その香り。その瞳。

京 みやこ

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(114)SIDE:奏太

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 斗輝は艶を増した笑みを浮かべ、優しい声で囁く。
「今日の奏太は、一段と可愛くて色っぽいな。だが、少しだけ時間をくれ。いくら分泌液でナカが潤っていても、どの程度柔らかくなっているのか確認しないと」 
 オメガは抱かれるための体になっているけれど、いきなりペニスを突っ込まれると、それなりに負担がかかる。
 まして、斗輝のペニスが完勃ち状態になると、かなり硬くて長くて大きくて太いのだ。
 当然、僕の体に負担がかかる。
 また、無理やりナカに収めると、彼にも苦痛を与えてしまう。
 
――早く抱いてほしいけど、斗輝に無理をさせるのはダメだよね……

 そのくらいの時間は仕方がないと思い、僕はコクンと頷き返した。
 斗輝は身を起こし、僕の脚の間へと移動する。
「よし、指を挿れるぞ。っと、その前に」
 クスッと笑った彼は、しっかりと勃ち上がっている僕のペニスの先端にチュッと音を立ててキスをする。
「あぅっ……」
 敏感な部分に不意打ちでキスをされ、ビクンと大きく腰が跳ねた。
 その拍子に、僕のペニスがブルンと揺れる。
「可愛い」
 そう言って、斗輝はまたペニスの先端にキスをした。
 彼のペニスに比べたら小振りだし、形もまだ子供っぽい感じ。
 だから、可愛いと言われるのも分かるけれど、今はソコに構ってほしくない。
「斗輝……、焦らさないでよ……」
 ムウッと唇を尖らせたら、「悪かった」と謝られる。
「奏太が感じていることをココが一番表しているから、つい構いたくなってな。じゃあ今から、ナカの様子を確認する」
 苦笑を零した彼は、やっと僕の脚を大きく左右に割り開き、右の中指と思われるもので後孔周辺をソッと撫で始めた。
「普段より、柔らかい気がするな」
 ポツリと呟いた彼は、続いてその指をそろりとナカに挿入する。
 慎重すぎるほどにゆっくりと入ってきた感触に、やはりじれったさを感じてしまった。
 それでも、これから先に進むのだと思ったら、僕の口から零れる呼気にもいっそうの熱がこもる。
「ん、ふ……」
 小さく鼻を鳴らして喘ぐと、斗輝がまたポソリと呟く。
「ナカも随分と柔らかいな」
 彼の声は、どこか驚いた響きがあった。
 そんな反応をする理由が、なんとなく分かる。
 いつもだと、たとえ指一本分の太さであっても、挿入される瞬間は僅かに体が強張っていた。
 分泌液がたっぷり滲み出ていても、ナカが解されない限り、斗輝の指を受け入れるのには、それなりの圧迫感がある。
 それが、今はまったくといっていいほどないだろう。それもあって、さっき、彼は驚いたと思う。
 斗輝は中指を根元まで挿入してから、ソロリと後退させた。
 続いて、人差し指を添えた二本の指をナカに埋め込んでいく。
 指一本に比べたら、さすがにきつさを感じるけれど、いつもより、内側から押し広げられる感覚がかなり薄い。
 彼は二本の指も根本まで挿入すると、二、三回前後させただけで引き抜いた。
 どうしたのかと思っていたら、ほとんど間を置かずに、三本の指がナカに入ってくる。
 二本から三本に変わる時間が、いつもに比べると、ものすごく短かった。
 三本の指もナカに収めたところで、斗輝はフッと吐息でだけで笑った。
「俺に抱かれたがっているのは、本当なんだな。こんなにも、すんなり指が入るなんて」
 そう囁く彼の声には、嬉しそうな響きがある。
 僕は頬を緩ませ、コクンと頷き返した。
「そうだよ。僕の体は、ちゃんと斗輝を受け入れようとしてるんだよ。これなら、大丈夫でしょ?」
「ああ、解す時間はほとんどいらないな。それにしても、奏太の体に、こんなにも明らかな変化が現れるとは……」
 噛み締めるように告げる彼の声は、僅かに震えている。
「斗輝、どうしたの?」
 続きをしてほしいのはやまやまだけど、彼の様子も気になった。
 声をかけると、後孔から指を引き抜いた斗輝がガバリと僕に抱き付いてくる。
「奏太、ありがとう」
 突然お礼を言われ、僕はキョトンとしてしまった。
「なにが?」
 訊き返すと、さらに強く抱き締められる。
「奏太が、心の底から俺を受け入れてくれたからだ」
「……へ?」
 言葉の意味がすんなりと頭に入っていかなくて、僕はふたたびキョトンとしてしまう。
 そんな僕の唇に、彼がフワリと触れるだけのキスをした。
「改めて、奏太を抱ける喜びを感じるよ」
 よく分からないけれど、彼が嬉しそうにしているのが嬉しい。
「斗輝に喜んでもらえて嬉しい。でも、抱いてくれたら、もっと嬉しい」
 フニャリと頬を大きく緩ませたら、ふたたび優しいキスが降ってくる。
「俺も、奏太を抱いたら、もっと幸せを味わえる」
 切れ長の目を細めて微笑んだ彼はゆっくりと身を起こし、ふたたび僕の脚の間に陣取った。
 そして、そそり勃っている太くて硬くて立派なペニスを僕の後孔にヒタリと宛がう。

――いよいよだ。

 僕はドキドキと胸を高鳴らせ、彼の様子を窺った。
 スッと視線を上げた斗輝は、僕に向けて綺麗でかっこよくて艶っぽい笑みを浮かべる。
 おかげで、さらに僕の胸が激しく高鳴る。あまりの高揚感に、ちょっと苦しささえ覚えた。
「斗輝……」
 その苦しさを幸福感に変えてくれる唯一の人の名前を呼ぶ。
 同時に、自然とせり上がってきた涙がポロリと零れた。
 彼は僅かに驚いた様子を見せたものの、僕が嬉しそうに笑っているのを目にして、さらに笑みを深める。

 次の瞬間、熱い剛直がズブリと僕の後孔に突き刺さった。

 彼のペニスは途中で止まることなく、一気に根元まで挿入される。
 さすがにほんの少しだけ圧迫感があったけれど、ビックリするくらい痛みがなかった。
 ペニスを深々と突き刺した斗輝はそこで動きを止め、僕の腰を大きな手でグッと掴む。
 そして半分ほどペニスを引き抜いたと思ったら、斗輝はガツンと勢いよく自身の腰を押し出した。
 それに合わせ、掴んでいる僕の腰を強く引き寄せる。
 突き出されるペニスと引き寄せられる腰の相乗効果で、硬く張り出している先端が最奥に叩きつけられた。
「あぁっ!」
 僕は背を反らせ、甲高い嬌声を上げる。
 ビクビクと全身が震えるのは、待ち望んでいたモノがようやく与えられた満足感からだ。
 斗輝が抽挿を繰り返すたびに、僕の胸の中で満足感が増していく。
「は、あっ、んん……」 
 僕は口角を上げながら、ユルユルと首を横に振った。
「んっ、斗輝……、気持ち、い……、あぁ……」
 うっとりとした声音で呟いたら、彼が喉の奥で低く笑う。
「満足するのは、まだ早いぞ。もっともっと、俺の愛情を感じてもらわないと」
 そう言って、斗輝が僕のナカを激しく突き上げた。
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