追放されたクズ勇者の死に戻り ~「オマエはクビだ」からやり直したオレは、破滅フラグを折りまくる~

テツみン

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第三話 クズ勇者、ダンジョンへ行く

その一

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 いったい、どういうことだ? オレは勇者になったんだぞ?

 三日前、冒険者ギルドマスター、マコーミックにオレは突然呼ばれた。

「グエルをクビにした。今日からオマエが勇者だ。アレン・ブラフォード」

 名門、ブラフォード家の次男に生まれ、王国将軍、ジョージ・ブラフォード侯爵の血を受け継ぎ、秀でた剣技を身につけた。
 出場した少年クラスの剣術大会は全て優勝。兄、レオンをしのぐ期待を受けて、オレは王国学校へ進学した。当然、剣士クラスでは、誰にも寄せ付けない成績を残すはずだった。
 だが、最初の模擬戦でオレは人生初めての敗北を経験することになる。

 相手の名前はグエル・モリタ。辺境からやってきた田舎者にオレは負けた。

 戦いに不確定要素はつきもの。ゆえに、実力通りに決着しないこともある――そう、周りはオレをかばった。だからといって、オレが負けるなど許しがたいことだ。きっとヤツは、グエル・モリタは何かしらズルをして、オレに勝ったのだろう。いろいろ、調べたが結局、どういうズルをしていたのかわからなかったが――

 学校を卒業し、オレは父や兄たちが所属する、王立騎士団へ入団する予定だった。グエルのクソ野郎も騎士団に誘われていると聞いてイラついたのだが、それなら、入団後に決着をつけてやるつもりだった。
 だが、こともあろうにグエルは騎士団の誘いを断り、冒険者ギルドに所属したと知らされる。オレは激怒した。

 オレから逃げた――当然、そう思った。だから、オレも騎士団に入らず、冒険者となった。同じ立場で堂々とヤツとの実力の差を見せつけるためだ。

 一年後、勇者選別の剣術大会にグエルも出場すると聞いて、オレも出場を即決する。今度こそ、ヤツと決着をつける時がきた――

 おそらく、ヤツはなにかしらズルをしてくると考えたオレは、ブラフォード家に伝わる宝剣、シルフィードを持ち出した。
 風属性を有するこの剣は、振ると、剣先より風魔法、ウインドカッターが飛び出す。魔法使用が禁止されている剣術大会だったが、グエルもなにかしらズルをしているのだから、それに対応したまでだ。
 そして決勝はやはりグエルとだった。オレはシルフィードを使い、ヤツを追い詰めたのだが、一瞬の不意を突かれて、負けてしまう。

 あんな卑怯者に勇者の称号を与えるなど、王国貴族の恥。オレは、再戦を要求したが、国王陛下は認めてくださらなかった。
 残念だ。三カ月後、グエルと王女、フィリシア殿下との婚約が発表された。おそらく、グエルはなんらかの手で殿下をたぶらかし、勇者だけでなく、王位まで手に入れようとしている。

 ゆるせない。これはもはや王国貴族としての沽券こけんに関わることだ。ヤツを勇者から引きずり下ろすため、オレは再戦の機会をうかがっていた。

 なのに突然、グエルは失脚し、オレに勇者の権利が回ってきたのだ。ヤツを今度こそ打ちのめす――という、目的は果たせなかったが、まずはオレが勇者に相応しいというところを見せつけなければならない。
 オレは魔王討伐のために必要な三種の神器のひとつ、神書アスタリアズノートを手に入れるため、ガルチ聖教国へ旅立った。

 ファーナンド遺跡を攻略し、オレは名実ともに勇者となるのだ!

 なのに、なぜだ?
 どうして、このオレがこんな屈辱的な目に遭わなければならないんだ?
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