ゲート・キーパー〜秘密の実験場で俺は亜人達の教師になる事にした〜赴任先にいたのは美人教師と亜人の生徒達⁈俺はまったり学園生活を送ります

青樹春夜

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第54話 須王カエデという人

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 サクラさんと同じ苗字、やはりお姉さん?

「……そいつが欲しい物があるそうだ。話を聞いてやってくれないか」

 サクラはそう遠慮がちにカエデに頼むと、きびすを返した。その背中に、カエデが声をかける。

「寄って行かないの? 二人だけの姉妹じゃない?」

 どことなくトゲのあるカエデの言葉に、サクラは背中越しに返答した。

「心にもない事を」






「ま、座ってよ」

 篠宮はカエデに手を引かれ、購買部の中に通された。ゴチャゴチャと物が置かれ、壁際にはうず高く箱が積まれている。箱には何かロット番号のようなアルファベットと数字が書き込まれていた。

「散らかってるけど気にしないで」

「はぁ……」

 少しでも身体を動かすと周りの物が崩れて来そうで、篠宮は縮こまるようにして出された椅子に座った。

 綺麗なお姉さんと二人きりで浮かれるつもりだったのだが、想像を超える部屋の散らかり様に——目を奪われてしまった。

 秘密基地みたい。

 篠宮の子ども心が刺激される。

 そんな事に気づくこともなく、カエデも安っぽい椅子を引き摺り出して来てそれに腰掛けた。不思議な事に彼女が椅子を引っ張り出しても、周りの物は崩れない。どこの物をどう動かすか、この部屋のあるじには分かっているのだろう。

「で、なんだって? アイツの紹介なんだから欲しいもんでもあるんでしょ?」

「あっ、はい。実は——」

 篠宮は改めて自己紹介するとともに、学校で夏祭りをしたい旨を伝えた。

「——屋台と打ち上げ花火と用意したいんです」

 黙って彼の話を聞いていたカエデは腕組みを解いた。上着の内側にきれいな手を差し入れると、篠宮の持っているスマホと同型の物を取り出した。

「あ、カエデさんはスマホなんですね!」

「んあ? ああ、私も生体認証カリギュラは付いてるよ。これは君みたいな人間相手に使うのさ」

「スタッフィーは無いんですか?」

 篠宮が聞くと、カエデは鼻で笑った。

「はっ、あんなオモチャ何になるんだ? お子様と居るからあんな物作る事になるんだよ」




 つづく
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