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英雄
ヒーロー
しおりを挟む俺の名前は鏡 篝。
巷では仲間殺しの英雄と呼ばれ、忌み嫌われている。
まずはその話からしよう。
かつて、この剣と魔法の世界には、大陸連合と呼ばれる連合軍が存在した。
二つある大陸のうち、一つの全土を治める大国に抗うため、もう片方の小国の国家連合が作り上げた、即席軍隊である。
だが、即席と言えど数にモノを言わせた人海戦術。
今まで平和にやってきて、軍隊はあれども治安整備が通常業務の大国。適わなかった。
侵略が開始されて三ヶ月で領土の五分の一が攻略され、大国の貴族らは慌てた。
誰か、あいつらを追い払える者はいないのかと。
だが一向に好転しないまま、五分の二を失ったところで、俺は戦地に向かった。
俺は、鏡篝。そして、その大国の第十八皇子である。
今のところ王位継承権争いは最下位で、周りの皆に疎まれて暮らしていた。ギリギリ宮殿内という庭の端の離れでほぼ自給自足の生活を送っていた。
つまり、厄介者払いのようにせめてもの捨て駒とされた。
しかしながら誰も予想しなかったことが起きた。
俺自身、知らなかったことだった。
自分に、『人の真意を知る』力があるなんて。
それまでにも心当たりがあると言えばあった。但しそれはあからさまなもの。
「皇子、庭仕事なんて精が出るね」
その裏が『ったく、泥だらけになって汚らわしい』だというのは能力がなくてもわかることだ。
それにそもそもの人と関わる機会が少なかった俺はいつからこの能力が使えたのかわからない。
わかってもどうしようもないことだけれど。
とにもかくにも、俺は、戦闘中にそのことに気づき、咄嗟の判断でそれを活用してきた。
視界にない奴らでも、思っていることが筒抜けなら攻撃を防ぐことは容易い。
そうして俺は戦果を上げ、帰国した時国王もろとも貴族どもを血祭りにした。
なぜ?
それは、謁見の間に入る前から聞こえてきたのだ。
『暗殺は成功するだろうか……』
『あの忌み子がどうしてこれほど……まあいい、今日で終わりだ』
そんなクソみたいな思考。
一つため息をついた俺は決意した。
てめえら全員殺してやんよ。
それで、俺を殺すなんて100年早いってこと教えてやる。
有言実行が俺の座右の銘だ。
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