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第二話 クズ勇者、旅に出る
その十二
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昼食休憩後、一時間ほど下り、再び上りに差し掛かったところ、オレは人の気配を感じた。しかも、かなりの人数。街道から外れた、森の中からだ。
「これは――いるな」
この山道は王都と聖教国を結ぶ最短の経路となる。そのため、険しい道でも行き交う人が多い。そして、物資も――だ。
当然、それを狙う賊も潜んでいる。
オレは、フィルとマルタに「気をつけろ」と声をかけ、アスワンのところへ行くと伝えた。その時――
「ぴーっ!」後方から笛が鳴る。前方からアスワンが大きなオナカを揺らしながらこちらに向かってくるのが見えた。
「今の笛は何だ?」オレが質問すると――
「賊が潜んでいるという知らせだ。キミたちも気をつけんだ」
ほう――とオレは感心する。
二十人以上の大きなキャラバンだが、しっかりと統率が取れていて、危機管理もしっかりしている。
しかし、そもそも、戦闘職がいないのに、どうやって対処するつもりだ? 『運び屋には運び屋の戦い方がある』と言っていたが――
こちらが警戒している――とわかれば、賊もあきらめる場合もあるのだが、どうやら今回はそういうわけにいかないようだ。気配がなくなるどころか、確実に増えている。
「狙いは、間違いなくこのキャラバンだな」
おそらく、事前に情報があり、前々からこのキャラバンを襲う計画をしていたのだろう。だとすれば、ちょっと厄介だ。
相手は賊でも、それなりに組織的な動きをしてくるに違いない。
すると、アスワンはキャラバンの動きを止めて、できるだけひと塊になるよう指示をした。この場所で、迎え撃つつもりのようだ。
数人の運び屋が、マルタと同じようなリュックから黒く丸いモノを取り出し、辺りにばら撒いた。
「なにをしているんだ?」オレがたずねると、アスワンは「まあ、見てなさい」とほほ笑む。
「よし! 今だ! 火を付けろ!」
すると、運び屋たちがいつの間にか手にしていた火種をばら撒いていた黒く丸いモノに向かって投げつける。
バ、バ、バ、バ――!!
火種が地面に着地したと思ったら、激しく鳴り響いた!
「うわっ! なんだぁ!?」
「きゃあ!」
さすがに驚く。しかし、驚いたのはオレたちだけではない。
「「「「うわっ! アチチッ!」」」」
そんな、悲鳴をあげながら、茂みに隠れていた男たちが、慌てて出てくる。中には服が燃え、火傷をしている者も――
「仕方ない! やっちまえ!」
周りを囲んでから、一斉に襲いかかろうと考えていたのだろう。
だが、想定外に相手が先制攻撃を仕掛けてきたので、そのまま向かってきた。
「ロープを引き上げろ!」またアスワンが号令を出すと、いつの間にか仕掛けられていたロープがピンと張られる。
「うわっ!」
勢いよく、飛び出してきたので、ロープにつまずき、賊が次々と転倒した。
キャラバンのクルーは手にした槍で、倒れて無防備な相手を突き刺す。「うわっ!」という悲鳴が――いくら、非戦闘員でも、倒れている敵なら簡単に槍で突き刺すことができた。
「スゴい。運び屋だからこんなことができるんだ」
そんなことをマルタが言う。どういうことだ?
