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悠久の王・キュリオ編2
《番外編》ホワイトデーストーリー20
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城の最上階までの広い階段を無言のまま上へ上へと移動する若い剣士。一歩上がるたびに浄化された空気はますます神聖さを増していき、まるで神の領域へと足を踏み入れた気分になるのは決して勘違いなどではない。
彼が目指す最上階には、悠久の王にして五大国第二位のキュリオとその愛娘のアオイの寝室がある。神聖さの根源は王であるキュリオから放たれているものだが、悠久の王の神髄でもある癒しと浄化の力は大地をめぐりこの悠久全体を覆いつくすほど強大なものである。
そして、天才と謳われる<大魔導師>ガーラントやアレスを除く王宮の魔術師がいくら優秀といっても、瀕死の者を完治させるまでには大抵数日を要すると言われており、それがキュリオにかかれば瞬きを二度繰り返すころには完治しているのだからどれほど偉大であるかがよくわかる。
この世界を創造したのが神だとしても、民が崇拝して止まないのはやはり絶対的な己の王だ。
その神がかりな能力もさることながら、自国の民へ平等に愛を注いできたキュリオ。即位して五百年以上、特定の人物へ好意を向けることのなかった彼が、たったひとりの存在によってその心は大きく変わっていった。他人へ執着することなどなかった王が、彼女の訪れを待っていたとばかりにその熱情を一気にアオイへと注ぎはじめたのだ。
当の彼女は与えられる愛を一身に受けて健やかに愛らしく育ったが、ここに来て溺れるほどの愛に戸惑いを見せている。人生のほとんどを城で過ごした彼女にとって、自身が目にしてきたものが当たり前だと思い込んでいたが、城の外へ出たことをきっかけに今までが特別だったのだと知ることとなったのだ。
すべてが新鮮で、新しい友人を得るなど満ち足りた学園生活を愛した彼女は悉くキュリオと対立し、ふたりの間に流れる不協和音は日を追って色濃くなっている気がする。
彼女が赤子の頃から世話係や教育係……とは名ばかりの遊び相手だったカイ。このまま城の中で変わらぬ優しい時を姫君と過ごしたいと願う反面、彼女の希望を叶えてやりたいという複雑な想いが入り乱れている。
しかし、彼の主はアオイの父であるキュリオだ。キュリオの命に背くようなことがあっては万が一にもあってはならず、姫君の従者という立場を越えた感情を抱く彼は陰ながら助けの手を差し伸べることでしか己の想いを表現する術を持たない。
重い足取りのまま階段を登りきると、迷わず姫君の部屋を目指して歩みを進める。
至る所に掲げられているキュリオの魔法と思われる灯火に炙り出された自身の影を伴って辿り着いた扉の前。目を奪われるような銀細工の美しい装飾がカイの心を引き締めにかかる。王と姫君にのみ許されたその装飾を目にするたび、身分の違いが遥か高くにあることを自覚させられる。
胸の内を吐き出すように深い呼吸を数回繰り返した後、右手を握りしめたカイは控えめなノックで愛しい姫君の返事を待つ。
――コンコンコン
「……アオイ姫様、起きていらっしゃいますか?」
「…………」
