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これまでと、いままでと。ーユーリverー
想いは
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何年も何年も、マリーの側にいた。
足の傷は機能的には問題ないが、7センチくらいの傷が残った。ドレスで隠れてるから見えないけれど、マリーやその周囲は将来結婚のことを考えて傷が露見するのを嫌がった。
マリーも、もし転んで傷が見えたらどうしようと外に出なくなり、木登りや馬にものれなくなってしまった。
行動が徐々に閉鎖的になり、いつしか友人も来なくなってしまった。
自分のせいだが、それではダメだと思い僕の友人を連れて会いに行っても、すぐに体調が悪くなり、友人だけを帰すなんてことは度々起こった。
そして傷跡のせいなのかそれとも風邪をこじらせてしまったのか、とうとう外に長時間いると熱を出すようになってしまった。
マリーはそれでも僕や周囲に対して、笑顔を忘れない。でも、笑顔であればあるほど、執事やメイドが僕のこともお嬢様の大切なお人と扱えば扱うほど、重圧が重くなってきた。
それでも、大切な人だった。
アンジェとは、次男の代わりに出席をと参加させられた夜会で出会った。
兄様と父上が席を外したのを確認すると、それと入れ替わりに入ってきた女性に目を奪われた。
その女性は他に目が移せなくなるほどの魅力をもつ人だった。
艶やかな銀髪を横でまとめて、ふんわりと肩から下に流していた。涼やかな目元に、ほんのりと化粧を施してあり、ふっくらと柔らかそうな唇は赤く艶やかだった。
何て美しい女性なんだろう、と。顔が熱くなるのが分かる。心臓がドキドキして、初めての感覚に戸惑った。話しかけたい、でも、今は兄様と父上の代わりでいるだけだー。
周りの男性陣はその女性と話したくて少しずつ距離を近づけて行きさりげなく兄にブロックされていた。
小さな頃から問題は起こさず目立たないと刷り込まれてきた僕は動かずにいた。
でも、女性の顔色が少しだけ悪いのが気になった。
家人の誰も気付いてないみたいで周囲に挨拶と軽い挨拶をしていて、その女性もソツなくこなしていた。
人より女性での言動に注意を払う生活だったから気付いただけ。…伝えた方がいいかな?
僕の近くを通り過ぎた時に、その女性は上体が少しだけ傾いて、手に持っていたグラスを落としてしまった。
目が合ってー。
どうしよう、と不安げに瞳を揺らされたら。
瞬時に身体が動いてしまった。
そして、その人に心を奪われたー。
あの夜会の最中は夢のようだった。
家のことやマリーのことなど忘れてその人からの熱を感じる視線を受けて、身体が熱くなった。
この人のことをもっと知りたい、この人のことをもっと愛したいー
もう一曲もう一曲とねだられて三曲踊った後は、あの人は僕の中にいた。顔が火照っていたからバルコニーに連れ出して体調を聞くと、もう大丈夫だと言われた。気付かれていたという恥ずかしさからか、顔がまた赤くなる。
あまりにも可愛い顔をするから抱き締めてしまってー。
可愛い声で僕を呼んだらダメだよ。理性がなくなる
そんな目で見つめたらダメだよ。唇を合わせたくなる
また会えますか?なんて聞かないで、会わずにはいられなくなるー。
踊って髪の毛が少し乱れていたからそれを軽く整え、耳元で、絶対会いに行くよ、と囁いてしまったーー。
それを兄上が見ているともしらずに。
足の傷は機能的には問題ないが、7センチくらいの傷が残った。ドレスで隠れてるから見えないけれど、マリーやその周囲は将来結婚のことを考えて傷が露見するのを嫌がった。
マリーも、もし転んで傷が見えたらどうしようと外に出なくなり、木登りや馬にものれなくなってしまった。
行動が徐々に閉鎖的になり、いつしか友人も来なくなってしまった。
自分のせいだが、それではダメだと思い僕の友人を連れて会いに行っても、すぐに体調が悪くなり、友人だけを帰すなんてことは度々起こった。
そして傷跡のせいなのかそれとも風邪をこじらせてしまったのか、とうとう外に長時間いると熱を出すようになってしまった。
マリーはそれでも僕や周囲に対して、笑顔を忘れない。でも、笑顔であればあるほど、執事やメイドが僕のこともお嬢様の大切なお人と扱えば扱うほど、重圧が重くなってきた。
それでも、大切な人だった。
アンジェとは、次男の代わりに出席をと参加させられた夜会で出会った。
兄様と父上が席を外したのを確認すると、それと入れ替わりに入ってきた女性に目を奪われた。
その女性は他に目が移せなくなるほどの魅力をもつ人だった。
艶やかな銀髪を横でまとめて、ふんわりと肩から下に流していた。涼やかな目元に、ほんのりと化粧を施してあり、ふっくらと柔らかそうな唇は赤く艶やかだった。
何て美しい女性なんだろう、と。顔が熱くなるのが分かる。心臓がドキドキして、初めての感覚に戸惑った。話しかけたい、でも、今は兄様と父上の代わりでいるだけだー。
周りの男性陣はその女性と話したくて少しずつ距離を近づけて行きさりげなく兄にブロックされていた。
小さな頃から問題は起こさず目立たないと刷り込まれてきた僕は動かずにいた。
でも、女性の顔色が少しだけ悪いのが気になった。
家人の誰も気付いてないみたいで周囲に挨拶と軽い挨拶をしていて、その女性もソツなくこなしていた。
人より女性での言動に注意を払う生活だったから気付いただけ。…伝えた方がいいかな?
僕の近くを通り過ぎた時に、その女性は上体が少しだけ傾いて、手に持っていたグラスを落としてしまった。
目が合ってー。
どうしよう、と不安げに瞳を揺らされたら。
瞬時に身体が動いてしまった。
そして、その人に心を奪われたー。
あの夜会の最中は夢のようだった。
家のことやマリーのことなど忘れてその人からの熱を感じる視線を受けて、身体が熱くなった。
この人のことをもっと知りたい、この人のことをもっと愛したいー
もう一曲もう一曲とねだられて三曲踊った後は、あの人は僕の中にいた。顔が火照っていたからバルコニーに連れ出して体調を聞くと、もう大丈夫だと言われた。気付かれていたという恥ずかしさからか、顔がまた赤くなる。
あまりにも可愛い顔をするから抱き締めてしまってー。
可愛い声で僕を呼んだらダメだよ。理性がなくなる
そんな目で見つめたらダメだよ。唇を合わせたくなる
また会えますか?なんて聞かないで、会わずにはいられなくなるー。
踊って髪の毛が少し乱れていたからそれを軽く整え、耳元で、絶対会いに行くよ、と囁いてしまったーー。
それを兄上が見ているともしらずに。
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