国に伝言を持って行ってほしい」
ラメーンはクーリーフンにわけを話した。
「いいよ。その代わり、新しい笛がほしいな」
「いいとも」
クーリーフンは伝言貝を受け取った。
「こういう時は、ワイロがあった方がいいよね」
クーリーフンはガーベラの美容液をいくつか持って、まずは白鳥の国に行き、もう一月ラウラを預かりたいと話した。クーリーフンが来ただけで、城にいる女性達の目はハートになっている。
「ラウラ姫の竪琴は、僕も好きだよ」
などと言って、伝言貝を渡し、王妃様にはとどめの美容液を渡した。相手は詳しいわけなど聞かなかった。
「どうか娘をよろしくお願いします」
王も王妃もクーリーフンに頭を下げた。
「いえいえ、ではそれじゃ僕はこれで」
謁見の間の外では、噂を聞いた女性陣がつめかけていた。
「きゃークーリーフン様ー」
「キャー!!!」
「ぎゃー!!!」
「やあ、僕の信者達」
「きゃあああああ。好きーーーーー!」
クーリーフンは笑顔を振りまいて去って行った。クーリーフンへの愛はガーベラの信仰につながっているので、愛想よくすることは必要なことでもある。
クーリーフンはその後羊の国に飛び、同じように女性陣を悩殺して戻ってきた。
「よろしくお願いしますってどちらも言ってたよ」
「そうか。ありがとう」
ラメーンはクーリーフンに笛を渡し、クーリーフンは去って行った。
羊の国では、今回は女性陣が舞い上がっていた。しかも神の美容液までいただけたのだ。サンとサンデリカに感謝したいくらいである。
こうしてこちらの三人は、もうしばらく聖地に滞在することになったのだった。
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