婚約破棄のその先は

フジ

文字の大きさ
14 / 49
これまでと、いままでと。ーユーリverー

なんで

しおりを挟む
父上から呼び出されるのはいつぶりだろうかと、ドキドキしていたのは先ほどまで。

今は父上からなにを言われているのか理解が遅れた。


は、え、アンジェ様と…婚約?!
聞き返さないと。本当にあの人なのか。
心が急にせわしなくなり、身体がカッと熱くなる。

「ヴェルファン家のご令嬢と、ですか?」

確信が欲しくてもう一度聞くと、話は終わったとばかりに、仕事をし始める父上に慌ててしまう。


「しかし、マリー嬢との婚約はどうなさるおつもりですか」

焦って何か言おうとして口から出た言葉はマリーのことだった。そうだ、僕にはマリーがいる。
小さな頃に怪我をさせてしまった女の子。
責任はー。

「向こうがお前と、と伝達があった。お前は、はいとだけ言っていればいい」

「マリーは、っー。」

「我が家には、クラベル家よりヴェルファン家の方が価値がある。マリー嬢とはゲイツと婚約させることにする」

「は、?兄様、と?」

「話は終わった、部屋に戻れ」


マリーに仕えろ、と言って婚約もせず、僕はただ召使いのようにクラベル家に行っていたのはなぜですか。

今更ダリア家にそのような言い訳が通じるのか。

何より父上は使ー色んな思いが巡るも、父上付きの執事から、坊ちゃん、こちらへー。と促され、部屋を出た。



ーここまで息子の結婚に興味ない、だなんて…。


父上が自分に興味ないことは分かっている。
興味はマリーを怪我した時から失っていた。一度の失敗も許さない人だと子供ながらに分かっていたから、失望されて、死に物狂いで父親や兄上の仕事を学んでいった。
それでも、冷たく視線を投げられるだけだった。


分かっていたけれどーー。

唇を噛み締めてしまい、その痛みで顔をしかめた。


今すぐあの人に会いたいー。
僕とアンジェ様が結婚?
嬉しい、今すぐ会いに行きたい。
でもー。マリーは…




肩を叩かれた。

「よっ」

「兄上ー…」

「ちょっと俺の部屋に来ないか?」

こんなにフランクに話しかけてくる兄上は初めてだった。兄弟仲は特に良くも悪くもなかったが、父上が求める兄弟内の役割を、お互い把握していて、その通りに動いていたため、あまり接触もなかった。

それなのに、部屋?



「少しこの婚約話の話をしよう」









しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

婚約者の幼馴染?それが何か?

仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた 「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」 目の前にいる私の事はガン無視である 「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」 リカルドにそう言われたマリサは 「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」 ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・ 「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」 「そんな!リカルド酷い!」 マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している  この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」 「まってくれタバサ!誤解なんだ」 リカルドを置いて、タバサは席を立った

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

幼馴染、幼馴染、そんなに彼女のことが大切ですか。――いいでしょう、ならば、婚約破棄をしましょう。~病弱な幼馴染の彼女は、実は……~

銀灰
恋愛
テリシアの婚約者セシルは、病弱だという幼馴染にばかりかまけていた。 自身で稼ぐこともせず、幼馴染を庇護するため、テシリアに金を無心する毎日を送るセシル。 そんな関係に限界を感じ、テリシアはセシルに婚約破棄を突き付けた。 テリシアに見捨てられたセシルは、てっきりその幼馴染と添い遂げると思われたが――。 その幼馴染は、道化のようなとんでもない秘密を抱えていた!? はたして、物語の結末は――?

幼馴染の婚約者を馬鹿にした勘違い女の末路

今川幸乃
恋愛
ローラ・ケレットは幼馴染のクレアとパーティーに参加していた。 すると突然、厄介令嬢として名高いジュリーに絡まれ、ひたすら金持ち自慢をされる。 ローラは黙って堪えていたが、純粋なクレアはついぽろっとジュリーのドレスにケチをつけてしまう。 それを聞いたローラは顔を真っ赤にし、今度はクレアの婚約者を馬鹿にし始める。 そしてジュリー自身は貴公子と名高いアイザックという男と結ばれていると自慢を始めるが、騒ぎを聞きつけたアイザック本人が現れ…… ※短い……はず

【完結】少年の懺悔、少女の願い

干野ワニ
恋愛
伯爵家の嫡男に生まれたフェルナンには、ロズリーヌという幼い頃からの『親友』がいた。「気取ったご令嬢なんかと結婚するくらいならロズがいい」というフェルナンの希望で、二人は一年後に婚約することになったのだが……伯爵夫人となるべく王都での行儀見習いを終えた『親友』は、すっかり別人の『ご令嬢』となっていた。 そんな彼女に置いて行かれたと感じたフェルナンは、思わず「奔放な義妹の方が良い」などと言ってしまい―― なぜあの時、本当の気持ちを伝えておかなかったのか。 後悔しても、もう遅いのだ。 ※本編が全7話で悲恋、後日談が全2話でハッピーエンド予定です。 ※長編のスピンオフですが、単体で読めます。

(完)そんなに妹が大事なの?と彼に言おうとしたら・・・

青空一夏
恋愛
デートのたびに、病弱な妹を優先する彼に文句を言おうとしたけれど・・・

処理中です...