例えアオイが眠っていようとも、よほどの用事がある場合入室を許可されているカイは静かに扉を押して部屋へと足を踏み入れる。
完全に灯りが落とされた姫君の部屋では窓辺に飾られた花が爽やかな香を運んでいたが、わずかに開かれた窓の隙間からくる冷気がアオイの体に障らぬよう窓を閉めて暗幕を引く。部屋の中でこれだけ歩き回ってもアオイの声が聞こえないことから、熟睡しているであろうことがわかるが、体調の優れない今はとくに食事を抜いてしまうのはよくない。
ゆっくりと近づいた天蓋ベッドの幕を退けて中を伺うと、暗闇でもわかる蒼白い顔のアオイが静かな寝息をたてて目を閉じていた。
「……」
(こんなに調子がお悪そうなのに……それでも学園へ行きたいのですね)
――額からじんわりと広がるぬくもりにゆっくりと浮上していくアオイの意識。
「……」
アオイは暗がりの中、定まらない焦点で天井を見つめるとその視界の隅に見慣れた顔を見つけた。
「カイ……?」
「……すみませんアオイ姫様、お返事がなかったので勝手に入って来てしまいました」
「……ううん、私こそ気づかずにごめんね」
自身の額から遠のく手を見送ってから上体を起こしたアオイ。
そんな少女の背を支えながらグラスに注いだ水を手渡したカイは心配そうに顔を覗き込む。
「お気になさらずに。……間もなく夕食の時間ですが、お部屋に運びましょうか……?」
アオイの体に気遣いながら声を下げて伺いをたてる。
「うん……お願いしてもいい? ……あ、その前に湯浴みに行きたいな」
「じゃあ着替えは俺がお持ちしますので、そのまま湯殿へ向かわれてください」
「ありがとう」
「……っ!」
目と鼻の先で微笑むアオイにカイが息をのむ。
ベッドから立ち上がるアオイの手助けをしながらも、どことなく視線が落ち着かないカイはそのまま背を向けてクローゼットへと歩いて行ってしまった。
「カイ、どうしたの……? 落ち着きがないみたいだけど……」
「……いいえっ……そ、そういえば……、先ほどキュリオ様がお戻りになられたようですが、ご挨拶なさいますか?」
「……っ! 会いたくないっ……」
どことなくおかしなカイが気になったが、キュリオの名前を聞いたとたん湯殿へと走り出していたアオイはその理由を聞けず仕舞いだった。
『……アオイ姫様、お着替え置いておきますのでごゆっくりなさってくださいね』
湯殿と脱衣所を隔てた扉の向こうからカイの控えめな声が響く。
キュリオに会いたくないと口走ったからには気落ちしている原因がそこにあると気付かれてしまったかもしれない。
「……ありがとう。お父様になにか聞かれたら、私は眠ってるって伝えて」
『……かしこまりました』
カイの気配が遠ざかると、アオイは湯の中に沈んだ幻想的な光を放つ球型のオブジェを両手で包み込んだ。
(……夜が息苦しく感じる。早く朝になればいいのに……)
同じ城の最上階に部屋があるキュリオとアオイ。そのほとんどを父親の寝室で過ごすのが当たり前となっており、自分の部屋に閉じ籠ろうものならキュリオが迎えにくるのはわかっている。
「お城に居る限り逃げ場なんてない……」
アレスやカイの部屋に逃げれば罰を受けるのは彼らだ。だからこそこの部屋で籠城を決め込むしかないのだが、一体どれほどの抵抗ができるのだろう?
