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46『女子高生怪盗ミナコ・12』

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ミナコ転生

46『女子高生怪盗ミナコ・12』   

 



 ワールドトレードセンタービルのテロを忘れようと、爺ちゃんと三人でディズニーシーへ行った!

 ちゃんと入場料を払って!

 出来て、もう半年はたとうかというのに、学校も休んで平日に来たというのに、ディズニーシーはイッパイだった。

 でも、シッパイだとは思わない。

 怪盗ドロボープリンセス(自分たちで付けただけ)と言っても、根はハイティーンの女の子である。こういうテーマパークではいくら待っても退屈はしない。

 待ち時間の間に、ブルジョアと思われるオッサン……たいがい玄人と思われる風俗の女の子(女の人?)をハベラセて得意そうにしている。そういうオッサン達のカードを預かってはスキャニングして、コピーを作り、園内のアチコチにあるショップで大量に買い物をし、リストアップした児童施設などに送った。

 でも、とても使い切れない(なんと三時間ほどで、5億円分ぐらいスキャニングした!)金額なので、後日、本当に必要なものを考えて送ることにした。まあ、普段アコギなことをして稼いだお金なんだろうから、これくらいの散財は、オッサン達の功徳にもなるだろう。

 驚いたことに、K国の将軍様の坊ちゃんが、お忍びで来ているのに出くわした。

 よく観察すると、日本の公安のオニイサンたちが、5人ほどつかず離れずしていたが、どうやら、ただ見守っているだけのようだ。

「いっちょう、やるか!」
「そうですね」

 ミナコとミナミの意見は直ぐに一致した。動画を3分、エレクトリックレールウェイでは、直ぐ後ろに座り、音声まで録った。会話の中にK国の要人の固有名詞がバンバン出てくる。
 ミナミは、特注のSONYのケータイ型パソコンで、自分のスタッフに送った。また、夜のゴールデンタイムに割り込み放送をするつもりなんだ。

 謙三爺ちゃんは、船長服を着て、コロンビア号のデッキを歩いていたが、あまりにシャメをねだられるので、普通のオッサンのナリにもどって、デッキチェアーでまどろんでいる。

「なんだ、爺ちゃん、どこにも行ってないの?」
「そこで、おもしろい人にお会いしましてよ」
「ああ、K国のボンボンだろ」
「うん!」
「その様子じゃ、またビデオに撮ってテレビで流す腹だな」
「だって……」
「いや、止めやせんさ。やりたいだけやれ。ただ、あんまり期待すんなよ。辻貴子のときも、世間は見向きもせんかったからな」
「お腹空いちゃった。ちょっと遅いけどランチにしようよ。カードこんなにあるし……」
「貸してみろ……うん、使わせてもらってもいいやつばっかりだな」
「お爺様、見ただけで、お分かりになるんですか!?」
「オレの指輪は、スキャナーになってるんでね」
「指輪だけ?」
「あとは、孫でも教えられん」
「ちぇ!」

 で、三人はCデッキのラウンジで、昼食にした。

「ああ、おいしかった!」
「食った食った~!」
「もう、こんなマガイモノの海やら船は飽きた。どうだ本物の船に行くか?」
「え、本物ですの?」
「ああ、超ホンモノだ。少し仕事もしてもらうがな……」

 ワクワクと、不安な予感が一度にしてきたミナコであった……。

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