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女性の正体
しおりを挟む「マリアンヌ・・・まだ拗ねてるの?」
「す、拗ねてなんかない!!ぐすっ」
ユーグが部屋に入ってきて、急いでマリアンヌは涙を拭った。しかし目は真っ赤なにでユーグに泣いていたのはバレバレである。
「マリアンヌ・・・嫉妬してるの?彼女に」
「そ、そんな訳あるか!!なんで嫉妬なんか・・・」
ユーグはマリアンヌを抱き締め、頭を撫でた。
「可愛いなぁ、嫉妬する僕のペットも」
「ペ、ペットなんかじゃ・・・ない・・・」
マリアンヌは再び涙が溢れてくる。マリアンヌは彼のペットになりたい訳じゃないのだ。もっと何か、特別なものになりたいのである。
「ああ、よしよし。誤解を解いておくけど、彼女はもう四十歳だよ」
「よ、四十歳!?」
あれはどう見てもマリアンヌと同じ二十代にしか見えない。ユーグはそんな年上が好きだったのかと、ふと思った。
「なんだか、まだ勘違いが続いてるっぽいけど・・・彼女は僕の師匠で、恋人じゃないよ」
「師匠・・・??」
マリアンヌは目をパチパチとしばたかせていると、先ほどの女性がマリアンヌの部屋に入ってきた。
「ごっめ~ん。ちょっとイタズラが過ぎちゃった!!あらあらこんなに泣いちゃって。本当にユーグが好きなのねぇ」
「す、好きなんかじゃねぇ!!こんな鬼畜野郎なんか・・・ふんっ!!」
マリアンヌはプイッと顔を反らすも、彼女はニタァと笑ってマリアンヌを抱き締め、グリグリと胸の谷間に押し付けた。
「やだぁ。本当に可愛い~!!食べちゃいたい」
「・・・やめてください師匠。これは僕のですから」
「あら、嫉妬深い同士お似合いじゃない」
女性はシェリルといって、ユーグの魔法の師匠であったそうだ。彼女の外見からか、北の魔女と呼ばれ、時々こうやって彼の様子を見に来るそうだ。彼女にはラブラブな旦那さんがいてお腹には三人目の子供もいるらしい。彼女の先ほどの発言は、ユーグにあ~んな事やこ~んな事を教えていたという意味であって、決していやらしいものではなかった。
(すっげー勘違い・・・)
「じゃ、そろそろ邪魔者は帰るわぁ。またね、ユーグと子猫ちゃん」
「こ、子猫ちゃんじゃねぇ!!」
「ふふふ、本当に可愛い」
「・・・そうでしょう、そうでしょう。師匠であっても彼女はあげませんよ」
マリアンヌはプリプリと怒りながら、彼女を見送った。しかしシェリルはユーグの恋人ではないと分かり、マリアンヌは心が軽くなった。
(って、なんで私、喜んでるんだよ、バカ!!)
マリアンヌは自分の頭をポカポカと殴り、残っていた予習を終わらせようと本を再び開いたのだった。
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