追放されたクズ勇者の死に戻り ~「オマエはクビだ」からやり直したオレは、破滅フラグを折りまくる~

テツみン

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第二話 クズ勇者、旅に出る

その五

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「ばあさん、もう大丈夫だ。ゴブリンは退治したぞ」

 すると、老婆は目を丸くする。

「えっ? もうかい? あんたらスゴいねえ!」と感心していた。
 なあに、悪を憎む正義の心が勝利したまでだ。

「ばあさん、頼みがあるのだけど、これを洗ってもらえるかな?」
 そう言って、フィルの下着を彼女に渡す。
 ゴブリンが顔に押し付けたときに、ヤツの鼻水が付いてしまっていた。その白濁のドロドロした液体がフィルの下着についているだけで興奮――じゃなくて、イヤな気持ちになる。

「ああ、そのくらいやってやるよ。それと夕飯の支度ができたから、お嬢さんも呼んできな」

 ゴブリンが退治されたことで安心したのか、老婆の機嫌がイイ。こんなに愛想のイイ人物だったのか?

 オレとマルタは使わしてもらっている部屋へ向かう。フィルを呼びに行くためもあったが、自分たちも着替える必要がある。ドアとたたく。

「フィル? 入っていいか?」

「はい、どうぞ」そういう声が聞こえたので、ドアを開けた。
「ゴブリンはおかげさまで退治できたぞ。借りていたモノはばあさんが洗って――って、ええっ!」
「うわっ!」

オレとマルタはビックリして叫んでしまう。
「どうしたのですか?」と、フィルは平然と言うのだが――

「どうしたじゃない! ど、どうして、ハ、ハダカなんだよ!」

 そう、フィルはハダカでいたのだ!
 オレとマルタは急いで、回れ右をした。

「はあ――せっかく下着まで脱いだので、カラダを拭こうと思いまして――」

 そうか、それじゃ仕方ない――じゃない!

「なら、何で『どうぞ』なんて言うんだよ!」
「――あっ。そうですね、はしたなかったですね。私、いつも使用人がカラダを拭いてくださるので、誰かにハダカを見られることがふつうというか――」

 いやいや、使用人って女性だよね!?

「オレたち、オトコだぞ!?」
「そんな……グエル様は婚約者ですから――」
 なぜか、今になって頬を赤くする。

「モ・ト・な! 『元』! そもそも、婚約者だからってダメだろ!」
「そうなんですか? 私はいっこうに構わないですが――」

 そうなのか? いや、構えよ!

「それにマルタもいるだろ!」
「マルタさんは、なんでしょう――異性という気がしなくて――」

 がーん! という音がとなりから聞こえた気がした。振り向くとマルタがショックを受けている。オレから『クビだ』と言われた時でも、そこまで落ち込んでなかったよな?
 オレは無言で肩をたたいてやった。マルタ、強く生きろよ。
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