『転生したら悪役令嬢、前世の娘がヒロインでした』

夢窓(ゆめまど)

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告白は突然に、絶叫は限界に お届けします!!!

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(ヒロインとのイベント、すべて私で回収ですか)

 
アルフレッド
「君が、ずっと気になっていたんだ」

 

──は?

 
アルフレッド
「気づいたら、目で追っていて……
何も飾らず、誰かのために動けるその姿が、まぶしくて」

 

──は?????

 
アルフレッド
「……俺は、ジョアンナ・スミス嬢を……好きになってしまった」

 
ジョアンナ
「ギヨオエエエエエエエエ!!!!????」

 

 

◆ ◆ ◆

 

叫び声が、講堂中に響いた。

ごめんなさい。
あまりの衝撃で、
本当にオエツ絶叫、出ました。

 

「ちょ、ちょっと待って!?なんで!?なんで私!?」

アルフレッド
「理由なんて、気づいたら、ということはあるだろう」

ジョアンナ
「ないです!!いやありますけど、あの、それ、ヒロインのやつなんで!!」

 

そう──
思い返せば最近、妙なことが続いていた。

・ヒロインと歩くはずだったバラ園の小道、なぜか私と一緒に歩かされ
・恋のきっかけになる図書室イベントも、メリンダさまから頼まれた本を取りに来ていた私が目撃され
・廊下を歩いてたら、勢いよく王子にぶつかって、気絶。お姫様抱っこで医務室に運ばれる。

●バラ園イベント(ジョアンナ逃げ腰)

「……うわ、これ……マジで夢で見たやつじゃん……」

午後のバラ園。陽が傾く小道をひとり歩いていたジョアンナは、角を曲がった先で、金髪の青年と鉢合わせる。
ジョアンナ
「──あ」

アルフレッド
「──あ」

……出た、フラグ。

いやいやいや、違う、これ私のイベントじゃない!

すぐに後ろを向いて逃げようとするが──
アルフレッド
「待て。君は……ジョアンナ、だな?」

逃げ損ねた。
ジョアンナ
「は、はい。えっと……あの、その……バラが、綺麗で……つい、」

アルフレッド
「なら、少し散歩でもしようか」

ジョアンナ
「え、いや、あの、メリンダさまとのご予定が──」

アルフレッド
「……彼女は、来なかった。今日も、昨日も、しばらくずっと」

王子の声には、淡い疲れと諦めが混じっていた。
そしてもうひとつ、意外なほど落ち着いた感情もあった。

アルフレッド
「代役だなんて思ってない。君と歩くのが、嫌ではないんだ」

……え?
夢ではこんなセリフ、なかったんですけど?

●図書室イベント(王子視点強)

──ジョアンナが図書室で、椅子の影に隠れるようにして本を読んでいた。

こそこそ……

(……また、来ているな)

王子は、本棚越しに彼女を見つけ、ふっと笑う。
小さく体を丸めて、できるだけ目立たぬようにしているが、逆に目立っていた。

アルフレッド
「そんなところで、何をしている」

ジョアンナ
「ひっ……! い、いえ……その……少し静かにしていたくて……」

アルフレッド
「俺が来なければ、君はずっとそこで……?」

ジョアンナ
「す、すみません、すぐ出ますので!」

バタバタと立ち上がろうとするが、積まれた本に足を取られ──

ドサッ。

王子の目の前に、崩れるように座り込んだジョアンナ。
すぐに手を差し伸べる。

アルフレッド
「……気をつけろ。転ぶのはまだしも、怪我をされたら、俺が困る」

ジョアンナ
「ご、ごめんなさい……」

──小さく手が、王子の指を握った。
その温度に、思いがけず胸が鳴った。

(どうして……こんなにも、気になる?)

 ◆【廊下イベント】強制発生・お姫様抱っこ

──静かな午後の廊下。
本来なら、ヒロインと王子が偶然出会うはずの場所。

だが──

ジョアンナ
「わっ……」

カツン、とヒールの音とともに、廊下の角から勢いよくジョアンナが飛び出してきた。

アルフレッド
「っ──危ない!」

正面から歩いてきた王子と、避ける暇もなく激突。

次の瞬間──

「……っ」

「……おい」

彼女は王子の胸にぶつかった反動で、そのまま体の力を抜き、ふわりと崩れ落ちるように意識を失った。

(……気を失った?)

咄嗟に支えた王子は、両腕で彼女の身体を抱き上げた。

(……軽い)

「……本当に、またか」

以前もそうだった。
この令嬢は、肝心な場面に限って“ヒロインの代わり”として現れてしまう。

──図書室でも、庭園でも。
そして今回も。

予定されていた「王子がヒロインをお姫様抱っこして運ぶイベント」。
なぜか、それを回収してしまうのは、必ずこの女──ジョアンナ・スミスだった。

 

──

「王子!? その方は──」

医務室に向かう途中、通りすがりのメイドが目を丸くする。

アルフレッド
「……彼女が倒れた。運ぶから案内を頼む」

冷静に指示を出しながらも、王子はふと、腕の中の彼女の寝顔を見た。

長い睫毛。赤くなった頬。かすかに震える唇。

(……なんだろうな)

 

まるで「イベント」に仕組まれたかのように、
すべての偶然が、この令嬢と自分を引き寄せている。

(これは、ほんとうに偶然か?)

ベッドに寝かせたあとも、彼女の手を放すのが、少しだけ惜しくなった。


「──って、ヒロインとのイベント、全部私が回収してない!?!?」
気がついたら、叫んでた!
まずい、まずい、まずい!
 
アルフレッド
「それも運命なのでは?」

ジョアンナ
「うわぁあああ、運命、もっとヒロインに優しくしてぇえええ!!」
私王子様なんて、釣り合いませんから、

 


◆王子のアルフレッド独白(確信)

「……あの子は、逃げてばかりだ。
でも、笑い方が……泣きそうなくらい、優しかった」

「代役でも、偶然でもない。
 君じゃないと、嫌なんだ。──ジョアンナ」

 

◆ ◆ ◆

 

学園の空気がザワつく中、
私の脳内は火を噴いていた。

「どうしよう……このままじゃ……メリンダさま断罪の婚約イベント私がヒロインで、来ちゃう……!」
「いや待って、私と王子が相手とか、無理無理無理無理」
「私ただのモブだし、夜食当番だし、
 今日も煮物作ってきたしぃぃぃい!!!」

 

 

◆ ◆ ◆

 

その時──
どこからともなく、にこやかな声が。

「──いいじゃないの。王子なら身分も申し分ないわ♡」

振り向けば、メリンダさまが笑っていた。

例によって、ふわふわのクッション持参。
例によって、手には“新作婚約写真集”。

「えっ、もう結婚準備してる!?!?」

 

 恐るべし、親の贔屓目結婚相手、
私と王子って、釣り合うわけないじゃない、身分差は、大きいのよー

 

ジョアンナ、絶叫まじりの心の叫び:

「なんでこうなるのおぉぉぉ……
わたし、ほんとはただの通行人だったのに……
ヒロインどこ行ったんです?

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