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第55話 花火大会の値段ってすごいですよ
しおりを挟む「それって……どういう事ですか?」
篠宮は、カエデがサクラの事を嫌っているのを察知した。そういえばサクラの方もすぐに帰ったりと、およそ姉妹らしくない。
「ああ、悪いね。アイツの事となると私もどうも口煩くなっちゃうんだ。病気みたいなものさ」
口では「悪い」と謝りながら、カエデはスマホをいじっている。悪びれている様子もない。
篠宮は呆気にとられて、ぽかんと口を開けたまま、カエデを眺めていた。
こうして黙っていると、サクラにそっくりである。四、五才上くらいだろうか、大人びた落ち着きがあって、先程のキツイ物言いも、妹を心配するあまりの言葉とも思えてくる。
確かにぬいぐるみのスタッフィーを身辺に置くのは子どもっぽい感じもする。それを批判したのだろうか。
「ほら」
カエデはニヤニヤしながら、篠宮にスマホの画面を見せた。
数字が出ている。
30,000,000。
「なんですか、これ?」
「鈍いなー。君が支払う金額だよ」
……。
…………。
………………三千万……円。
「三千万円!? 無理無理無理! 無理ですよ!」
カエデは、そうかなぁという顔でスマホを引っ込めた。
「君の思い描くデッカイ花火ね、あれひとつで八十万から百万円。その他にも打ち上げたいでしょ? それにこれは人件費は入ってないよ。打ち上げるのも屋台をするのも君が人手を集めるんだよ。私の手間賃なんかちょっとしか入ってないんだけどねー」
マジで? アレで安いの?
「面白そうだから思いっきり安く設定したんだけどな。ま、考えててよ。私ももう少し安くあげる方法考えてあげるから」
カエデはケラケラと笑った。
顔は似てるけど、ずいぶんと性格が違う。篠宮はその違いに戸惑ってしまった。
カエデは聡く、すぐにそれに気がついた。
「ふふん、サクラと違うって思ってるだろ」
「いや……人それぞれですから。兄弟だって性格は違うと思います」
するとカエデは肩をすくめながら同意した。
「ま、そうだろうね。例え姉妹でもね」
つづく
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