「運び屋は無限収納のカバンを持っている。そして、自分がほしいモノをカバンから想像しただけで取り出せるんだよ」
黒い球は火薬なのだと、マルタは説明する。
火薬、ロープ、そして槍――次々と取り出せるからこんな戦い方ができると、マルタが感心していた。
言われればそのとおりだ。無限収納のカバンやリュックになんでも入れておき、必要な時にさっと取り出す。戦闘職ではさすがにマネできない。
もちろん、それだけでない。『緊急時に、何を準備し、どう使うか?』そういった訓練を何度もやってきたのだろう。見事な連携だ。
なるほど、これがアスワンの言っていた、『運び屋の戦い方』なんだな――
「これは――いるな」
この山道は王都と聖教国を結ぶ最短の経路となる。そのため、険しい道でも行き交う人が多い。そして、物資も――だ。
当然、それを狙う賊も潜んでいる。
オレは、フィルとマルタに「気をつけろ」と声をかけ、アスワンのところへ行くと伝えた。その時――
「ぴーっ!」後方から笛が鳴る。前方からアスワンが大きなオナカを揺らしながらこちらに向かってくるのが見えた。
「今の笛は何だ?」オレが質問すると――
「賊が潜んでいるという知らせだ。キミたちも気をつけんだ」
ほう――とオレは感心する。
二十人以上の大きなキャラバンだが、しっかりと統率が取れていて、危機管理もしっかりしている。
しかし、そもそも、戦闘職がいないのに、どうやって対処するつもりだ? 『運び屋には運び屋の戦い方がある』と言っていたが――
こちらが警戒している――とわかれば、賊もあきらめる場合もあるのだが、どうやら今回はそういうわけにいかないようだ。気配がなくなるどころか、確実に増えている。
「狙いは、間違いなくこのキャラバンだな」
おそらく、事前に情報があり、前々からこのキャラバンを襲う計画をしていたのだろう。だとすれば、ちょっと厄介だ。
相手は賊でも、それなりに組織的な動きをしてくるに違いない。
すると、アスワンはキャラバンの動きを止めて、できるだけひと塊になるよう指示をした。この場所で、迎え撃つつもりのようだ。
数人の運び屋が、マルタと同じようなリュックから黒く丸いモノを取り出し、辺りにばら撒いた。
「なにをしているんだ?」オレがたずねると、アスワンは「まあ、見てなさい」とほほ笑む。
「よし! 今だ! 火を付けろ!」
すると、運び屋たちがいつの間にか手にしていた火種をばら撒いていた黒く丸いモノに向かって投げつける。
バ、バ、バ、バ――!!
火種が地面に着地したと思ったら、激しく鳴り響いた!
「うわっ! なんだぁ!?」
「きゃあ!」
さすがに驚く。しかし、驚いたのはオレたちだけではない。
「「「「うわっ! アチチッ!」」」」
そんな、悲鳴をあげながら、茂みに隠れていた男たちが、慌てて出てくる。中には服が燃え、火傷をしている者も――
「仕方ない! やっちまえ!」
周りを囲んでから、一斉に襲いかかろうと考えていたのだろう。
だが、想定外に相手が先制攻撃を仕掛けてきたので、そのまま向かってきた。
「ロープを引き上げろ!」またアスワンが号令を出すと、いつの間にか仕掛けられていたロープがピンと張られる。
「うわっ!」
勢いよく、飛び出してきたので、ロープにつまずき、賊が次々と転倒した。
キャラバンのクルーは手にした槍で、倒れて無防備な相手を突き刺す。「うわっ!」という悲鳴が――いくら、非戦闘員でも、倒れている敵なら簡単に槍で突き刺すことができた。
「スゴい。運び屋だからこんなことができるんだ」
そんなことをマルタが言う。どういうことだ?
「運び屋は無限収納のカバンを持っている。そして、自分がほしいモノをカバンから想像しただけで取り出せるんだよ」
黒い球は火薬なのだと、マルタは説明する。
火薬、ロープ、そして槍――次々と取り出せるからこんな戦い方ができると、マルタが感心していた。
言われればそのとおりだ。無限収納のカバンやリュックになんでも入れておき、必要な時にさっと取り出す。戦闘職ではさすがにマネできない。
もちろん、それだけでない。『緊急時に、何を準備し、どう使うか?』そういった訓練を何度もやってきたのだろう。見事な連携だ。
なるほど、これがアスワンの言っていた、『運び屋の戦い方』なんだな――
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