追放されたクズ勇者の死に戻り ~「オマエはクビだ」からやり直したオレは、破滅フラグを折りまくる~

テツみン

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第二話 クズ勇者、旅に出る

その二十二

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――えっ? 何を言っている?

「私は、女神アスタリアから『先読み』のスキルをいただいているのだよ」

 それって、つまり――

「未来予知――ということか?」

 ナタリアはクスッと笑うと、話を続ける。

「未来予知というほど、たいしたモノではない。相手の顔を見ると、その人物がこの先、どんな未来が待っているのか? 大まかなことが見える程度なのだがね」

 彼女は、その能力を持ってしまったことによって、年少時代は一般人から遠ざけられ、教会関係のエライ人以外と会話することはなかったらしい。
 まあ、そんな能力が外に知れたら、それを悪用しようとする人物が現れて危険だということもわかる。
 しかし、このひねくれた性格は、そういった特殊な環境で育ったせいなのだろうな……

「ある人物が、この能力のことを『フラグを見る』と言っていたよ。なかなか、言い得て妙だ」

 その人物の未来を記したフラグが頭に立っている――彼女の能力はそのフラグを見ているのだと言ったらしい。
 ヘンなことを言う人もいるもんだ。

「キサマもなんらかの理由で、未来を知ってしまった。だから、破滅を回避するため、勇者であることを捨てた。違うか?」

 そこまで言い当てられるとはな。だからといって、認める必要もない。自分が『死に戻り』だと応えたら、いろいろ話さなければならない。
 当然、マルタの『闇堕ち』も――それで、オレたちの行動が制限されたくないからな。

「さて、どうだろうね」とオレはハッキリ答えなかった。

「ふん、まあイイ。それで結果から言うと、キサマが考えているとおり、『勇者』となる者は破滅が待っているようだ。アレンとか言ったか? あの者に破滅の未来が見えた」

 やはり、そうか。まあ、それは仕方ない。アレンはそれを選んだんだ。オレが気に病むことではない。ん? 待てよ――

「もしかして、大司教はそれをアレンに伝えただけ――だったのか?」
「ああ、そうだ。あの者に『キサマは破滅する』そう伝えたら、いきなり殴りかかって来たんだ」

 オレは頭を抱えた。そういえば、前の人生でも、オレはこの人物に同じことを言われ、頭に血が上ったんだっけな。そりゃあ、いきなり面と向かって『オマエは破滅だ』と言われれば、誰だって怒るし……それなら、もう少し、言い方というモノがあるだろう?

「言い方? どう言っても、破滅することに変わりない」

 ああ、なんとなくわかった。コイツは性格がひねくれているんじゃない。相手への伝え方がヘタなだけだ。そう思うと、なんとなくカワイイ気がしてきた。

「おい? 何をヘラヘラしているんだ? 気持ち悪いぞ」

 ナタリアに言われて、自分の顔が緩んでいたのに気づく。

「い、いや、別に――てか、気持ち悪いとか言うな」
「まあ、そんなのはどうでもイイが」

 あ、そう。ならスルーしろよ。
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