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20『ブツを探しながら……』
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泣いてもω(オメガ) 笑ってもΣ(シグマ)
20『ブツを探しながら……』
三つの茶封筒を回収した俺は、部屋に戻って中身を点検する。
茶封筒は、三つとも手触りからDVDとかのパッケージが複数入っているのは確か!
一つ目を開けて「これだ!」と思った。
パッケージの絵がいかにもアニメってかラノベの表紙っぽく見えたからだ。
シグマは、偽装のためブツをアニメのパッケージに入れている。
勢いのまま開けようとしたらセロファンのラッピングがされたままで、どう見ても新品だ。
ん……『ご注文はウナギですか?』ラノベっぽいタイトルの下にウナギを追いかける男女のキャラ。
その下に小さく《東京私立大学連合》と書かれている。
ウ:うまい進路の見つけ方 ナ:なんでもチャレンジが道を開く ギ:ギブアンドテイクの学生生活
どうも、東京私立大学連合というところが高校生の進路決定のために作ったDVDのようだ。
他の二つのパッケージも、映画やアニメの体裁で作った案内DVDやらCDの類だ。
思い出した。
進路指導室の前には、学校やら企業から送られた資料が山と積まれていて自由に持って行っていいようになっている。
俺も四月から三年生で心がけなきゃいけないんだが、バーゲン品の平積みみたいなのを手に取ろうとは思わない。
中学生の小菊には珍しいんだろう、これと思う奴を備え付けの茶封筒に入れて持って帰ってきやがったんだ。
他にもパンフやチラシが入っていて、小菊の関心の傾向が分かる。
予想通り文系ばっかで、平凡な文学部から芸術系のものまである。
なになに……情報工学? 理系と思いきやゲームクリエーターコースに蛍光ペンでアンダーラインが引いてある。
こらえ性のない菊乃には無理だなあと思ってしまう。
芸術系は、アニメーターや舞台芸術、声優コース、マンガコースなどがチェックしてある。
ま、好きなところから手を出してみようという姿勢は悪くないだろう。入学前からアグレッシブなのは好ましい、ほんと小菊ってやつはツンツンしてなきゃいいやつ……な、なに評価してんだ!?
いやいや、ブツだ、ブツを探さなきゃ!
二つ目の茶封筒も似たり寄ったりだが、専門学校と就職の資料が多い。
こちらにもDVDやCDが入っていて、近頃の進路資料のデラックスさに驚く。
自衛隊や警察、消防のパンフに吉本興業の漫才学校のまで入っている。
手あたり次第なんだろうけど、入試を受けに行って、これだけの進路資料を持って帰る好奇心はスゴイと思う。俺なんか、ノリスケと二人学食のガラス戸に顔くっ付けてメニューと値段の確認だったもんな。
う~ん、小菊侮りがたしだ。
て、また感心してどーすんだ、三週間もすれば、俺も三年生、我が身のことじゃねえか!
ってか、ブツだブツ!
ブツは三つ目の茶封筒に入っていた。
俺はこういうところがある。
なにか探し物があるときは、ぜんぜん関係ないところばかり探して、肝心のものは見つからないか、一番最後に現れる。先天的に要領が悪い。
ま、いい、無事に発見したんだからな。
ただ、安心が確信に至るには少し時間が掛かった。アニメのパッケージが四つも入っていたからだ。
いちいち円盤のレーベルを見なければ分からない。どうやら、小菊が、そうとは知らず入れたのが混じってしまったようだ。
で、ヒットしたのは四つ目のパッケージ。やっぱりな。
『近ごろ妹の様子が変だ!』という俺の現状をタイトルにしたようなのに入っていた。
ブツを発見したら、三つの茶封筒を戻さなければならない。
小菊が二階に戻って来た気配はない。
俺は綿入れ半纏の腹に袋を隠して一階の店を目指す。
ドアに手を掛けたところで、半纏の下から、サラサラとパンフが落ちた。
「オッ……」
一つ上下を逆さまに持ってしまったようだ。
急いで書き集めると……一枚の宝くじが目に留まった。
「宝くじまで入れてやがる」
袋に仕舞いかけて思いとどまった。
ひょっとして何等賞か当たったりしてねえだろーな。
俺は、デスクに戻り、パソコンで当選番号を検索してみた。
え……え…………ま、まさか( ゚Д゚)!?
足が震えた。
宝くじの番号は、何度見ても一等の一億円だったのだ!
