異世界に転生したら王子と勇者に追いかけられてます

椎名サクラ

文字の大きさ
46 / 111

本編43

しおりを挟む
 互いの子種で汚れた二人は、一度身を清めた後だというのに、また猫足の浴槽に入っていた。

 ぐったりとしたソーマの身体を抱えながら、ザームエルは今までいないほど心も身体も充足していた。激しいまでの欲情を一身に受け止め、涙を流しながらも快楽に啼き咽ぶ様に、ザームエルは今までいないほど興奮し、そしてすべてをぶつけた。己が何度果てたかも、ソーマがどれほど蜜を吐き出したかもわからないのに、未だその興奮は冷めていない。

「無茶をさせてしまったな」

 そう言いながら温かい湯の中で、ソーマの蕾から子種を掻き出していた。

 そこに長く子種を入れたままでは、身体が不調をきたすと以前教えられたからだ。

 あくまでも清めるためにそこを弄っているというのに、その身をザームエルに預けたまま、薔薇色の唇は甘い啼き声を上げていく。

「んっ……ぁぁぁ」

 もう中を擦られる刺激に溺れてしまったソーマは、何をされても身を震わせるばかりだ。

 ザームエルの動きを受け入れながら、ちらりと覗く凄艶に、満ちたはずの欲望が際限なく力を取り戻してしまう。

 二人きりの空間とはいえ、一夜にこれほどまで一人の人間に欲情をぶつけたのは初めてだ。

 元来、人間関係に飽き性なザームエルにとっても初めての経験で、自分を律することができないでいた。

 今も太ももに感じるソーマの臀部の感触だけで、また力づいてしまう。

「そんなに甘い声を出されては、また中を汚すことになるぞ」

「だめぇ……ぁぁっ」

 ゆるく首が振られ、髪が揺れ、首筋が露になる。ザームエルはそこに唇を落とし吸い上げた。

「ぁっ」

「駄目だといっただろう。それほど甘く喘がれてはまたその気になってしまうぞ……それとも誘っているのか?」

「ちがっ……んっ」

 指の動きを大胆にしていけば、ソーマの蕾も内壁も甘くザームエルの指を締め付けてくる。

「あぁ、ソーマはまだ足りぬのだったか」

「ちがぅ……も……むりぃぃ」

「嘘を言え。ここはまだ私を欲しがっているではないか」

「ぅそだ……ぁんっ」

「そんな甘い声を上げては説得力がないぞ。そんなにも私のものが気に入ったのか」

 ザームエルはソーマの両足を浴槽の外へと出させ、大きく足を開かせる。そして浮いた腰にもう充分に力を持った欲望をまた潜り込ませた。

「ひぃっ!」

「あぁやはり、私を欲しがっていたのだな……ソーマの中が悦んで締め付けてくる」

「ゃっ……ぃわないで……ぁぁぁぁっ」

 また感じる場所を突かれてソーマは啼き出した。

 このひと月、堪えに堪えた欲情を吐き出した後で余裕ができたザームエルは、言葉でもってソーマを犯し始めた。

 緩やかに腰を使いながら、ソーマの中がどんな動きをして、どうやって自分を悦ばせているのかを如実に語っていく。

「ぃゃっ!」

「ほら、また締め付けてきた。蕾も早く動けとばかりに締め付けてくる。そんなに悦いのか、私のものが」

「はぁぁっ……んぃぃ」

「ソーマは快楽に素直だ。もっと私のもので悦ばせよう」

「ぁぁぁぁっ、ザームエル、それぃぃっ!」

「なんだ、ソーマは後ろからされるのが悦いのか」

「んっんっ、ゃぁあっ」

 吐き出すものを失った分身は力を失ったままなのに、それでもまだソーマはザームエルの欲望に震えてしまう。頭をザームエルの方に擦りつけながら、腰を動かされるたびに甘く啼いては、貪欲に子種を搾り取ろうとする。

 若いザームエルはそれに応えるにやぶさかではなかった。

 ソーマに望まれるがまま腰を打ち、中を広げるように腰を回す。

「ひぃっ!」

「これも好きなのか、ソーマは。本当に何もかもが淫らだ」

「ちがっ、ザームエルがこんなにしたんだ……」

「そうか。では責任を取らねばならぬな。この生涯をかけてお前を抱き続けよう」

 生涯をかけてするのが淫らな行為かと、正常時のソーマなら突っ込んだだろう。だが今はその意味すら頭に届かない。ただただ気持ちいことをして欲しいとばかりに、腰を揺らめかせてしまうだけだ。

「これから私の子種はすべてこの中にだそう。他になど一滴もやらぬ」

「っぁぁ、ぃっぱいだしてぇ」

 浴槽のお湯が外に溢れるほどに二人は淫らな踊りを繰り返し、そしてまた蕾の中にたっぷりと子種を出すのだ。

 数度それを繰り返してようやく湯船から上がり、ぐったりしたまま二人は眠りについた。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?

米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。 ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。 隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。 「愛してるよ、私のユリタン」 そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。 “最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。 成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。 怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか? ……え、違う?

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(りょうが)今年は7冊!
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。 2023.04.03 閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m お待たせしています。 お待ちくださると幸いです。 2023.04.15 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m 更新頻度が遅く、申し訳ないです。 今月中には完結できたらと思っています。 2023.04.17 完結しました。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます! すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。

【完結】異世界から来た鬼っ子を育てたら、ガッチリ男前に育って食べられた(性的に)

てんつぶ
BL
ある日、僕の住んでいるユノスの森に子供が一人で泣いていた。 言葉の通じないこのちいさな子と始まった共同生活。力の弱い僕を助けてくれる優しい子供はどんどん大きく育ち――― 大柄な鬼っ子(男前)×育ての親(平凡) 20201216 ランキング1位&応援ありがとうごございました!

BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。

佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。

魔王に転生したら幼馴染が勇者になって僕を倒しに来ました。

なつか
BL
ある日、目を開けると魔王になっていた。 この世界の魔王は必ずいつか勇者に倒されるらしい。でも、争いごとは嫌いだし、平和に暮らしたい! そう思って魔界作りをがんばっていたのに、突然やってきた勇者にあっさりと敗北。 死ぬ直前に過去を思い出して、勇者が大好きだった幼馴染だったことに気が付いたけど、もうどうしようもない。 次、生まれ変わるとしたらもう魔王は嫌だな、と思いながら再び目を覚ますと、なぜかベッドにつながれていた――。 6話完結の短編です。前半は受けの魔王視点。後半は攻めの勇者視点。 性描写は最終話のみに入ります。 ※注意 ・攻めは過去に女性と関係を持っていますが、詳細な描写はありません。 ・多少の流血表現があるため、「残酷な描写あり」タグを保険としてつけています。

処理中です...