(鍵をかけて早めに眠ろう……そして朝早くにお城を出れば……)
手にしたオブジェをため息とともに湯へ沈めると水面下で反射したそれが湯殿の天井に光の波を映し、ここが湖の底であるかのような錯覚に陥る。
まるで魚が空に焦がれるように、外の世界へ憧れに似た恋しさがアオイの胸に広がっていく。
「そういえばシュウ……働いてるって言ってたっけ」
自立している彼ならばその経験を生かした将来像をすでに描いているかもしれない。
そう考えると、自分はなにが出来るのだろう? 学園を卒業したあとに待ち受けているのは再びこの城で過ごす……キュリオや皆の愛にあふれた毎日だ。
(こんなこと思っちゃいけない。お父様の愛が苦しいだなんて……)
やがて身を清めたアオイは寝間着に袖を通し、濡れた髪を整えながら扉を抜けて部屋に戻る。
「あ、アオイ姫様お帰りなさいませ!」
「ただいま……」
ベッドとは反対側にあたる広い空間に並べられたソファとテーブルのある場所にカイは立っていた。所狭しと置かれた料理が美味しそうに湯気を立てているが、咄嗟に気になったのは廊下に通じる扉の鍵だった。
「……? 如何なさいました?」
「ううん、なんでもない……。ね、カイも一緒に食べよう? 私ひとりじゃ食べきれないよ」
王と姫が家臣らと食事の席を共にすることは通常有り得ない。幼い頃からそうして過ごしてきたアオイとカイだが、学園へ通うようになってからはそのような垣根を壊してここでもカイやアレスと食卓を囲んでみたいと強く思うようになっていたのだ。
「……、アオイ姫様……」
”キュリオ様の意に反することだったらお助け出来ないのはわかってるよね”
思わず頬が緩んでしまいそうになるのをグッと堪えたカイが口元をキュッと引き締めて。
「……申し訳ありません。俺はもう先に頂いてしまいましたので、食べきれないときは残してくださって結構ですよ」
(……っ駄目だ、キュリオ様を裏切るわけにはっ……)
脳裏を過るアレスの忠告。愛しい姫の頼みとあらば何でも聞いてやりたいのが本音だが、王の命に背いて世話係を外されてしまったら元も子もない。
「そっか、じゃあ仕方ないね」
寂しそうに俯いてフォークを手にしたアオイの姿に胸が痛む。彼女の心を救いたいと願いながらも逆に苦しめてしまっているという自覚がカイの決意を大きく揺るがす。
「お、俺っ! ご一緒できないことは多いですけど……いつも姫様のこと想っておりますから!」
「ありがとう。私もカイのこと想ってるよ」
その言葉に顔をあげたアオイは嬉しそうに微笑んだ。
告白じみた発言にも優しく笑みを返しながら頷くアオイはきっと想い違いをしている。しかし、心の籠った言葉を交わすだけで得られる安心感というものがある。それを証拠に幼い姫の顔には柔和な表情が戻り、笑い声を聞かせてくれるようになった。
――こうして幾分気が紛れたアオイはカイとの穏やかな余韻を残しながらも扉が施錠されていることを確認し、夜は早めの眠りへとついたが……その数時間後、目の前の光景に驚愕することとなろうとは思いもしなかった――。
彼が目指す最上階には、悠久の王にして五大国第二位のキュリオとその愛娘のアオイの寝室がある。神聖さの根源は王であるキュリオから放たれているものだが、悠久の王の神髄でもある癒しと浄化の力は大地をめぐりこの悠久全体を覆いつくすほど強大なものである。
そして、天才と謳われる<大魔導師>ガーラントやアレスを除く王宮の魔術師がいくら優秀といっても、瀕死の者を完治させるまでには大抵数日を要すると言われており、それがキュリオにかかれば瞬きを二度繰り返すころには完治しているのだからどれほど偉大であるかがよくわかる。
この世界を創造したのが神だとしても、民が崇拝して止まないのはやはり絶対的な己の王だ。
その神がかりな能力もさることながら、自国の民へ平等に愛を注いできたキュリオ。即位して五百年以上、特定の人物へ好意を向けることのなかった彼が、たったひとりの存在によってその心は大きく変わっていった。他人へ執着することなどなかった王が、彼女の訪れを待っていたとばかりにその熱情を一気にアオイへと注ぎはじめたのだ。
当の彼女は与えられる愛を一身に受けて健やかに愛らしく育ったが、ここに来て溺れるほどの愛に戸惑いを見せている。人生のほとんどを城で過ごした彼女にとって、自身が目にしてきたものが当たり前だと思い込んでいたが、城の外へ出たことをきっかけに今までが特別だったのだと知ることとなったのだ。
