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Zeigarnik syndrome
Zeigarnik syndrome 、
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ぐらり。
自分の何かが歪むような不思議な感覚に、俺はよろけそうになった。
そろそろと会場から抜けるべく足を進める。息苦しい。
漠然と、誰かが首を絞めているような感じがした。
しかし誰も居ない。
界瀬は夢のなかがシンクロすることがあると言っていたが俺は目を覚ましている。
これは、なんだ?
見えない透明な手が巻き付いてくるような、不思議な違和感だった。
キツく、喉を締め上げようとするのが伝わってくる。
ギリギリ、と見えない腕が『脳裏』に浮かんできて、感覚は皮膚にあるといった感じ。
吐き気がしてきて、慌てて『お手洗い』と書いた方へと走った。
見えず、痛みもない。
ただ、力を込めている指が、脳裏に浮かびそれを擬似的に体感するような変な気分に陥っていた。
『お手洗い』は、玄関付近にあり、まあまあきれいな作りだった。洗面台で口を濯ぐうちに、やがて俺の脳裏は、ずるずると背中をアスファルトを引きずられる感覚になってきていた。
(なにかが、変だ……)
こんな不可思議な感覚になったことがあっただろうか。
なんとなくいつもと違っていた。気がした。厄介なのが、精神的に疲弊してのものなのか判断をつけづらいところである。
今、生きていることを改めて確認する。昔最初の方だけ見たアニメを思い出す。
中華鍋を愛用する女の子の出てくる、メルヘンな話だったような気がする。
なんというか、あんな感覚だった。
俺は死ぬのだろうか?
もしかして、自分自身の痛みを予期させられているのだろうか。怖いような怖くないような、変な感じがする。
早く会場に戻らなくては、と廊下を歩きながら様々なことを思案した。
もしそうだとしても、見えるものに文句を言おうがどうしようもないのだ。実際、予言と未来が変わったことはある。
規模が揺らいだり、些細な点がずれる場合だってある。
なぜ変わったかは定かじゃないが、なんらかの確率で変わる場合は確かにある……
ぐるぐる、脳裏が計算を始める。
(女が暴れた、しかし、笹山はここには姿を見せていない……)
あのとき接触したのは、テレビ局のスタッフだという男だ。単純に彼に関わる未来ならばここには関係がないのだが……
念のために銃撃戦がある、または既にあったかもしれないことが何かに結び付く可能性を視野に入れなくては。
俺はなんらかの理由で酔って乱入し暴れた彼を女が叱ると思っていたが、そうではなかった。
見えたものは、見えたもの、それ以上に意味はない。
映像が入り乱れて脳裏に映る。 真っ青な……コバルトブルーというのだろうか。
とにかく真っ青なTシャツをきてキャップをかぶった男が、山中、のような整備されてない自然道を歩いている。
「今日は……なんだか、多いな」
二人、二人か三人……後ろからついていく。笑っている。
はぁ、とため息をつく。すっきりとした消し方がわからないので、大抵ある程度終わるまでみることとなるのだ。
2019/10/09 01:57
あらためて廊下に出たとき、褐色だろうか黒っぽい肌の男がなにやら騒いでいた。
何を話しているかはわからないが……なにかあったのだろうか。
「色」
界瀬の声がした。追って来たらしい。
「あ……何か、あった?」
「取引の情報には進展はないんだけど」
ふざけたやつだが、今はやけに、真面目な顔をしている。
「なんつーか、会場に居た女に接触したらさ、真っ白い部屋でみんなでPC囲んで何かしてるみたいな感じのことが見えたんだよ」
「何か?」
「バックグラウンドっつーのかな。よくわかんないんだけど、こう、文字列がばーっと並ぶ画面がたくさんあって、社員みたいなのが」
「普通にIT企業じゃないのか、それは」
「いや……そんな、感じじゃない。あれは、そんな雰囲気じゃなかった。もっと、何かのバックグラウンド、みたいな」
「バックグラウンド、ねぇ」
「うまく言えないが、テロか何かの計画みたいな、その、どういえばいいのかな、緊迫感があったんだ、下準備みたいな……」
「テロって、言ったけど」
「ネットバンクを吹っ飛ばそうぜ、みたいな、攻撃性、アクティブな空気が漂っていた。
何か全域に被害が出るような、そういうもののような気がするんだ」
「……」
『そういったもの』が、今何度か計画されていることは知っている。世間ではネットの情報が今あちこちに出回り、それが資産のようになっているのだ。
悪質なテロについても年々、増加傾向が顕著になってきていた。
「まぁ、消すっていうか、
まとめ売りもあるだろう。
最近近所のスーパーがブタメンとかお菓子とかを閉店でもないのに急にまとめ売りしてるし」
ふと、奥に続く道を見る。
まだあの褐色の男性がなにか、きょろきょろとしていた。
服装はラフなシャツなので、さほど目立たないが、それでも体格はそこそこなので目立つ。
(なんだ……?)
「まあ規模が広いなら、俺たちじゃ手が回らないだろうし……どのみちそうなると、別のトコにお任せなわけで。
とにかくやるべき範囲をやるだけだが」
「だな」
しかし、たかだか……でもないけど、単なる宝石ならば、そんなに躍起になる情報があるのか。ルパンでも来るんじゃあるまいし。
2019/11/17 15:55
自分の何かが歪むような不思議な感覚に、俺はよろけそうになった。
そろそろと会場から抜けるべく足を進める。息苦しい。
漠然と、誰かが首を絞めているような感じがした。
しかし誰も居ない。
界瀬は夢のなかがシンクロすることがあると言っていたが俺は目を覚ましている。
これは、なんだ?
見えない透明な手が巻き付いてくるような、不思議な違和感だった。
キツく、喉を締め上げようとするのが伝わってくる。
ギリギリ、と見えない腕が『脳裏』に浮かんできて、感覚は皮膚にあるといった感じ。
吐き気がしてきて、慌てて『お手洗い』と書いた方へと走った。
見えず、痛みもない。
ただ、力を込めている指が、脳裏に浮かびそれを擬似的に体感するような変な気分に陥っていた。
『お手洗い』は、玄関付近にあり、まあまあきれいな作りだった。洗面台で口を濯ぐうちに、やがて俺の脳裏は、ずるずると背中をアスファルトを引きずられる感覚になってきていた。
(なにかが、変だ……)
こんな不可思議な感覚になったことがあっただろうか。
なんとなくいつもと違っていた。気がした。厄介なのが、精神的に疲弊してのものなのか判断をつけづらいところである。
今、生きていることを改めて確認する。昔最初の方だけ見たアニメを思い出す。
中華鍋を愛用する女の子の出てくる、メルヘンな話だったような気がする。
なんというか、あんな感覚だった。
俺は死ぬのだろうか?
もしかして、自分自身の痛みを予期させられているのだろうか。怖いような怖くないような、変な感じがする。
早く会場に戻らなくては、と廊下を歩きながら様々なことを思案した。
もしそうだとしても、見えるものに文句を言おうがどうしようもないのだ。実際、予言と未来が変わったことはある。
規模が揺らいだり、些細な点がずれる場合だってある。
なぜ変わったかは定かじゃないが、なんらかの確率で変わる場合は確かにある……
ぐるぐる、脳裏が計算を始める。
(女が暴れた、しかし、笹山はここには姿を見せていない……)
あのとき接触したのは、テレビ局のスタッフだという男だ。単純に彼に関わる未来ならばここには関係がないのだが……
念のために銃撃戦がある、または既にあったかもしれないことが何かに結び付く可能性を視野に入れなくては。
俺はなんらかの理由で酔って乱入し暴れた彼を女が叱ると思っていたが、そうではなかった。
見えたものは、見えたもの、それ以上に意味はない。
映像が入り乱れて脳裏に映る。 真っ青な……コバルトブルーというのだろうか。
とにかく真っ青なTシャツをきてキャップをかぶった男が、山中、のような整備されてない自然道を歩いている。
「今日は……なんだか、多いな」
二人、二人か三人……後ろからついていく。笑っている。
はぁ、とため息をつく。すっきりとした消し方がわからないので、大抵ある程度終わるまでみることとなるのだ。
2019/10/09 01:57
あらためて廊下に出たとき、褐色だろうか黒っぽい肌の男がなにやら騒いでいた。
何を話しているかはわからないが……なにかあったのだろうか。
「色」
界瀬の声がした。追って来たらしい。
「あ……何か、あった?」
「取引の情報には進展はないんだけど」
ふざけたやつだが、今はやけに、真面目な顔をしている。
「なんつーか、会場に居た女に接触したらさ、真っ白い部屋でみんなでPC囲んで何かしてるみたいな感じのことが見えたんだよ」
「何か?」
「バックグラウンドっつーのかな。よくわかんないんだけど、こう、文字列がばーっと並ぶ画面がたくさんあって、社員みたいなのが」
「普通にIT企業じゃないのか、それは」
「いや……そんな、感じじゃない。あれは、そんな雰囲気じゃなかった。もっと、何かのバックグラウンド、みたいな」
「バックグラウンド、ねぇ」
「うまく言えないが、テロか何かの計画みたいな、その、どういえばいいのかな、緊迫感があったんだ、下準備みたいな……」
「テロって、言ったけど」
「ネットバンクを吹っ飛ばそうぜ、みたいな、攻撃性、アクティブな空気が漂っていた。
何か全域に被害が出るような、そういうもののような気がするんだ」
「……」
『そういったもの』が、今何度か計画されていることは知っている。世間ではネットの情報が今あちこちに出回り、それが資産のようになっているのだ。
悪質なテロについても年々、増加傾向が顕著になってきていた。
「まぁ、消すっていうか、
まとめ売りもあるだろう。
最近近所のスーパーがブタメンとかお菓子とかを閉店でもないのに急にまとめ売りしてるし」
ふと、奥に続く道を見る。
まだあの褐色の男性がなにか、きょろきょろとしていた。
服装はラフなシャツなので、さほど目立たないが、それでも体格はそこそこなので目立つ。
(なんだ……?)
「まあ規模が広いなら、俺たちじゃ手が回らないだろうし……どのみちそうなると、別のトコにお任せなわけで。
とにかくやるべき範囲をやるだけだが」
「だな」
しかし、たかだか……でもないけど、単なる宝石ならば、そんなに躍起になる情報があるのか。ルパンでも来るんじゃあるまいし。
2019/11/17 15:55
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