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出会い
しおりを挟むレオンは私と婚約しても変わらなかった。
そしてそのツケは私に回ってきた。
レオンが城で何か問題を起こせばそれは全て
私が婚約者のレオンのために我が儘を言ってしたことになった。
そんな私の状況にお父様とお母様は怒った。
国王に面会を求めるとまで言ったので私が必死に止めた。
私のせいで両親に何かあってはいけない。
そんな私の願いを両親は渋々受け入れてくれた。
というのが悪役令嬢レジーナ・コーラルの真実。
「レオン!
本当に私が勝手に転んだだけ、ね? チュッ」
…?
あれ?
ヒロインはなだめるためにレオンの頬へキスをした。
レオンはカーッと赤くなる。
え、ヒロインってこんなに大胆だった?
私の記憶だと人前でほっぺチューできるような子ではなかったと思うんだけど。
「リーラ。
婚約者の前だからそういうのは後にしてくれ!」
「え…婚約者?
あ、ごめんなさい!」
レオンにそう言われたヒロインが私に頭を下げる。
いや全然構わない。
むしろヒロインのそういう大胆な一面を見れて嬉しかったりする。
「リーラ!
こんなやつに頭を下げるな!
早く行くぞ。」
嬉しさを噛みしめている私に痺れを切らしたレオンはそう言って怒った。
そしてヒロインの手を強引に掴んで去っていってしまった。
「え?
ちょ、ちょっと待ってよレオン!」
突然現れて突然去る。
まるで嵐のような男だわ。
しかしあのレオンにこんなやつ呼ばわりされるなんて。
本当ムカつく。
『婚約者の前だからそういうのは後にしてくれ。』
婚約者の前で堂々と不貞働く宣言。
大層な身分ですね。
こんな男がヒロインに釣り合うわけ?
はぁー。
さっさと行こう。
私は図書室のある方へ歩き出した。
…
…
あ、この本面白い。
これもよさそう。
3冊ほど本を持ってカウンターへ向かう。
しかし司書がいない。
ガタッ
困っているとカウンターの奥の方から物音がした。
「すいません。
本を借りたいのですが…」
呼び掛けたが誰も出てこない。
じゃあさっきの物音はなに?
気になった私はカウンターの奥を覗いてみた。
え…誰?
カウンターの中にいたのは居眠りするイケメン。
待って。
こんなにイケメンだけど攻略対象ではない。
攻略対象には何かしらの目印があるがこの人にはなかった。
でも凄いイケメン。
あの3人に引けを取らない。
…こんな人 小説に出てきたかしら?
私の記憶だとないはずだけど。
「…ん」
いけない。
もうすぐこの人が起きてしまう。
私は急いでカウンターの外へ戻ろうとする。
「…待って、レジーナ嬢。」
しかし私の名前で呼び止められる。
なんで知ってるの?
私はバッと振り返った。
「いつもより遅かったね。
待ちくたびれて寝ていたんだ。」
一体どういうこと?
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