すべてが新鮮で、新しい友人を得るなど満ち足りた学園生活を愛した彼女は悉くキュリオと対立し、ふたりの間に流れる不協和音は日を追って色濃くなっている気がする。
彼女が赤子の頃から世話係や教育係……とは名ばかりの遊び相手だったカイ。このまま城の中で変わらぬ優しい時を姫君と過ごしたいと願う反面、彼女の希望を叶えてやりたいという複雑な想いが入り乱れている。
しかし、彼の主はアオイの父であるキュリオだ。キュリオの命に背くようなことがあっては万が一にもあってはならず、姫君の従者という立場を越えた感情を抱く彼は陰ながら助けの手を差し伸べることでしか己の想いを表現する術を持たない。
重い足取りのまま階段を登りきると、迷わず姫君の部屋を目指して歩みを進める。
至る所に掲げられているキュリオの魔法と思われる灯火に炙り出された自身の影を伴って辿り着いた扉の前。目を奪われるような銀細工の美しい装飾がカイの心を引き締めにかかる。王と姫君にのみ許されたその装飾を目にするたび、身分の違いが遥か高くにあることを自覚させられる。
胸の内を吐き出すように深い呼吸を数回繰り返した後、右手を握りしめたカイは控えめなノックで愛しい姫君の返事を待つ。
――コンコンコン
「……アオイ姫様、起きていらっしゃいますか?」
「…………」
例えアオイが眠っていようとも、よほどの用事がある場合入室を許可されているカイは静かに扉を押して部屋へと足を踏み入れる。
完全に灯りが落とされた姫君の部屋では窓辺に飾られた花が爽やかな香を運んでいたが、わずかに開かれた窓の隙間からくる冷気がアオイの体に障らぬよう窓を閉めて暗幕を引く。部屋の中でこれだけ歩き回ってもアオイの声が聞こえないことから、熟睡しているであろうことがわかるが、体調の優れない今はとくに食事を抜いてしまうのはよくない。
ゆっくりと近づいた天蓋ベッドの幕を退けて中を伺うと、暗闇でもわかる蒼白い顔のアオイが静かな寝息をたてて目を閉じていた。
「……」
(こんなに調子がお悪そうなのに……それでも学園へ行きたいのですね)
――額からじんわりと広がるぬくもりにゆっくりと浮上していくアオイの意識。
「……」
アオイは暗がりの中、定まらない焦点で天井を見つめるとその視界の隅に見慣れた顔を見つけた。
「カイ……?」
「……すみませんアオイ姫様、お返事がなかったので勝手に入って来てしまいました」
「……ううん、私こそ気づかずにごめんね」
自身の額から遠のく手を見送ってから上体を起こしたアオイ。
そんな少女の背を支えながらグラスに注いだ水を手渡したカイは心配そうに顔を覗き込む。
「お気になさらずに。……間もなく夕食の時間ですが、お部屋に運びましょうか……?」
アオイの体に気遣いながら声を下げて伺いをたてる。
「うん……お願いしてもいい? ……あ、その前に湯浴みに行きたいな」
「じゃあ着替えは俺がお持ちしますので、そのまま湯殿へ向かわれてください」
「ありがとう」
「……っ!」
目と鼻の先で微笑むアオイにカイが息をのむ。
ベッドから立ち上がるアオイの手助けをしながらも、どことなく視線が落ち着かないカイはそのまま背を向けてクローゼットへと歩いて行ってしまった。
「カイ、どうしたの……? 落ち着きがないみたいだけど……」
「……いいえっ……そ、そういえば……、先ほどキュリオ様がお戻りになられたようですが、ご挨拶なさいますか?」
「……っ! 会いたくないっ……」
どことなくおかしなカイが気になったが、キュリオの名前を聞いたとたん湯殿へと走り出していたアオイはその理由を聞けず仕舞いだった。
『……アオイ姫様、お着替え置いておきますのでごゆっくりなさってくださいね』
湯殿と脱衣所を隔てた扉の向こうからカイの控えめな声が響く。
キュリオに会いたくないと口走ったからには気落ちしている原因がそこにあると気付かれてしまったかもしれない。
「……ありがとう。お父様になにか聞かれたら、私は眠ってるって伝えて」
『……かしこまりました』
カイの気配が遠ざかると、アオイは湯の中に沈んだ幻想的な光を放つ球型のオブジェを両手で包み込んだ。
(……夜が息苦しく感じる。早く朝になればいいのに……)
同じ城の最上階に部屋があるキュリオとアオイ。そのほとんどを父親の寝室で過ごすのが当たり前となっており、自分の部屋に閉じ籠ろうものならキュリオが迎えにくるのはわかっている。
「お城に居る限り逃げ場なんてない……」
アレスやカイの部屋に逃げれば罰を受けるのは彼らだ。だからこそこの部屋で籠城を決め込むしかないのだが、一体どれほどの抵抗ができるのだろう?
