追放されたクズ勇者の死に戻り ~「オマエはクビだ」からやり直したオレは、破滅フラグを折りまくる~

テツみン

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第三話 クズ勇者、ダンジョンへ行く

その二十

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 こうして、新たに最強最悪のアンデット、リッチまでが仲間に加わり、オレたちは最下層へ向かった。

 敵となるアンデットの強さは階層が深くなるにつれ、格段に上がっていく。それでも、最強のアンデット、リッチがいるのでたいした障害ではない。

 そして、サリアの妹、ミリアも暗殺者(アサシン)のスキルを持ちで、なかなかの攻撃力だったのは驚いた。俊敏性はオレやマルタ以上で、『隠行』という武技も持っている。敵に気づかれないまま背後に回り込んで、倒してしまう必殺技だ。なんとかという大盗賊の一番弟子という触れ込みはウソではないらしい。ロゼルを背負っていたオレが戦いに参加するまでもなかった。

 途中に複数のトラップも現れる。それも、シーフのサリアが先に察知して、難なく解除してしまう。

 こうして、あっという間に人類が誰も足を踏み入れたことのない十階層にオレたちは侵入していた。あれ? 行き当たりばったりで集まったパーティだけど、案外、最強じゃね?

「この先が『王の間』になるよ」
 マルタがそう説明する。

 古文書を解読し、十階層の間取り図を調査してくれていたのだ。
 多少、間違いはあったモノの、ほとんど迷うことなく、神書があると思われる『王の間』までたどり着けたのはマルタのおかげだ。

『王の間』、つまり古代人の王が眠る場所。おそらく、それだけ強力な敵が現れるのだろうが、こっちにはリッチがいるし、まあ、大丈夫だろう――

 通路を進むと突然、何もない空間にオレは遮られ前に進めなくなる。
「ぶべっ――な、なんだ? これは?」

 すると、「なんじゃ? 前に進むことができん」とリッチも文句を言っている。

「どうしたの?」と先を行っていたマルタやサリア、ミリアが戻ってくる。

「オレたち、ココより先に進めないんだ」
 そう、説明すると、フィルが辺りの気配を確認する。

「これは、ある種の結界が貼られているようです」

 結界?

「はい、魔族など、闇属性を持つ者がこのエリアに入れないようになっているようですね」

 なるほど、そうやって魔族からココを守っていたのか――アンデットである、リッチも闇属性のため、結界の中に入れないらしい。そして、魔法毒に犯されたロゼルを背負ったオレも入れないでいたのだ。
「そんなの、妾が破壊してやろうぞ!」

 そう言って、杖を結界に向ける。

「うわっ! バカ! やめろ!」

 オレがそう叫んだのだが、間に合わず、リッチは電撃を結界に向けて放った。

 バ、ババッ!

 激しい、光が飛び散ると、電撃が結界に跳ね返されて、リッチを襲う。

「うぎゃぁ!」

 リッチが、ヘンな悲鳴をあげてあお向けに倒れた。電撃はそのまま後方の壁にぶち当たり、グシャーン! という大きな音を立てて、壁の石材を破壊する。

「おい! リッチ、大丈夫か!?」

 ……ん? 待てよ。このまま、リッチが消滅してくれれば、オレにとってはバンバンザイでは?

「お、おどろいたぞ」

 リッチは、頭を振って立ち上がった。チクショー。ダメだったが――

「ん? おい、グエル。なんか悔しそうな顔をしているのはなぜじゃ?」

 そうリッチに言われ、「何を言っている? オマエを心配した顔だろ?」と誤魔化した。

「しかたない。リッチはココで待っているんだな。あと、ロゼルもココにいてもらおう」

 ロゼルの看病のためフィルも残ることにする。
 こうして、『王の間』に入るのはオレとマルタ、そしてサリアとミリアの四人になった。
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