57 / 98
第57話 協力者を増やせ!
しおりを挟む「先生、大丈夫?」
自分もエルボー食らわせたくせに、一花は篠宮の心配してくる。
「あはは! 大丈夫だよ」
「そうじゃなくて、購買部のカエデさんの事」
「ああー、なんか個性的な女性だった」
篠宮の感想を聞くと、一花とサクラは顔を見合わせた。
「……気に入られた、のか?」
「うーん、どうですかね。花火の件は随分ふっかけられました」
篠宮は三千万円かかると言われた事を二人に話した。
「ふえっ!?」
一花は自分のバイト代を思いうかべてビックリする。『花火』というものがいくらするのか知らないが、電子本何冊分か計算して、途方もない額だと気がつく。
「見積書を見せてみろ」
サクラが篠宮のスマホを覗き込む。
「……詳しくはわからないが、屋台で作る食べ物は必要な食材として普通に申請してはどうだろうか?」
「そんな事出来るんですか?」
「あるいは——アオバヤマ町の商店街やスーパーや『緑風荘』に協力を願って見るのはどうだ? どうせ少人数では面白くないだろう」
一花も顔を寄せてくる。
「そうすれば屋台と食材の予算は減らせますね」
「それでもウン千万円はかかるよ」
三人は「うーん」と考え込んでしまった。
「はあ? 何を手伝えって?」
鬼丸は篠宮たち三人を前に呆れた声を上げた。わざわざ呼び出されたと思えば、何を言い出すのだ。
「だから夏祭り……」
「本気で言ってんのか?」
「ヒイッ! 怖い!」
篠宮はサクラの後ろに隠れる。
「いい加減、慣れただろう? ——鬼丸、どうだろうか? 皆も楽しめると思うが」
サクラがそう申し出ると、鬼丸は腕組みをして考える。
人型になれる俺達や元々人型の者はは良い。問題はレディとエメロードだ。
彼女らは人型になれないため、あまり人前には出たがらない。
いくら元スタッフなどで構成されている町の人でも、その好奇の目には晒されたくないのだ。
「無理だな。やめとけ」
「そんな!」
篠宮はサクラの後ろから飛び出すと、鬼丸に縋り付いた。
「俺、みんなに花火見せたいですっ!」
「わ、よせ! くっつくな!」
鬼丸は篠宮を引き剥がすと、その襟首をつまみ上げた。まるで猫だ。
「にゃー」
「ほれ、須王。返すぞ」
「いらん」
「にゃっ!?」
慌ててジタバタする篠宮を床に置くと、鬼丸は苦い顔をした。
「……頭上に咲く花火か。確かに見たいな」
「でしょう?」
「……レディとエメロードは屋台は手伝わせんぞ。アイツらに花火を見せるとこまでは協力する」
それを聞いた篠宮と一花はハイタッチして喜ぶ。
「それでその花火についての資金繰りで困っていてな」
サクラはすかさず本題に入った。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる