婚約破棄のその先は

フジ

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これまでと、いままでと。ーユーリverー

兄上の告白

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「まぁ座れよ」

ソファに促され兄上の目の前に座ると、兄上が何か飲むか?って聞いてきた。
変に緊張が喉に絡み、大丈夫です、と掠れた声で言ってしまった。

それよりーと話を早くして欲しくて、切り出そうとすると、まぁまてよ、と逆に止められてしまった。

「こいつにはホットミルクを入れてくれ」

ホットミルク?と顔に出てたのか、兄上は苦笑気味に昔好きだっただろ?もう飲まないのか?と言った。

「そ、れはー、今でも飲みますけどー。」

「そうか、じゃあ飲め。顔色が悪いからな」

兄弟で遊んだこともなければ、お茶を共にしたこともないー。正直兄上が僕の昔の好きな飲み物を知っていたことに驚いた。


メイドがすぐに入れてくれ、ほら、と兄上に促される。カップに少しだけ触れると指先が思ったより冷えていて、熱く感じた。
兄上は珈琲を入れてもらって一口飲んだ。
僕は混乱していて、カップに触れたものの口にはできなかった。
兄上の喉仏がゴクリと動くのを眺めているだけ。


「婚約の話なんだけどさ」

二口飲んだ後、兄上はようやく話しだした。

「はい。…兄上は何か知っているのですか?」


知っているというかなー、と腕組みして眉根を寄せた。何かに悩んでいる兄上の姿は様になっていた。




「まぁ、正直に話した方が早いかー。唐突だが、俺はマリーが好きだ。でもマリーはお前に惚れている。だから無理矢理に俺の婚約者にした」

家的にもちょうどいいしな、と恥ずかしげもなく爽やかに笑う兄上に言葉を失った。
さっき父上に兄上がマリーと婚約させるとは聞いていたが、無理矢理婚約者?どういうことだろう。それに、マリーのことが好き?


「は、ーえ?マリーのことが、」

「あぁ。好きだ。」

「初耳、です」

「言ってなかったからな。それにお前と結婚すると思っていたから」

「それはー、正直僕にも分かりません」

怪我をさせたのは僕で、それによってマリーは社交界や友人を失ってしまったー。
それに対して、マリーに仕えろと父上は言われたけれど、確かに婚約はしなかった。どういうことなのかわからないー。答えが欲しくて、兄上を見る。


「そうだな、だってほとんど毎日のように会いに言ってたもんなお前。妬いたよ。まぁ婚約してないってさっき、お前の前に父上に呼び出されて聞いたんだけどさ。お前はヴァン家の令嬢と婚約させるから俺がマリーと結婚してもいいって言われたよ」

俺の気持ちはずっと知ってたんだって。と照れる兄上に。妬いたよの時に視線に嫉妬が乗ってて。そんなことを言われると思わなかったので、なんて言っていいのかわからなかった。


なぜ当事者である自分は何も知らないのか、そのモヤモヤとしたのが苛立ちにかわっていた。



そもそも、なぜ僕とマリーは婚約しなかったのかー。





父上は何を考えているのか、わからなかったー。



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