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「その和菓子美味しそうだね」
スーツの男はそう言うと、花子の隣に腰を下ろした。
突然の出来事で彼女は固まっていると、スーツの男は自分の名前をタダシと名乗った。
仕事でこの辺に来たが、小雨だった雨が強くなったので急遽ここに避難してきたと話しする。
「それ、有名な創作菓子店のものだよ。確か【菊乃】っていう店だったかな」
タダシはそういうと、目の前にある吊るされたロープに目をやった。
「今から、死ぬの?」
ストレートな質問に何も言えず固まっているとタダシは話しを続ける。
「なぜ死のうと思ったの?」
もう2度と会うこともないと思い、
初対面の水知らずの男性に対して、花子は素直に現在の自分の境遇を話した。
すると男性は彼女に尋ねた。
「本当に友達がいないの?」
よく考えると私には翔子がいる・・・。
「持病の薬は本当に高額なの?」
来週から低価格で購入可能だ・・・・。
「で、でも貯金はなくなったままだし死ぬ理由としては十分だと思う。四面楚歌なのよ!本当に!」
花子は死ぬ理由はまだ有るとばかりに大声で叫んだ。
「四面楚歌ねぇ。周りは敵ばかりだけど天井は空いてるよね。上に登ってみたら道は開けるかもよ。」
花子は呆れたような顔をしている。
「もし上に登れても、私の場合は今日のように土砂降りの雨よ。」
彼は立ち上がると、大袈裟に手を広げた。
「雨が激しい程、大きな虹がかかる。君の頭上には必ず道が開けるよ。」
そういうとタダシは雨の止んだ窓の方を見ると廃墟をあとにした。
あの男になにがわかるんだと怒りながら、花子はロープの方に向かった。
台に乗りロープに首をかける。その時ふとタダシの言葉が気になり、上を見上げてみた。
天井の割れ目に何か挟まっているように見える。どうしてもそれが気になり、花子はロープを強く引くと手の力を使って上に登り始めた。
箱のようなものが見え、それを手に取るとバランスを崩し箱と一緒に花子は地面に落ちる。
中を開けるとそこには札束と花子の貴重品や預金通帳が入っていた。
「わ、私のだ・・・・。」
スーツの男はそう言うと、花子の隣に腰を下ろした。
突然の出来事で彼女は固まっていると、スーツの男は自分の名前をタダシと名乗った。
仕事でこの辺に来たが、小雨だった雨が強くなったので急遽ここに避難してきたと話しする。
「それ、有名な創作菓子店のものだよ。確か【菊乃】っていう店だったかな」
タダシはそういうと、目の前にある吊るされたロープに目をやった。
「今から、死ぬの?」
ストレートな質問に何も言えず固まっているとタダシは話しを続ける。
「なぜ死のうと思ったの?」
もう2度と会うこともないと思い、
初対面の水知らずの男性に対して、花子は素直に現在の自分の境遇を話した。
すると男性は彼女に尋ねた。
「本当に友達がいないの?」
よく考えると私には翔子がいる・・・。
「持病の薬は本当に高額なの?」
来週から低価格で購入可能だ・・・・。
「で、でも貯金はなくなったままだし死ぬ理由としては十分だと思う。四面楚歌なのよ!本当に!」
花子は死ぬ理由はまだ有るとばかりに大声で叫んだ。
「四面楚歌ねぇ。周りは敵ばかりだけど天井は空いてるよね。上に登ってみたら道は開けるかもよ。」
花子は呆れたような顔をしている。
「もし上に登れても、私の場合は今日のように土砂降りの雨よ。」
彼は立ち上がると、大袈裟に手を広げた。
「雨が激しい程、大きな虹がかかる。君の頭上には必ず道が開けるよ。」
そういうとタダシは雨の止んだ窓の方を見ると廃墟をあとにした。
あの男になにがわかるんだと怒りながら、花子はロープの方に向かった。
台に乗りロープに首をかける。その時ふとタダシの言葉が気になり、上を見上げてみた。
天井の割れ目に何か挟まっているように見える。どうしてもそれが気になり、花子はロープを強く引くと手の力を使って上に登り始めた。
箱のようなものが見え、それを手に取るとバランスを崩し箱と一緒に花子は地面に落ちる。
中を開けるとそこには札束と花子の貴重品や預金通帳が入っていた。
「わ、私のだ・・・・。」
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