ゲート・キーパー〜秘密の実験場で俺は亜人達の教師になる事にした〜赴任先にいたのは美人教師と亜人の生徒達⁈俺はまったり学園生活を送ります

青樹春夜

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第53話 購買部のお姉さん

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 なんの変哲もないドアだが、周りにはインターホンが無く、篠宮は仕方なしにノックした。

「すいませーん!」

 セールスか勧誘みたいだ。名乗った方が良いだろうか?

「ええと、新しく赴任して来た篠宮でーす」

 すると途端に勢いよくドアが開いた。外開きだったので、篠宮は思い切りドアに持っていかれて壁との間に挟まった。

「……!?」

 痛すぎて声も出ない。

 そこにドアを開けた人物の声が聞こえて来た。

「——なんだ、誰かと思った」

 落ち着きのある、艶のある声。サクラよりも少し年上の女性の話し方だと、篠宮はドアと壁の間に挟まったまま分析した。

「お前に会いに来たのはそこのドアの後ろにいる」

 サクラの声と共に、ドアが引き戻され、篠宮はようやく隙間から出ることができた。

 それでもそのダメージをすぐさま回復し、購買部のお姉さんに目をやる。

 長い髪に白い肌、憂いを帯びた瞳に長い睫毛が影を落とす。オレンジ系の口紅がすごく大人びて見えた。

「——あれ?」

 似ている。

 サクラにすごく似ているのだ。言われなくとも血縁であろうとわかる。そしてサクラよりもずっと年上に見えるから——。

「お姉さんですね!」

 篠宮は二つの意味でお姉さんと呼んだ。購買部のお姉さんで、サクラのお姉さんという意味だ。

 もちろんさりげなくその手を取る。

 ネイルもオレンジ系で小指だけグリーンのビジューが載せられていたのを、すかさずチェックする篠宮。

「はじめまして、篠宮と言います。サクラさんの同僚で……」

「誰が同僚だ、誰が」

「同僚でしょうー?」

 二人のやりとりに、お姉さんがふふっと笑う。渇いた笑いだった。

「はじめまして、私の名前はカエデ。須王カエデだよ」




 つづく
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