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第47話 花火を手に入れるには
しおりを挟む「読みたい本や体験映像、娯楽の物も規制されている。手に入れる方法がないわけでは無いがな」
「えっ? 好きな物を買えないんですか?」
「まあな。全てチェックされるから、手に入らないことの方が多い」
そう言いつつ、サクラは食べ終えたコロッケの包み紙を丸めて近くのくずかごに投げ捨てた。
「でも、今、手に入れる方法がないわけじゃないと言いましたよね?」
「……うちの学校に購買部があるのは説明したな?」
「はい、まだ行ってないですけど」
サクラは再び歩きだすと、話を続けた。洋服屋や靴屋、文具店——それらの店が後ろに流れていく。
「この購買部の販売員が曲者でな、どういう伝手を使っているのかわからないが、なんでも手に入れて来る。それこそそいつの助けがなければ、学習端末を完成させる事は出来なかった」
サクラの話によると、設計やプログラミングは彼女と徳田姉妹が行ったのだが、部品の調達はその販売員が行ったのだという。
「その人に頼めばいいんですね!」
篠宮が嬉しそうにそう言うと、反対にサクラはしかめ面をした。
「そう上手くいくかどうか……それよりは正規に注文した方が良いかもな。夏までは時間もある事だし」
サクラは鴫原校長に相談すると約束した。
「ところでサクラさん?」
「なんだ?」
「花火を注文してくれるって事は、お祭り楽しみなんですね?」
篠宮がからかい気味に「うふ」と笑うと、サクラは眦を吊り上げた。
「ばっ、馬鹿なことを言うな! た、楽しみになんかしてない! 生徒達のために、そう思っただけだ」
またまた。
あせるサクラさんも可愛らしい。
しかしサクラは焦ったように、まだ言い訳をしていた。
「学習端末を壊してしまったから、皆に娯楽を提供する必要がある。その為にも——」
「うふふ、サクラさん、もうわかりましたから——あ、あそこにカフェがありますよ! 何か飲みませんか?」
「う、うむ。悪くない」
彼女も気を取り直して、賛成する。二人でそちらに向かう途中——。
突然、サクラが立ち止まった。彼女の少し後ろをヘコヘコと付いて歩いていた篠宮はサクラにぶつかりそうになる。
「おっと、サクラさん?」
何事かと彼女の顔を覗き込んだ篠宮はギョッとする。
サクラはゴゴゴ……と音が聞こえそうな怒りのオーラを発していた。
つづく
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