ベビーケアズ ~最弱スキルが新米ママをサポートします~

冬花美優

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2話

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ギルド本部のギルドマスター室にはギルドマスターであるガルド・ギルドウィンと娘のソフィアが話していた。

「父様、親友のリナの為にと私のワガママなパーティを承認してくれて、ありがとうございます」

深々と頭を下げて感謝を述べるソフィアにガルドが返す

「こちらこそ、ギルドメンバーの馬鹿どもがソフィアの親友を侮辱してしまい、悪かった」

「いいえ、父様が悪いわけではないから……」

「それでだ、子育て支援専門パーティのベビーケアズが活動できるようにベビーケアズの専用クエストとして、育児クエストを新設するからクエスト受注は育児クエストから受けてくれ」

「はい、わかりました」

「とりあえず、俺の補佐と受付嬢をしてるミリアにも話しておいたから安心しろ、おい!ミリア!入れ」

ギルドマスター室に入ってきたのは煌めいて品がある、メガネをかけた若い女性

「どうも~ソフィアちゃん!初パーティの結成おめでとう!」

「ありがとうございます、ミリアさん」

「うんうん、次からはギルドの受付に来てくれたらベビケアの専用クエストを紹介するわね」

「べ、ベビケア?」

「だって、ベビーケアズだと長いから略してベビケア!」

「な、なるほど……」

深い事を聞かずにソフィアは了承して、次回からはパーティでギルド本部に来ると言って部屋を出た。

「ギルドマスター……本当に大丈夫ですか?」

心配そうにしているミリアにガルドが返す。

「なにがだ?」

「子育て支援専門パーティなんて、今までギルド創設以来、聞いた事ないですよ」

ガルドは机からタバコのパイプを取り出して小さな火を人差し指で点けて吸い出す。

「いいじゃねぇか…ギルドのクエストは魔物退治やダンジョンとか戦闘だけとは決まってねぇだろ……それにな……」

「それに?」

「この新しいパーティが世の中の女性達の希望になって生きやすくなるかもしれねぇ」

ガルドは、どこか寂しい表情をしていた。

「ギルドマスター……わかりました!私も今からベビケアのファンになって応援します!そして知り合いの女性に宣伝します! では失礼します!」

「お、おう……あまり張り切りすぎないように気をつけろよ」

それから月日が過ぎて、国中でギルド本部に新しく子育て支援専門パーティのベビーケアズができたと瞬く間に女性の間に駆け巡る。

さらに並行してギルド本部から期待の新人勇者パーティも登場して、徐々に勇者パーティの話題に持ち越されていく。

しかしリナは自分の子育てマスターが生かせるベビーケアズが嬉しかった。

そしてリナとソフィアとエレノアは初めての育児クエストを受注するためにギルド本部を訪れた。

ドアを開けて入ると目の前には、人だかりができている。

ソフィアは叫ぶ

「入口前で集まって何してるんだよ!」

「あ、ソフィア様!新人勇者パーティが来てまして、みんな見に来てるんですよ」

ソフィアは察して返す

「……なら、他のメンバーの邪魔にならない場所でやってくれ」

すると煌めく鎧を着た若い男性がベビーケアズの前に現れる

「もしかして、噂の新人で出来損ないのベビーケアなんとか?」

どうやら彼が新人勇者パーティの勇者らしい。もうひとつの注目されたベビーケアズという子育て支援専門パーティを出来損ないと侮辱する。

ソフィアが勇者に反論する

「だれが出来損ないだって?仮にも勇者が他のパーティを侮辱するとか本気?」

「あぁ、だって本当の事だろ!魔物退治でもなく、戦闘でもない、平和な場所でのほほんとするだけのだろ」

勇者の発言に周囲は失笑や嘲笑をする

リナは再び下をむいてしまう

すると勇者がリナのアゴを掴んで顔を無理やり向かせる。

「おい、お前がリーダーだろ」

「な、なんですか?」

「こんなままごとみたいな事をギルドでやるぐらいなら、俺たち勇者パーティの夜の宴に参加して慰めろよ」

エレノアが勇者の発言に火がつく。

「あなた…今の言葉……撤回なさい」

「おやおや、誰かと思ったら姫殿下ではないですか!あなたも、こんなままごとはお辞めにな……」

バシンっ!!

物を叩きつける音が室内に響き渡り、勇者が崩れ倒れる。

「……っ、誰だ!俺を殴ったの……は…」

勇者が視線を向けた先には鬼のような形相をしたソフィアが、腕を振りかぶった姿で立っていた。

その後、ソフィアが勇者の胸ぐらを掴んで叫ぶ。

「てめぇ、どうやらリナやエレノアを侮辱して、あたしを怒られせたようだな……」

「だったら、どうなるんだ?俺は勇者だ……うっ…」

勇者は突然、床に倒れて腹部を抑え、鎧を取り外して這いつくばりながら絶叫した。

「うがぁぁ!いたい!いたい!なんだこれは!うがぁぁ!腹が引き裂かれる!腰の骨がぁ砕かれる!骨が粉々になる!しぬ!しぬ!だれか助けろ!」

あまりの光景に周囲は凍りつくと、リナは冷静に分析して答えを導く。

「これって……もしかして、陣痛…なんで?」

するとソフィアが答えた

「リナの言う通りで、勇者に陣痛の痛みを魔法でかけたんだよ」

リナは子育てマスターのスキルのおかげで分析ができていた。

勇者は口から泡を吹き白目になり失神してしまう

そしてソフィアは周囲に叫ぶように訴えた

「いいか!よく聞け!子育て支援専門パーティなんて必要ないって言う奴はあたしの前に来い!そいつらに陣痛の痛みを味わせてやるから」

すると周囲の冒険者は青ざめて無言になった

さらにソフィアは訴えた

「女性はな、子を産む時の痛みは痛いじゃないんだよ、死んじゃうっていうぐらいつらいんだよ!それを耐えて産んだ子を育てるんだよ!しかも昼夜問わず毎日!そんなお母さんをベビーケアズは助けたりサポートをする為の女性達の味方で必要なパーティなんだ!それを……侮辱するな!二度とするな!」

そうして、冒険者や勇者パーティもベビーケアズを嘲笑うのをやめた。

そしてリナとソフィアとエレノアは初めてギルドから育児クエストを受注して依頼者の元へ向かった



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