☆彡 主な登場人物
妻鹿雄一 (オメガ) 高校二年
百地美子 (シグマ) 高校一年
妻鹿小菊 中三 オメガの妹
妻鹿由紀夫 父
ノリスケ 高校二年 雄一の数少ない友だち
柊木小松(ひいらぎこまつ) 大学生 オメガの一歳上の従姉
ヨッチャン(田島芳子) 雄一の担任
20『ブツを探しながら……』
三つの茶封筒を回収した俺は、部屋に戻って中身を点検する。
茶封筒は、三つとも手触りからDVDとかのパッケージが複数入っているのは確か!
一つ目を開けて「これだ!」と思った。
パッケージの絵がいかにもアニメってかラノベの表紙っぽく見えたからだ。
シグマは、偽装のためブツをアニメのパッケージに入れている。
勢いのまま開けようとしたらセロファンのラッピングがされたままで、どう見ても新品だ。
ん……『ご注文はウナギですか?』ラノベっぽいタイトルの下にウナギを追いかける男女のキャラ。
その下に小さく《東京私立大学連合》と書かれている。
ウ:うまい進路の見つけ方 ナ:なんでもチャレンジが道を開く ギ:ギブアンドテイクの学生生活
どうも、東京私立大学連合というところが高校生の進路決定のために作ったDVDのようだ。
他の二つのパッケージも、映画やアニメの体裁で作った案内DVDやらCDの類だ。
思い出した。
進路指導室の前には、学校やら企業から送られた資料が山と積まれていて自由に持って行っていいようになっている。
俺も四月から三年生で心がけなきゃいけないんだが、バーゲン品の平積みみたいなのを手に取ろうとは思わない。
中学生の小菊には珍しいんだろう、これと思う奴を備え付けの茶封筒に入れて持って帰ってきやがったんだ。
他にもパンフやチラシが入っていて、小菊の関心の傾向が分かる。
予想通り文系ばっかで、平凡な文学部から芸術系のものまである。
なになに……情報工学? 理系と思いきやゲームクリエーターコースに蛍光ペンでアンダーラインが引いてある。
こらえ性のない菊乃には無理だなあと思ってしまう。
芸術系は、アニメーターや舞台芸術、声優コース、マンガコースなどがチェックしてある。
ま、好きなところから手を出してみようという姿勢は悪くないだろう。入学前からアグレッシブなのは好ましい、ほんと小菊ってやつはツンツンしてなきゃいいやつ……な、なに評価してんだ!?
いやいや、ブツだ、ブツを探さなきゃ!
二つ目の茶封筒も似たり寄ったりだが、専門学校と就職の資料が多い。
こちらにもDVDやCDが入っていて、近頃の進路資料のデラックスさに驚く。
自衛隊や警察、消防のパンフに吉本興業の漫才学校のまで入っている。
手あたり次第なんだろうけど、入試を受けに行って、これだけの進路資料を持って帰る好奇心はスゴイと思う。俺なんか、ノリスケと二人学食のガラス戸に顔くっ付けてメニューと値段の確認だったもんな。
う~ん、小菊侮りがたしだ。
て、また感心してどーすんだ、三週間もすれば、俺も三年生、我が身のことじゃねえか!
ってか、ブツだブツ!
ブツは三つ目の茶封筒に入っていた。
俺はこういうところがある。
なにか探し物があるときは、ぜんぜん関係ないところばかり探して、肝心のものは見つからないか、一番最後に現れる。先天的に要領が悪い。
ま、いい、無事に発見したんだからな。
ただ、安心が確信に至るには少し時間が掛かった。アニメのパッケージが四つも入っていたからだ。
いちいち円盤のレーベルを見なければ分からない。どうやら、小菊が、そうとは知らず入れたのが混じってしまったようだ。
で、ヒットしたのは四つ目のパッケージ。やっぱりな。
『近ごろ妹の様子が変だ!』という俺の現状をタイトルにしたようなのに入っていた。
ブツを発見したら、三つの茶封筒を戻さなければならない。
小菊が二階に戻って来た気配はない。
俺は綿入れ半纏の腹に袋を隠して一階の店を目指す。
ドアに手を掛けたところで、半纏の下から、サラサラとパンフが落ちた。
「オッ……」
一つ上下を逆さまに持ってしまったようだ。
急いで書き集めると……一枚の宝くじが目に留まった。
「宝くじまで入れてやがる」
袋に仕舞いかけて思いとどまった。
ひょっとして何等賞か当たったりしてねえだろーな。
俺は、デスクに戻り、パソコンで当選番号を検索してみた。
え……え…………ま、まさか( ゚Д゚)!?
足が震えた。
宝くじの番号は、何度見ても一等の一億円だったのだ!
☆彡 主な登場人物
妻鹿雄一 (オメガ) 高校二年
百地美子 (シグマ) 高校一年
妻鹿小菊 中三 オメガの妹
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