3 / 4
3話 涙に問う
しおりを挟む
この世には勇気がある行動をする者を勇者と呼ばれるようだ。本当に馬鹿な連中だ。早く絶滅させなければならない。
「魔王様。準備が整いました」
「ありがとう」
魔物を使役してきて、もう随分と時が経つと知恵を身に付ける者が現れた。そう言った魔物は側近や軍の指揮を取らせている。これも人間を早く殺す為だ。
「この戦いの前にお一つだけ魔王様にお聞きしたいことがございます」
「何? 言ってごらん?」
「なぜ人間を殺すのですか? 魔王様も元は人間の身であられたとお聞きしております」
「人間だから殺すんだよ。僕は人間だったから人間をやめたんだ」
「人間だから…ですか」
僕の側近は納得があまりいってない様だ。知恵を付けたは良いが、あまりに優秀なのも考えものかも知れない。
「人間は身勝手な生き物なんだ。種が違えば人間は殺すか食すかの二択だ。そして、醜いことに人間同士ですら殺し合うこともある。そんな生き物は存在する価値はない。違うかい?」
「愚かな質問をしてしまった私をどうか許して下さい」
「大丈夫。いっぱい殺そう。それだけを今は考えるんだ」
側近は理解して跪く。僕はそれを許さなければいけない。人間をやめたあの日から、人間以外の全てを僕は慈しむのだ。
____________
_______
_
僕の目の前には同胞が見渡す限りいた。彼らは人間に家族や友人や故郷を奪われた者もいる。
「皆聞け。この街の灯りの数は人間の数を表しているに等しい。この街の灯りを業火で焼き尽くす。そして、皆の心の業火で街へ乗り込み人間を殺せ」
僕は街に魔術を放ち、火の海に変える。一気に色々な音や声が混ざって音楽みたいだ。なんて美しい。
「もっと天に響かせ聞かせろ。世が乱れ狂えば少しは彼も報われるのだから!!」
僕は自然と涙がこぼれ落ちていた。笑顔でも涙が出ることを初めて知る。そして、この涙の理由が僕は全く分からない。なぜ涙が止まらないんだろう。
「魔王様。準備が整いました」
「ありがとう」
魔物を使役してきて、もう随分と時が経つと知恵を身に付ける者が現れた。そう言った魔物は側近や軍の指揮を取らせている。これも人間を早く殺す為だ。
「この戦いの前にお一つだけ魔王様にお聞きしたいことがございます」
「何? 言ってごらん?」
「なぜ人間を殺すのですか? 魔王様も元は人間の身であられたとお聞きしております」
「人間だから殺すんだよ。僕は人間だったから人間をやめたんだ」
「人間だから…ですか」
僕の側近は納得があまりいってない様だ。知恵を付けたは良いが、あまりに優秀なのも考えものかも知れない。
「人間は身勝手な生き物なんだ。種が違えば人間は殺すか食すかの二択だ。そして、醜いことに人間同士ですら殺し合うこともある。そんな生き物は存在する価値はない。違うかい?」
「愚かな質問をしてしまった私をどうか許して下さい」
「大丈夫。いっぱい殺そう。それだけを今は考えるんだ」
側近は理解して跪く。僕はそれを許さなければいけない。人間をやめたあの日から、人間以外の全てを僕は慈しむのだ。
____________
_______
_
僕の目の前には同胞が見渡す限りいた。彼らは人間に家族や友人や故郷を奪われた者もいる。
「皆聞け。この街の灯りの数は人間の数を表しているに等しい。この街の灯りを業火で焼き尽くす。そして、皆の心の業火で街へ乗り込み人間を殺せ」
僕は街に魔術を放ち、火の海に変える。一気に色々な音や声が混ざって音楽みたいだ。なんて美しい。
「もっと天に響かせ聞かせろ。世が乱れ狂えば少しは彼も報われるのだから!!」
僕は自然と涙がこぼれ落ちていた。笑顔でも涙が出ることを初めて知る。そして、この涙の理由が僕は全く分からない。なぜ涙が止まらないんだろう。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
異世界転生してしまった。どうせ死ぬのに。
あんど もあ
ファンタジー
好きな人と結婚して初めてのクリスマスに事故で亡くなった私。異世界に転生したけど、どうせ死ぬなら幸せになんてなりたくない。そう思って生きてきたのだけど……。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
ざまぁされるための努力とかしたくない
こうやさい
ファンタジー
ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。
けどなんか環境違いすぎるんだけど?
例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。
作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。
ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。
恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。
中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。
……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる