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第四話 クズ勇者、捕まる
その十三
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「はっ!」
目を覚ましたら、オレはベッドの中にいた。真っ白な天井に壁。たしかココは――
「お目覚めになられましたか? グエル様」
声の聞こえた方向を見る。ライトブルーのドレスを纏った金髪の美少女、フィルが隣に座っていた。いや、今はもうフィリシアか――そう、ココは王宮の中だ。
「オレはどうして、ココに?」
「がれきの中にグエル様たちが倒れていましたので、エオリアたちがここまで運んでくれたのです」
エオリア――ああ、あの無愛想な女騎士団長か。
「他のみんなは?」
「全員、無事ですよ。アレンも含めて――」
ケガをしていた者もすでに治療を終えたらしい。一番、酷いケガだったオレだけがなかなか意識が戻らず、フィリシアがずっと看病してくれていたようだ。
「あばら骨がいくつも折れていて、肺や内臓に突き刺さっていました。生きているのが奇跡だと医者は言っていましたよ。いったい、どんな敵と戦っていたのですか?」
そう言われて、オレは苦笑いする。そのケガの大半は敵じゃなく、衛兵本部でアレンから受けたモノなんだよな――
「敵か――そうだ! 敵は? 仮面の人物は?」
「仮面の人物?」
「黒ローブを着て、ドクロの仮面を被った人物だよ。それと、金色の刺繍がある紺のジャケットをきた男」
フィリシアは「そのような人は見かけませんでした」と応えた。
そうか、逃げられたか――いや、逃げたんじゃない。オレたちを見逃してくれた――が正しい。
仮面の人物――男だと思うが、オレより背が低く華奢だった。なのに、あの魔力量――尋常でない魔力は恐怖でしかない。
あの人物が本気になれば、王都にいた全員が、数分で死んでいたはずだ。
アレは、魔族なのだろうか? だとしたら、魔族と戦おうとするなんて、無謀もイイところだ。勇者の出現なんて期待せず、すぐにでも命乞いし、魔族の軍門に下ったほうがイイ――そう本気で考えてしまう。
「そうですか。グエル様たちはそのような強敵と戦っていたのですね。ですが、全員生き残れました。グエル様のおかげです」
フィリシアはそうほめるのだが、とても、そんな気分ではない。
「それに、犠牲は出た。ハクヒがやられた」
古代人の魔女が不死となり、最恐のアンデットとなったリッチ。そのハクヒが、あの仮面の人物にまったく歯が立たず、肉片となってしまった。オレたちに関わらなければ、こんなことにならなかっただろうに――申し訳なく思う。
「何を言う? 妾はこのとおり、ピンピンしておるぞ?」
「――えっ?」
いつの間にか、フィリシアのとなりにいた、緋袴の幼女がオレを見上げている。
「妾は不死じゃ。知っておるじゃろう?」
まあ、言われればそうだった。なんか、損した気分だ。
「肉片が回収できず、不足したので、数キロほど生肉を補充したがの」
「ハ、ハ、ハ――」とオレはチカラなく笑った。
目を覚ましたら、オレはベッドの中にいた。真っ白な天井に壁。たしかココは――
「お目覚めになられましたか? グエル様」
声の聞こえた方向を見る。ライトブルーのドレスを纏った金髪の美少女、フィルが隣に座っていた。いや、今はもうフィリシアか――そう、ココは王宮の中だ。
「オレはどうして、ココに?」
「がれきの中にグエル様たちが倒れていましたので、エオリアたちがここまで運んでくれたのです」
エオリア――ああ、あの無愛想な女騎士団長か。
「他のみんなは?」
「全員、無事ですよ。アレンも含めて――」
ケガをしていた者もすでに治療を終えたらしい。一番、酷いケガだったオレだけがなかなか意識が戻らず、フィリシアがずっと看病してくれていたようだ。
「あばら骨がいくつも折れていて、肺や内臓に突き刺さっていました。生きているのが奇跡だと医者は言っていましたよ。いったい、どんな敵と戦っていたのですか?」
そう言われて、オレは苦笑いする。そのケガの大半は敵じゃなく、衛兵本部でアレンから受けたモノなんだよな――
「敵か――そうだ! 敵は? 仮面の人物は?」
「仮面の人物?」
「黒ローブを着て、ドクロの仮面を被った人物だよ。それと、金色の刺繍がある紺のジャケットをきた男」
フィリシアは「そのような人は見かけませんでした」と応えた。
そうか、逃げられたか――いや、逃げたんじゃない。オレたちを見逃してくれた――が正しい。
仮面の人物――男だと思うが、オレより背が低く華奢だった。なのに、あの魔力量――尋常でない魔力は恐怖でしかない。
あの人物が本気になれば、王都にいた全員が、数分で死んでいたはずだ。
アレは、魔族なのだろうか? だとしたら、魔族と戦おうとするなんて、無謀もイイところだ。勇者の出現なんて期待せず、すぐにでも命乞いし、魔族の軍門に下ったほうがイイ――そう本気で考えてしまう。
「そうですか。グエル様たちはそのような強敵と戦っていたのですね。ですが、全員生き残れました。グエル様のおかげです」
フィリシアはそうほめるのだが、とても、そんな気分ではない。
「それに、犠牲は出た。ハクヒがやられた」
古代人の魔女が不死となり、最恐のアンデットとなったリッチ。そのハクヒが、あの仮面の人物にまったく歯が立たず、肉片となってしまった。オレたちに関わらなければ、こんなことにならなかっただろうに――申し訳なく思う。
「何を言う? 妾はこのとおり、ピンピンしておるぞ?」
「――えっ?」
いつの間にか、フィリシアのとなりにいた、緋袴の幼女がオレを見上げている。
「妾は不死じゃ。知っておるじゃろう?」
まあ、言われればそうだった。なんか、損した気分だ。
「肉片が回収できず、不足したので、数キロほど生肉を補充したがの」
「ハ、ハ、ハ――」とオレはチカラなく笑った。
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