46 / 60
四章
旅立ちの下級冒険者4
しおりを挟む
「ヘイル、お古になるけど良ければこの防具を使ってくれ。俺が着るには少し小さいから」
「ゴートさん、ありがとうございます!俺嬉しいです!」
予備として着ていた防具をヘイルに渡す。
まだちゃんとした防具を持っていなかったヘイルは、余程嬉しかったのか早速上着を着ている。
ヘイルに何か贈り物をしようと考えていたのだが、何が実用的かを考えたら防具が良いのではという結論になった。
というのも先日労働者で整備してもらった今使っている防具は、最近買い直したより上質の防具なのだが、予備の防具は以前使っていた仕様の防具で、旅に持っていくには流石に荷物になると思ったのだ。
「今度会うときは九級冒険者かな?怪我には気を付けてなヘイル。ファラと仲良くな」
「はい!ゴートさんも気を付けて!」
ヘイルへの挨拶を済ませホナミ孤児院を出る。
これで一通り知り合いには挨拶は済ませた。
後はどうやって隣街に行くのかだ。
方法としては主に三つ。自分で歩いて行くか、乗り合い馬車で行くか、護衛依頼のついでに行くかだ。
見張りや休憩の事も考えると乗り合い馬車か護衛依頼だが、乗り合い馬車はたまにしか出ていない。ここは冒険者組合で依頼を確認するのが良いかもしれない。早速冒険者組合に向かおう。
冒険者組合に入り依頼書を見るとセカの街の東に位置しているリンの街への護衛を見つけた。
幸運にも依頼者は面識のあるネルさん。これは受けるしかないだろう。
依頼書を持って受付に向かうと、ガイさんが居たので話し掛ける。
「ガイさん、この依頼お願いします」
「お、ゴートじゃねえか。最近見なかったから怪我でもしたのかと思ったぜ」
「心配かけてすみません。えっと、実はですね…」
ガイさんに暫くセカの街を離れることを説明する。今思えば初めて冒険者組合に来たときもガイさんにお世話になった。不思議な縁もあるものだ。
「そうか…。旅は良いもんだからな。存分に楽しめ!」
「はい!」
依頼の受付も済んだし、後は明日の午後に東門に集合すれば旅の始まりだ。
駆け出し荘に戻って荷物の最終確認とクリスさんへの挨拶をしなければ。
「あらゴート君、お帰りなさい」
何時もの柔和な笑顔で迎えてくれるクリスさん。少し前から近々出ていく事は伝えていたが、明日の依頼で出立することが決まったので改めて伝える。
「クリスさん、明日出発することに決まりました。今までお世話になりました」
約三年以上もお世話になった。胸に込み上げるものがある。
「あらあら、寂しくなるわねえ。若いから大丈夫だと思うけど、体には気を付けてね」
「はい。本当にありがとうございました」
部屋に戻り荷物をまとめベッドに寝転がる。
初めて泊まった日は掛布団が薄くて少し冷えたのを思い出す。
今は夏ということもあって寒くはないし、ベッドの上にマントを敷いているから体が痛くなることもない。
「遂に明日だ…」
立て掛けてある武器や防具を見る。
俺はこの三年で確実に成長した。不安がないと言えば嘘になるけど、今は高揚感や期待が勝っている。
デミの村から一歩踏み出した俺はもう一歩踏み出すのだ。
「ゴートさん、ありがとうございます!俺嬉しいです!」
予備として着ていた防具をヘイルに渡す。
まだちゃんとした防具を持っていなかったヘイルは、余程嬉しかったのか早速上着を着ている。
ヘイルに何か贈り物をしようと考えていたのだが、何が実用的かを考えたら防具が良いのではという結論になった。
というのも先日労働者で整備してもらった今使っている防具は、最近買い直したより上質の防具なのだが、予備の防具は以前使っていた仕様の防具で、旅に持っていくには流石に荷物になると思ったのだ。
「今度会うときは九級冒険者かな?怪我には気を付けてなヘイル。ファラと仲良くな」
「はい!ゴートさんも気を付けて!」
ヘイルへの挨拶を済ませホナミ孤児院を出る。
これで一通り知り合いには挨拶は済ませた。
後はどうやって隣街に行くのかだ。
方法としては主に三つ。自分で歩いて行くか、乗り合い馬車で行くか、護衛依頼のついでに行くかだ。
見張りや休憩の事も考えると乗り合い馬車か護衛依頼だが、乗り合い馬車はたまにしか出ていない。ここは冒険者組合で依頼を確認するのが良いかもしれない。早速冒険者組合に向かおう。
冒険者組合に入り依頼書を見るとセカの街の東に位置しているリンの街への護衛を見つけた。
幸運にも依頼者は面識のあるネルさん。これは受けるしかないだろう。
依頼書を持って受付に向かうと、ガイさんが居たので話し掛ける。
「ガイさん、この依頼お願いします」
「お、ゴートじゃねえか。最近見なかったから怪我でもしたのかと思ったぜ」
「心配かけてすみません。えっと、実はですね…」
ガイさんに暫くセカの街を離れることを説明する。今思えば初めて冒険者組合に来たときもガイさんにお世話になった。不思議な縁もあるものだ。
「そうか…。旅は良いもんだからな。存分に楽しめ!」
「はい!」
依頼の受付も済んだし、後は明日の午後に東門に集合すれば旅の始まりだ。
駆け出し荘に戻って荷物の最終確認とクリスさんへの挨拶をしなければ。
「あらゴート君、お帰りなさい」
何時もの柔和な笑顔で迎えてくれるクリスさん。少し前から近々出ていく事は伝えていたが、明日の依頼で出立することが決まったので改めて伝える。
「クリスさん、明日出発することに決まりました。今までお世話になりました」
約三年以上もお世話になった。胸に込み上げるものがある。
「あらあら、寂しくなるわねえ。若いから大丈夫だと思うけど、体には気を付けてね」
「はい。本当にありがとうございました」
部屋に戻り荷物をまとめベッドに寝転がる。
初めて泊まった日は掛布団が薄くて少し冷えたのを思い出す。
今は夏ということもあって寒くはないし、ベッドの上にマントを敷いているから体が痛くなることもない。
「遂に明日だ…」
立て掛けてある武器や防具を見る。
俺はこの三年で確実に成長した。不安がないと言えば嘘になるけど、今は高揚感や期待が勝っている。
デミの村から一歩踏み出した俺はもう一歩踏み出すのだ。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
弁えすぎた令嬢
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。
発端は彼女の父親が行方不明となり、叔父である父の弟が公爵邸に乗り込んで来たこと。
何故か叔父一家が公爵家の資産に手を付け散財するが、祖父に相談してもコロネに任せると言って、手を貸してくれないのだ。
そもそも父の行方不明の原因は、出奔中の母を探す為だった。その母には出奔の理由があって…………。
残された次期後継者のコロネは、借金返済の為に事業を始めるのだ。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる