1 / 5
婚約破棄された令嬢 サイーナ
しおりを挟む
キラキラと輝くシャンデリア、綺麗なドレスを身に纏う令嬢たち
中央には、誰もが立ち止まって見るほどの美形のハインリッヒ国国王レナード様、社交界の花と言われている王妃、クーナ様。
シャンデリアの輝きに照らされ、二人は一層美しく見えます。
その後ろには、二人の一人息子でもあり、
ハインリッヒ国王太子 レオナール様がいらっしゃいました。
二人の血を受け継ぐレオナール様は、いちばん輝いて見えます。
文武両道、金髪碧眼の背の高い、まさに理想の王子様のような人です。
そんなレオナール様の婚約者であり、幼なじみでもあります。
私はエドワード公爵家令嬢 サイーナ。
貴族では珍しい銀髪の髪を持っていますのよ。
今日は国王夫妻の結婚20周年記念パーティーですが、
レオナール様と私の結婚を正式に発表する場でもありますわ。
私はこの日を楽しみに待っていたの。
心から愛するあの人と結婚できるのですから。
兄にエスコートされ、国王夫妻に挨拶を済ませた私は、1人でワインを飲んでいましたの。友人がいないわけではないのですよ!
ただ、心の準備をする時間が必要でしたの。
そんなことを考えていたら、真っ直ぐこちらへレオナール様様が向かっていらっしゃるわ!
早くレオナール様の近くに行きたいですわ。
あらっ。レオナール様が右に曲がってしまわれたわ。
どうしたのかしら?珍しい。
いつもは私のところに一番に来て下さるのに…
レオナール様が向かっていったのは、ある一人の少女の元だった。桃色のふんわりした髪をゆらしながら、可愛らしい笑顔をレオナール様に向けていた。
そう、あれは、ルイン男爵家令嬢エリスだわ。
レオナール様も私に向ける笑顔とは違う。心のそこから笑っていた。
周りは少しざわめいたが、少しすれば元にもどった。
私とレオナール様の婚約はまだ正式に発表されているから。
さすがに公爵家令嬢の婚約者に近づくものはいないわ、ふふ。
それにしても、いつまでいちゃいちゃしてるのかしら、 あの2人は
レオナール様の腕に豊かな胸をわざと当てて!はしたないわ。
別に、自分の胸が貧相だからって、エリスに八つ当たりしているわけじゃないわ、おほほほ。
レオナール様も嬉しそうにしちゃって!
出会った最初の時から分かってたもの。
私はレオナール様に愛されてないって。
あれは、私が、12歳で、レオナール様ガ、14歳だったときのことよ
お父様と王家の住むお城を訪ねたとき、私はレオナール様に心を奪われたわ。いわゆる、一目惚れってやつね。
「こんにちは。はじめまして。私の名は、レオナール。よろしくね。サイーナ」
と、おっしゃられたときの笑顔は、忘れられないわ
それからというもの、すぐに婚約が決まり、私の家にレオナール様が来てくれるようになったわ。
いつも変わらない美しい笑顔で私の名前を呼んでくれて、楽しいお話をしてくださって、私にとったら、飽きることのない楽しい時間だったわ。
けど、そんな楽しい時間にももう少しで終止符が打たれるでしょう。レオナール様のお顔を見ていれば、分かるわ。
ほら、こっちに来た…
エリス男爵令嬢に向けた笑顔とは、正反対の深刻な表情で、横にエリス男爵令嬢を連れながら…
「サイーナ、話がある。」
『はい、なんでしょうか。レオナール様』
「君は、エリス男爵令嬢を虐めたそうだね。階段から突き落としたり、物を壊したりと。本当なのかい?」
はい!?何のことやら。いったいなにがどうなっているのか。こっちが聞きたいくらいですわよ。
男爵令嬢とは、初対面ですし。
『こほん。殿下、私はエリス男爵令嬢とは、初対面ですし、そうした記憶がございません。』
「殿下!この人は、嘘をついています。証拠にこれを!」
そういい、差し出してきたのは、ボロボロになった髪飾りだった。
「これは、私の母の形見なのです。それを『レオナール様に近づかないで!』と言いながら、壊したのです。ぅぅぅ…」
と、泣きながら、レオナール様の後ろに隠れる男爵令嬢エリス。
その男爵令嬢を抱きしめるレオナール様。
いや、そんな髪飾り知らんわ。壊した覚えもないわ。イライラしすぎて、おおっと、お口が悪くなってしまったわ、おほほ。
それにしても、レオナール様に失望しましたわ。前までは、もっと立派でいらしたのに。
こんなレオナール様と結婚するくらいなら、婚約破棄されてもいいわ。
「こンなことをする君とは、一緒になれない。今、この場で婚約を破棄する!」
来ましたわ!!婚約破棄出来ました!
お前なんかと一緒になるか、ばーか!おおっと、また口が…
『分かりました。婚約破棄を受け入れます。さようなら。』
「えっ。ちょっと待っ…」
さぁ、これで自由だわ。サイーナ、自由にむけてはばたくのよ!
中央には、誰もが立ち止まって見るほどの美形のハインリッヒ国国王レナード様、社交界の花と言われている王妃、クーナ様。
シャンデリアの輝きに照らされ、二人は一層美しく見えます。
その後ろには、二人の一人息子でもあり、
ハインリッヒ国王太子 レオナール様がいらっしゃいました。
二人の血を受け継ぐレオナール様は、いちばん輝いて見えます。
文武両道、金髪碧眼の背の高い、まさに理想の王子様のような人です。
そんなレオナール様の婚約者であり、幼なじみでもあります。
私はエドワード公爵家令嬢 サイーナ。
貴族では珍しい銀髪の髪を持っていますのよ。
今日は国王夫妻の結婚20周年記念パーティーですが、
レオナール様と私の結婚を正式に発表する場でもありますわ。
私はこの日を楽しみに待っていたの。
心から愛するあの人と結婚できるのですから。
兄にエスコートされ、国王夫妻に挨拶を済ませた私は、1人でワインを飲んでいましたの。友人がいないわけではないのですよ!