(鍵をかけて早めに眠ろう……そして朝早くにお城を出れば……)
手にしたオブジェをため息とともに湯へ沈めると水面下で反射したそれが湯殿の天井に光の波を映し、ここが湖の底であるかのような錯覚に陥る。
まるで魚が空に焦がれるように、外の世界へ憧れに似た恋しさがアオイの胸に広がっていく。
「そういえばシュウ……働いてるって言ってたっけ」
自立している彼ならばその経験を生かした将来像をすでに描いているかもしれない。
そう考えると、自分はなにが出来るのだろう? 学園を卒業したあとに待ち受けているのは再びこの城で過ごす……キュリオや皆の愛にあふれた毎日だ。
(こんなこと思っちゃいけない。お父様の愛が苦しいだなんて……)
やがて身を清めたアオイは寝間着に袖を通し、濡れた髪を整えながら扉を抜けて部屋に戻る。
「あ、アオイ姫様お帰りなさいませ!」
「ただいま……」
ベッドとは反対側にあたる広い空間に並べられたソファとテーブルのある場所にカイは立っていた。所狭しと置かれた料理が美味しそうに湯気を立てているが、咄嗟に気になったのは廊下に通じる扉の鍵だった。
「……? 如何なさいました?」
「ううん、なんでもない……。ね、カイも一緒に食べよう? 私ひとりじゃ食べきれないよ」
王と姫が家臣らと食事の席を共にすることは通常有り得ない。幼い頃からそうして過ごしてきたアオイとカイだが、学園へ通うようになってからはそのような垣根を壊してここでもカイやアレスと食卓を囲んでみたいと強く思うようになっていたのだ。
「……、アオイ姫様……」
”キュリオ様の意に反することだったらお助け出来ないのはわかってるよね”
思わず頬が緩んでしまいそうになるのをグッと堪えたカイが口元をキュッと引き締めて。
「……申し訳ありません。俺はもう先に頂いてしまいましたので、食べきれないときは残してくださって結構ですよ」
(……っ駄目だ、キュリオ様を裏切るわけにはっ……)
脳裏を過るアレスの忠告。愛しい姫の頼みとあらば何でも聞いてやりたいのが本音だが、王の命に背いて世話係を外されてしまったら元も子もない。
「そっか、じゃあ仕方ないね」
寂しそうに俯いてフォークを手にしたアオイの姿に胸が痛む。彼女の心を救いたいと願いながらも逆に苦しめてしまっているという自覚がカイの決意を大きく揺るがす。
「お、俺っ! ご一緒できないことは多いですけど……いつも姫様のこと想っておりますから!」
「ありがとう。私もカイのこと想ってるよ」
その言葉に顔をあげたアオイは嬉しそうに微笑んだ。
告白じみた発言にも優しく笑みを返しながら頷くアオイはきっと想い違いをしている。しかし、心の籠った言葉を交わすだけで得られる安心感というものがある。それを証拠に幼い姫の顔には柔和な表情が戻り、笑い声を聞かせてくれるようになった。
――こうして幾分気が紛れたアオイはカイとの穏やかな余韻を残しながらも扉が施錠されていることを確認し、夜は早めの眠りへとついたが……その数時間後、目の前の光景に驚愕することとなろうとは思いもしなかった――。
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