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KAISEN
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生れたときから『社会に認められている』という実感が持てない個体というのは、その機会を奪われる個体というのは
不思議な事に、急に好意的な反応をかけると自罰的になったり、
自殺しようとする傾向があるんですね。
これね、照れているとか、驚いただけとよく勘違いされてるんですけど
そうではなくて、もっと反射的な運動なわけです。
いつの間にか高所に上ったり、気付いたら刃物を手にしていたり。
防御反応が出てしまう、と。ほとんど無意識的に、 彼ら自身もわからないうちにそう言う風になるわけです。
何故この反応が見られるかについての論文があるんですけど。それによると
パーソナルスペース、人のね精神的な許容範囲、
それぞれ不快にならない距離と言うのがあるんですけどね。
もう一つ、社会環境と自分との距離というのがあるんですけど……
それぞれが同一化してしまう事によって引き起こされる強いショックだとわかってきたわけです。
要するに、そこに迫って来る一個体。
金魚で言うと、急に猫の足とかがちゃぽんと漬かって来る。
するともうね、水の事とか、明日の事とか、全部わかんなくなるわけです。
その後、微細な毛が舞ったりするでしょ。前の環境はもうないんですね。
◆もう、狭まって完全体のような一人ぼっちの世界に、
急に、逃げようのない脅威が降って来ると。
そう。地球に暮らしてたら、急に隕石が降って来る。
すると、今まで暮らしているなかで、何とも思わなかったのに、急に意識の外、果てしない宇宙が気になってしまいますね。
『あー此処も駄目になった、死のう』と。
そういう反射、反応の、結果があるわけです。
その動機が「自分を好きになって! 自分だけは大好きだよ!」
だったところで、水が汚れてしまった、前の環境が無い。
パーソナルスペースが壊れてしまった。
外に出られないという認識がある。それはもう侵略者や破壊者でしかないわけですから。
◆つまり、社会的な環境から認められていない個体は、
外と内側との境界認識が狭まってしまっていて、少しの環境要因ですら
ショックを与えてしまう。全てを損壊されたようになると。
えぇ。
捕食者のようなものでしょうね。
安全なら本来外に出られても良いでしょうし、動けない状態を誰かがいつも覗きに来るのは、生物の本能的には生け捕りのような不快感がある。
個体によってはその事で、自分自身すらわからなくなり、
逃げようとして、精神的にでも、つまり肉体を殺してでも、
外に出たがって死んでしまう。
そういうね、実験があったわけです。
◆肉体と、精神の境界認識が狭まってしまっていて、
そのなかで精神がギリギリ動く事で「逃げよう」として
起こる、そう言う事でしょうか
ええ、恐らく、そう言う事だろうと今の研究では言われていますね。
好意と言うのは一見強い精神性を感じさせますが、
現象としてはただ単に、自身の好みを発表したにすぎません。
肯定と違うんです。ただの自己紹介。
でも、相手を肯定する言葉と勘違いしている人が多いんですよね。
それが、肯定の形になるのは、偏に 評価を受ける立場を得ている、ある程度社会とつながっているから。
評価が実益になり、喜びとして成り立つわけです。
そうでなければ、ただの発表でしかない。
「ふーん、で?」としか思わないですから。
さて、此処で、最初の講義のとき話に戻りますけどね。
――――檻に人間が居るとします。此処に誰かの「好み」をぶつける。
此処で仮定として、檻の世界に、喜びというものはありません。
貴方は、何の意味もない一方的な自己主張を何度も、何度も、繰り返すわけです。
『いいなぁ、自己発表出来る場があって』
…‥
「好き」が誹謗中傷や攻撃にならない、
というのが現代に置ける法の抜け穴という事ですね。
2026年1月18日0時34分
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