ただ、心の準備をする時間が必要でしたの。
そんなことを考えていたら、真っ直ぐこちらへレオナール様様が向かっていらっしゃるわ!
早くレオナール様の近くに行きたいですわ。
あらっ。レオナール様が右に曲がってしまわれたわ。
どうしたのかしら?珍しい。
いつもは私のところに一番に来て下さるのに…
レオナール様が向かっていったのは、ある一人の少女の元だった。桃色のふんわりした髪をゆらしながら、可愛らしい笑顔をレオナール様に向けていた。
そう、あれは、ルイン男爵家令嬢エリスだわ。
レオナール様も私に向ける笑顔とは違う。心のそこから笑っていた。
周りは少しざわめいたが、少しすれば元にもどった。
私とレオナール様の婚約はまだ正式に発表されているから。
さすがに公爵家令嬢の婚約者に近づくものはいないわ、ふふ。
それにしても、いつまでいちゃいちゃしてるのかしら、 あの2人は
レオナール様の腕に豊かな胸をわざと当てて!はしたないわ。
別に、自分の胸が貧相だからって、エリスに八つ当たりしているわけじゃないわ、おほほほ。
レオナール様も嬉しそうにしちゃって!
出会った最初の時から分かってたもの。
私はレオナール様に愛されてないって。
あれは、私が、12歳で、レオナール様ガ、14歳だったときのことよ
お父様と王家の住むお城を訪ねたとき、私はレオナール様に心を奪われたわ。いわゆる、一目惚れってやつね。
「こんにちは。はじめまして。私の名は、レオナール。よろしくね。サイーナ」
と、おっしゃられたときの笑顔は、忘れられないわ
それからというもの、すぐに婚約が決まり、私の家にレオナール様が来てくれるようになったわ。
いつも変わらない美しい笑顔で私の名前を呼んでくれて、楽しいお話をしてくださって、私にとったら、飽きることのない楽しい時間だったわ。
けど、そんな楽しい時間にももう少しで終止符が打たれるでしょう。レオナール様のお顔を見ていれば、分かるわ。
ほら、こっちに来た…
エリス男爵令嬢に向けた笑顔とは、正反対の深刻な表情で、横にエリス男爵令嬢を連れながら…
「サイーナ、話がある。」
『はい、なんでしょうか。レオナール様』
「君は、エリス男爵令嬢を虐めたそうだね。階段から突き落としたり、物を壊したりと。本当なのかい?」
はい!?何のことやら。いったいなにがどうなっているのか。こっちが聞きたいくらいですわよ。
男爵令嬢とは、初対面ですし。
『こほん。殿下、私はエリス男爵令嬢とは、初対面ですし、そうした記憶がございません。』
「殿下!この人は、嘘をついています。証拠にこれを!」
そういい、差し出してきたのは、ボロボロになった髪飾りだった。
「これは、私の母の形見なのです。それを『レオナール様に近づかないで!』と言いながら、壊したのです。ぅぅぅ…」
と、泣きながら、レオナール様の後ろに隠れる男爵令嬢エリス。
その男爵令嬢を抱きしめるレオナール様。
いや、そんな髪飾り知らんわ。壊した覚えもないわ。イライラしすぎて、おおっと、お口が悪くなってしまったわ、おほほ。
それにしても、レオナール様に失望しましたわ。前までは、もっと立派でいらしたのに。
こんなレオナール様と結婚するくらいなら、婚約破棄されてもいいわ。
「こンなことをする君とは、一緒になれない。今、この場で婚約を破棄する!」
来ましたわ!!婚約破棄出来ました!
お前なんかと一緒になるか、ばーか!おおっと、また口が…
『分かりました。婚約破棄を受け入れます。さようなら。』
「えっ。ちょっと待っ…」
さぁ、これで自由だわ。サイーナ、自由にむけてはばたくのよ!
0
あなたにおすすめの小説
婚約破棄してくださって結構です
二位関りをん
恋愛
伯爵家の令嬢イヴには同じく伯爵家令息のバトラーという婚約者がいる。しかしバトラーにはユミアという子爵令嬢がいつもべったりくっついており、イヴよりもユミアを優先している。そんなイヴを公爵家次期当主のコーディが優しく包み込む……。
※表紙にはAIピクターズで生成した画像を使用しています
追放された悪役令嬢は辺境にて隠し子を養育する
3ツ月 葵(ミツヅキ アオイ)
恋愛
婚約者である王太子からの突然の断罪!
それは自分の婚約者を奪おうとする義妹に嫉妬してイジメをしていたエステルを糾弾するものだった。
しかしこれは義妹に仕組まれた罠であったのだ。
味方のいないエステルは理不尽にも王城の敷地の端にある粗末な離れへと幽閉される。
「あぁ……。私は一生涯ここから出ることは叶わず、この場所で独り朽ち果ててしまうのね」
エステルは絶望の中で高い塀からのぞく狭い空を見上げた。
そこでの生活も数ヵ月が経って落ち着いてきた頃に突然の来訪者が。
「お姉様。ここから出してさし上げましょうか? そのかわり……」
義妹はエステルに悪魔の様な契約を押し付けようとしてくるのであった。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる