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それから俺は荒れに荒れた。
蒼良と出会ってから少しずつ問題行動は起こさなくなっていたが、蒼良の友人から話を聞いた後、俺の心は余計に重くなっていくばかりだった。
何かしていないとずっとアイツのことばかり考えてしまう。
蒼良が俺の知らないヤツと、俺よりも親しい関係になっていることを想像するだけで吐き気がしてくる。
結局俺は自分の心を軽くする為に、世間で言う悪いヤツらとつるみだし、問題行動を起こすようになった。
学校はサボりまくり、夜に仲間と合流して一般人から金を奪ったり、バイクで仲間と走り抜けたり、殴り合いの喧嘩をしたり。
それらを楽しいと思うことはなかった。それでもじっとしている時より心が軽くなるような気がした。
ある日突然、蒼良から連絡が来た。
「久しぶり。元気?」
蒼良にしては意外と短く端的な文面だと思った。
「ああ。何か用?」
前まではこんなぶっきらぼうな返事はしなくなっていたはずなのに、久々のやり取りで返事の正解が分からず刺々しい文章を送ってしまった。
「あのさ、久しぶりに一緒に遊ばない?」
こんな返事が返ってくるとは思わず、俺はスマホを凝視した。
またあの頃みたいに遊べるのか。そう考えたのも一瞬で、すぐに蒼良の友人の言葉が脳裏をよぎった。
────蒼良には付き合っている彼氏がいる。
そんなこと遊ぶには関係のないことなのに、それを考えるだけで無性にイライラし、もし会ってもちゃんと蒼良と向き合える自信がなかった。
「忙しいから無理」
無意識にそう入力していた。送信ボタンを押そうとした手が固まる。
さすがにもう少し柔らかく言った方がいいか?
そう考えたが、俺には報告せず勝手に他の男と付き合ったことを再度思い出し、イラついた俺は送信ボタンを押していた。
わかってる。これはただの八つ当たりだ。
それでも俺は自分を正当化しようと、あまり深く考えず蒼良の返事を待った。
それから蒼良からの返事が来ることはなかった。
蒼良と出会ってから少しずつ問題行動は起こさなくなっていたが、蒼良の友人から話を聞いた後、俺の心は余計に重くなっていくばかりだった。
何かしていないとずっとアイツのことばかり考えてしまう。
蒼良が俺の知らないヤツと、俺よりも親しい関係になっていることを想像するだけで吐き気がしてくる。
結局俺は自分の心を軽くする為に、世間で言う悪いヤツらとつるみだし、問題行動を起こすようになった。
学校はサボりまくり、夜に仲間と合流して一般人から金を奪ったり、バイクで仲間と走り抜けたり、殴り合いの喧嘩をしたり。
それらを楽しいと思うことはなかった。それでもじっとしている時より心が軽くなるような気がした。
ある日突然、蒼良から連絡が来た。
「久しぶり。元気?」
蒼良にしては意外と短く端的な文面だと思った。
「ああ。何か用?」
前まではこんなぶっきらぼうな返事はしなくなっていたはずなのに、久々のやり取りで返事の正解が分からず刺々しい文章を送ってしまった。
「あのさ、久しぶりに一緒に遊ばない?」
こんな返事が返ってくるとは思わず、俺はスマホを凝視した。
またあの頃みたいに遊べるのか。そう考えたのも一瞬で、すぐに蒼良の友人の言葉が脳裏をよぎった。
────蒼良には付き合っている彼氏がいる。
そんなこと遊ぶには関係のないことなのに、それを考えるだけで無性にイライラし、もし会ってもちゃんと蒼良と向き合える自信がなかった。
「忙しいから無理」
無意識にそう入力していた。送信ボタンを押そうとした手が固まる。
さすがにもう少し柔らかく言った方がいいか?
そう考えたが、俺には報告せず勝手に他の男と付き合ったことを再度思い出し、イラついた俺は送信ボタンを押していた。
わかってる。これはただの八つ当たりだ。
それでも俺は自分を正当化しようと、あまり深く考えず蒼良の返事を待った。
それから蒼良からの返事が来ることはなかった。
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