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第四話 クズ勇者、捕まる
その十二
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いつの間にか、クリネロの後方にいたハクヒ――元リッチで、緋袴姿の幼女が黒い鎖を放つ。それがクリネロのカラダに纏わりついた!
「な、なんだ? 身動きができない」
「ムリじゃ! その鎖は闇属性の魔力が何重にも編み込まれている。いくら魔族でも、この鎖からは逃れない」
やっと捕まえられたとホッとした顔をみせるハクヒ。この魔族がなかなか同じ場所に留まることをしないから、捕まえきれなかったらしい。
実を言うと、クリネロが自慢げに語っている時に、ハクヒがこっそり近づこうしているのが見えた。なので、こちらに注意を引き付けようと思って、話を長引かせてみたんだけど――まあ、こんなにウマくいくとは思わなかった。
「グエルのおかげじゃ。礼を言うぞ」
「くっ――なんという不覚。この私が、こんなことで――」
そう、クリネロは悔しがっている。
「もう、遅いわ!」
ハクヒがクリネロを縛った黒い鎖を通して、電撃を加える。魔族はなさけない悲鳴をあげ、そのまま魔族は気を失い、がれきの上に横たわった。
「グエル!」
身動きができるようになった二グレアがオレのところへ駆け寄る。クローゼも立ち上がった。どうやら、無事なようだ。
「二人とも、来てくれてありがとうな! おかげで、コイツを捕まえることができた」
礼を言うと、「別に、グエルを助けたわけではないからね! 勇者パーティの責任として、アレンの暴走を止めただけよ」とニグレア。
こういうときの彼女は本当にカワイイ。
クローゼはいつのように無愛想だ。
「それより、このコは誰よ」とハクヒを指差されたが、面倒なのであとにする。
「さあて、最後のトドメといくか」
そう言って、クサナギを構えた。
「おおう。ひと思いにやるのじゃ!」とハクヒはオレの前に立って、両手を広げる。
「それじゃ、遠慮なく」と、クサナギでハクヒを斬りつけた!
「えっ! 何をしてるの!? このコは味方じゃないの?」
「ああそうだよ。だけど、コイツのカラダは借り物だから、斬っても痛みは感じないそうだ。そして、カラダの組織には魔法毒が含まれていて、こうしてクサナギに付着させることで、刃に魔法毒を纏うことができるのさ」
魔族に致命傷を負わせることは難しいが、魔法毒はその少ない方法である。それも、魔族にキズを追わせられるクサナギがあってのこと。
「これで、やっと復讐できる――」
前の人生で、この魔族の声を聞き、魔人化されたオレは女、子供まで殺しまくるという過ちを犯してしまった。まあ、『死に戻り』でそれはなかったことになっているが――オレの破滅を決定づけられた出来事だった。いや、もしかしたら、もっと前から、クリネロに仕組まれていたのかもしれない。
オレはクサナギを振り上げ、今までの思いを乗せて、振り下ろす。
ガシッ!
「――えっ?」
オレとクリネロの間に突然、黒ローブの人物が現れ、クサナギを手にしたオレの両腕を左手だけで受け止めた。その人物は右手をオレに向けると、そこから飛び出した『何か』でオレのムネが斬られる。
「ウファァァァッ!」
風属性の魔法だろうか?
空気のナイフが何度もオレのカラダを切り刻んだ!
オレはその勢いで、後方に倒れる。
「うおぉぉっ!」
クローゼがアイギスを構え、黒ローブの人物に体当たりを試みたが、やはり右腕一本で受け止めると、今度はクローゼを吹き飛ばす。身長二メートル近い大男が数十メートルほど飛んで行ってしまった!
「な、なに?」
混乱していたニグレアがやっと杖をその人物に向ける。だが、その前に黒ローブの人物は左手を彼女に向けると、そのままニグレアは気を失い、その場に倒れた。
「ニグレア……くそ……」
何をされたのかさえわからない。ただ、相手の魔力とスキルが圧倒的とだけ理解できる。オレは黒ローブの人物と目が合あった――いや、それは間違えだ。その人物は仮面を被っていたからだ。ドクロの仮面を――オレは、この仮面を知っている。前の人生で、最後に出会った人物。そして、オレを殺した人物――
「マルタ――?」
そう、前の人生でドクロの仮面を被った人物はマルタだった。オレは後方を振り向く。そこに恐怖の表情を浮かべたマルタがいた。
「それじゃ、オマエは誰だ?」
その人物はなにも応えない。一歩一歩、確実にオレの前に歩み寄ってきた。とても勝ち目はない。格が違いすぎる。オレは死を覚悟した――
「グエル! 逃げるのじゃ! コヤツは――」
ハクヒが小さな手を伸ばして、仮面の人物に電撃を食らわす。しかし、まったくダメージを食らっていない。今度は仮面の人物がハクヒに向けて手を上げる。
バーン!
ハクヒのカラダが肉片となって飛び散った!
一瞬のことで、今のが魔法なのかどうかさえわからない。とにかく、最恐のアンデットであるリッチが、仮面の人物の前では無力だった。
ダメだ……こんなヤツに人類が勝てるわけない――オレはそのまま気を失った。
「な、なんだ? 身動きができない」
「ムリじゃ! その鎖は闇属性の魔力が何重にも編み込まれている。いくら魔族でも、この鎖からは逃れない」
やっと捕まえられたとホッとした顔をみせるハクヒ。この魔族がなかなか同じ場所に留まることをしないから、捕まえきれなかったらしい。
実を言うと、クリネロが自慢げに語っている時に、ハクヒがこっそり近づこうしているのが見えた。なので、こちらに注意を引き付けようと思って、話を長引かせてみたんだけど――まあ、こんなにウマくいくとは思わなかった。
「グエルのおかげじゃ。礼を言うぞ」
「くっ――なんという不覚。この私が、こんなことで――」
そう、クリネロは悔しがっている。
「もう、遅いわ!」
ハクヒがクリネロを縛った黒い鎖を通して、電撃を加える。魔族はなさけない悲鳴をあげ、そのまま魔族は気を失い、がれきの上に横たわった。
「グエル!」
身動きができるようになった二グレアがオレのところへ駆け寄る。クローゼも立ち上がった。どうやら、無事なようだ。
「二人とも、来てくれてありがとうな! おかげで、コイツを捕まえることができた」
礼を言うと、「別に、グエルを助けたわけではないからね! 勇者パーティの責任として、アレンの暴走を止めただけよ」とニグレア。
こういうときの彼女は本当にカワイイ。
クローゼはいつのように無愛想だ。
「それより、このコは誰よ」とハクヒを指差されたが、面倒なのであとにする。
「さあて、最後のトドメといくか」
そう言って、クサナギを構えた。
「おおう。ひと思いにやるのじゃ!」とハクヒはオレの前に立って、両手を広げる。
「それじゃ、遠慮なく」と、クサナギでハクヒを斬りつけた!
「えっ! 何をしてるの!? このコは味方じゃないの?」
「ああそうだよ。だけど、コイツのカラダは借り物だから、斬っても痛みは感じないそうだ。そして、カラダの組織には魔法毒が含まれていて、こうしてクサナギに付着させることで、刃に魔法毒を纏うことができるのさ」
魔族に致命傷を負わせることは難しいが、魔法毒はその少ない方法である。それも、魔族にキズを追わせられるクサナギがあってのこと。
「これで、やっと復讐できる――」
前の人生で、この魔族の声を聞き、魔人化されたオレは女、子供まで殺しまくるという過ちを犯してしまった。まあ、『死に戻り』でそれはなかったことになっているが――オレの破滅を決定づけられた出来事だった。いや、もしかしたら、もっと前から、クリネロに仕組まれていたのかもしれない。
オレはクサナギを振り上げ、今までの思いを乗せて、振り下ろす。
ガシッ!
「――えっ?」
オレとクリネロの間に突然、黒ローブの人物が現れ、クサナギを手にしたオレの両腕を左手だけで受け止めた。その人物は右手をオレに向けると、そこから飛び出した『何か』でオレのムネが斬られる。
「ウファァァァッ!」
風属性の魔法だろうか?
空気のナイフが何度もオレのカラダを切り刻んだ!
オレはその勢いで、後方に倒れる。
「うおぉぉっ!」
クローゼがアイギスを構え、黒ローブの人物に体当たりを試みたが、やはり右腕一本で受け止めると、今度はクローゼを吹き飛ばす。身長二メートル近い大男が数十メートルほど飛んで行ってしまった!
「な、なに?」
混乱していたニグレアがやっと杖をその人物に向ける。だが、その前に黒ローブの人物は左手を彼女に向けると、そのままニグレアは気を失い、その場に倒れた。
「ニグレア……くそ……」
何をされたのかさえわからない。ただ、相手の魔力とスキルが圧倒的とだけ理解できる。オレは黒ローブの人物と目が合あった――いや、それは間違えだ。その人物は仮面を被っていたからだ。ドクロの仮面を――オレは、この仮面を知っている。前の人生で、最後に出会った人物。そして、オレを殺した人物――
「マルタ――?」
そう、前の人生でドクロの仮面を被った人物はマルタだった。オレは後方を振り向く。そこに恐怖の表情を浮かべたマルタがいた。
「それじゃ、オマエは誰だ?」
その人物はなにも応えない。一歩一歩、確実にオレの前に歩み寄ってきた。とても勝ち目はない。格が違いすぎる。オレは死を覚悟した――
「グエル! 逃げるのじゃ! コヤツは――」
ハクヒが小さな手を伸ばして、仮面の人物に電撃を食らわす。しかし、まったくダメージを食らっていない。今度は仮面の人物がハクヒに向けて手を上げる。
バーン!
ハクヒのカラダが肉片となって飛び散った!
一瞬のことで、今のが魔法なのかどうかさえわからない。とにかく、最恐のアンデットであるリッチが、仮面の人物の前では無力だった。
ダメだ……こんなヤツに人類が勝てるわけない――オレはそのまま気を失った。
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