ベビーケアズ ~最弱スキルが新米ママをサポートします~

冬花美優

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5話

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ベビーケアズは見事に初仕事で育児クエストを成功させて国中の女性達に噂が瞬く間に広まって人気になる。

リナが住む中心都市では道行く女性達が、こぞって話す。

「ねえ、聞いた?ギルド本部に、前代未聞の育児支援専門パーティのベビーケアズが活躍してるって」

「知ってるわよ、何でもリーダーのリナって人が子育てマスターのスキル持ちで、依頼者の母乳を正常に戻したって」

「羨ましいわよね……そんな子育てマスターがいるなら私も、もう一度子ども作ろうかしら」

リナは街中を歩く度に様々な自分の噂を聞くが、街中の女性はリナを知る人でも近寄って子育てマスターの話はしなかった。

恐らく目立つのを嫌うリナへの気遣いなのだろう。

「おはようございますー」

リナはエレノアとソフィアが来る前にギルド本部を訪れた。

すると一人の一般人の大人の女性がリナの前に現れる。

「もしかしてリナちゃんかい?」

リナは懐かしい聞き覚えのある声と容姿に気づく。

「え…おば様!?」

「そうよ、久しぶりねリナちゃん!」

そう、女性はレンの母親。

「こんなギルド本部に来るなんてどうしたの?」

「あなたにお礼を言いに来たのよ」

「え…」

レンの母親は涙を浮かべながら感謝を述べた

「ほんとに娘と孫を助けてくれて、ありがとう……何をお返ししたらいいか……」

リナは笑顔で答える

「お返しはレンからもらったよ、だからいらない」

するとギルド内の隅の椅子に座ってた男性が呟く

「ふん、たかが子守りだろ…育児クエストなんか作ったところで誰も依頼なんかしねーよ」

レンの母親の耳に入ってくると男性の方へ歩み寄って向かい側の椅子に座ったレンの母親が言い返す

「あら、アンタさ、そのセリフ私にも喧嘩売ってるのかしら?」

「おいおい、おばさんがいきがって無理すんな……っ」

レンの母親は一瞬だけ姿が消えたように見えた瞬間に男性の後ろから現れて、喉元に短剣を突きつけた

そこへギルドマスターの娘のソフィアがやってきた

「ごめんごめん、遅れたわリナ…ってアレ?姐さん!お久しぶりです!」

「あらソフィア、久しぶり!元気?」

ソフィアは真剣な顔でレンの母親に問う

「何かあったの?」

レンの母親は笑顔で話すが瞳は恐ろしいぐらいの怒りに満ちていた

「この、おぼっちゃまがベビーケアズを侮辱するから、お仕置きしてあげようかなってさ」

すると男性がソフィアに助けを求める

「ソフィア!このおばさんを何とかしろよ!」

ソフィアも笑顔で答えた

「ごめん、それ無理…だって姐さんは、あたしの父様と昔にパーティを組んでた時のリーダーをしてた伝説の冒険者だよ」

男性が青ざめる

「ま、まさか……伝説の冒険者ってあの女帝と呼ばれた……すまん!許してくれ」

さらに男性は周囲に助けを求めるがベビーケアズを誰も侮辱すらしないし男性の事すら見て見ぬふりをしていた。

無理もない伝説の冒険者とベビーケアズに歯向かうなんて、もはや世の中の女性を敵に回すも同然の扱いになる。

そして男性はレンの母親に外へ連れ出されてしまう

ソフィアがリナに話す

「よーし、今日も育児クエストを受けよう!」

「うん!」

そこへ受付嬢のミリアが焦った姿でリナの前に駆け寄る

「リナさん!大変です!緊急です!緊急の育児クエストです!」

リナは冷静に話す

「わかりました」

「実は街中に住む妊婦の女性が、精神的に不安定な状態になっていて助けてほしいという緊急依頼です」

ソフィアが話す

「なんだ、気持ちの問題だろ?なら寝れば治るんじゃない?」

リナは冷静に言い返す

「……いえ、すぐ行きましょう!」

「おい!なんだよ、そんなにダメなのか?」

「うん、子育てマスターのスキルが目覚めてから私の中で、その妊婦さんの状態が良くないって感じる……だからすぐに行こう」

ソフィアも真剣な顔をしたリナを見て、ただ事じゃないと理解した

エレノアも理解する。

そしてベビーケアズは緊急依頼の育児クエストに向かう


「え、この家は……」

リナが言葉を失う

ソフィアとエレノアは、ついに来たかという表情をした

そう、初めての育児クエストの依頼で貴族からの依頼だった。しかも初めての緊急育児クエスト

「とにかく行こう!妊婦さんを助けないと!」

「えぇ行きましょう!」

「そうだな、行こう」

3人は屋敷に入って女性従者に妊婦さんがいる部屋に案内される

しかし扉を見た3人は驚愕した

「え、なんてことを……」

「ひどい……」

「なんだこれ…」

なんと鉄製の扉で内側からは開けられない。

リナは初めて女性従者に怒りを露わにした。

「なんで、こんなことをするんですか!」

リナは身体を震わせながら手の拳を握りしめていた。

「え、すみません…奥様が精神的に不安定で暴れてしまうので…」

リナの目が潤みながら従者に訴える。

「今すぐ開けて!あと明るい部屋に妊婦さんを連れて行ってあげてください!」

「わ、わかりました……しかし」

「大丈夫!私が先に中へ入るから、みんなは待機して!」

そう言ってリナは一人で鉄製の扉の中へ入る。

するとソフィアがエレノアに問う。

「エレノア……」

「何ですか?」

「あんな怒ったリナを見た事ある?…」

「……いいえ、今までありませんでした」

「それだけ、まずい状況なんだな」

「……そうですね」

するとソフィアは女性従者に告げる。

「おい、すぐにギルド本部に連絡して!あと念の為に専門機関にも連絡して何があってもいいようにしよう!」

「かしこまりました!」

ソフィアとエレノアもベビーケアズの一員として自分たちが、できる事をはじめた。

一方、リナは部屋の中で妊婦さんと対面していた。
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