王様の苦難

佐々木猫八

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肉の温かさ

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「なあ宰相よ」

ウォルフリドは今日も謁見の間で仕事をしていた。

「はい、なんでございますか陛下」

彼の隣には当たり前の顔をして宰相が建って並んでいる。

「俺の椅子は、こうでなくてはならないのか?」
「はて、なにか問題でも?」
「大有りだと思うのだが」

そう言うと、いきなり陛下の下から大声が聞こえた。

「陛下!吾輩の鍛え方が足りぬためでございますかっ!不祥このヘンリー・ドードマン、今暫くの猶予を頂き肉という肉を鍛え直し___」
「喋んな肉椅子っ!!ってか俺の普通の玉座はどこやった?ってかなんで横に椅子希望者っぽい輩がが並んでるのかな?」

宰相は恭しくウォルフリドに頭を下げて言った。

「陛下の美尻に敷かれたい、という民からの要望が強く強く強くあったからでございます」
「強くって3回も言ったぁーーしかも民からって国全体からかい!」
「大丈夫でございますよ陛下、尻に敷かれる者は厳選して選抜を行い、先日肉椅子耐久試験大会にて成績の優秀だったもののみですので、座り心地には特段に配慮もされているかと」
「そういうこと言ってんじゃないんだよ!座り心地より椅子にしてる罪悪感の方が勝って謁見に集中できないんだけれど!そこんとこどうなのよ!」
「ウォルフリド陛下のお美しくもお優しい心に触れられ、この宰相感銘を受けましてございます」

じーんとと何かに感じ入る宰相。

そんなこと言って、俺は忘れてない。
先日の風呂でこっそり俺の下の息子を撫でて洗った破廉恥な宰相だってことを!
何が美しい心に触れてだ!お前が触れたいのは俺の息子だろうが!きーーっ!!
肉椅子になっている変態騎士団長といっしょに撫で回された体の感触、忘れわせぬぞ!・・・と思うも、次々と来る謁見者に対応すべくポーカーフェイス?陛下フェイスを崩さないウォルフリド。

布団の中はまだ入られておらず死守できているが、寝る間際、ベッドの両脇で宰相と変態騎士団長に寝付くまで見守られる恐怖と言ったら・・・
寝たあと、何もされてないよね?
大丈夫だよね?
寝るに眠れない、けれど日頃の仕事疲れで眠ってしまうのでどうにかしたい。


話が逸れた、今は肉椅子だ。
今朝、謁見の間に来たときにまず注意すべきだったのだ。
玉座が椅子が無くなっていることに。
玉座って移動させられるんだーとか思うんではなく、国王として注意をすべきだったんだ。

なぜ移動させた!

・・・いや、違う。そうじゃない。
そうじゃないけど、なんて言えばいいんだ?
もうこの話は終わらして、諦めて国民の肉(椅子)の上に胡座をかく国王として君臨すべきなのかもしれない。

今日もウォルフリドの悩みは尽きない。
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